日本財団 図書館


(5)ベトナム船主協会
 ベトナム船主協会はベトナム内航・外航に携わる船主、オペレーター、船舶管理会社など事業者間の連携を即し、利害を保護するために1997年5月に設立された。2000年6月現在、国営企業及び民間企業を含め、25社の普通会員と20社の補助会員から成っている。
 
表2-(9)ベトナム船主協会の会員リスト
  船主 保有隻数 GRT DWT
1 Viet Nam National Shipping Lines (VINALINES) 6 50,174 55,242
2 Vietnam Ocean Shipping Company (VOSCO) 22 179,231 288,616
3 Vietnam Shipping Company (VINASHIP) 12 51,791 81,708
4 Vietnam Sea Transport & Chartering Corporation (Vitranchart) 13 109,899 181,954
5 Transport & Chartering Cooperation (VIETFRACHT) 3 11,128 17,250
6 Vietnam Petroleum Transportation Company 7 27,544 42,778
7 International Labor Cooperation Company (INLACO) 1 2,861 4,354
8 Quang Ngai Ocean Shipping Company 3 1,750 2,455
9 Northern Water Way Transport Company 8 9,992 14,187
10 Bien Dong Shipping Company (BISCO) 7 9,180 12,500
11 Ha Tinh Company of Shipping & Commerce 3 2,021 2,550
12 Thanh Hoa Maritime Transportation Company 13 2,833 3,266
13 Quy Nhon Shipping Company Limited 7 1,627 1,850
14 Maritime Secondary School No.1 4 3,234 4,295
15 Maritime Secondary School No.2 2 1,190 1,100
16 Quang Ninh Shippping & Trading Company 2 4,351 7,104
17 Ha Noi Shipping Company (HAMACO) 4 5,022 8,125
18 Sai Gon Shipping Company (Saigon Ship) 4 6,356 10,247
19 Phu Yen Shipping Company 1 1,421 2,249
20 Vietnam Tanker Company (VITACO) 8 21,242 37,134
21 Binh Dinh Marine & Trade Company 2 1,984 2,800
22 Cuu Long Transport Company Limited 3 4,100 6,972
23 Da Nang Maritime Trasportation & Commercial Service Company 2 3,288 4,905
24 International Labor Co-operation Company 2 5,688 7,925
25 APM Sai Gon Shipping Company Ltd - - -
総数   139 517,907 801,566
出典)ASEAN Shipping Directory 2000/2001
 
(1)サイゴン港
 ベトナム最大の都市であるホーチミン市に位置するサイゴン港は、1863年に開港された国際貿易港で、貨物取扱量は同国全体の50%強を占める。人口約600万人を有する同市は同国最大の消費地でもあり、近年のドイモイ政策の影響で輸入貨物の増加も著しく、サイゴン港が占める同国経済への役割は益々大きくなっている。
 サイゴン港域はサイゴン川右岸沿いの河川港で、ブンタオ沖ロンタオ(Longtao)川河口から85km上流に位置している。港域付近の川幅は300〜500mで、水深は11mまで浚渫されている。外国船籍の船舶は河口のブンタオ沖から強制水先となっており、航行時間に制限がある。入港可能な最大船舶は30,000DWT、全長230mである。
 1998年に同港では同年における貨物取扱量全体の14%に相当する770万トンの貨物を取り扱い、そのうち85%は輸出入貨物であった。
 サイゴン港域はサイゴン港区、ベンゲ(Ben Nghe)港区、ニューポート港区の3つの港区に分類される。サイゴン港区はホーチミン市の中心街に隣接したサイゴン川右岸に位置し、ニャロン(Nha Rong)、カンホイ(Khanh Hoi)及びタンチュアン(Tan Thuan)の3つのターミナルからなり、管理運営はサイゴン港湾局が行っている。次いで、ベンゲ(Ben Nghe)港区はタンチュアン・ターミナルの約300m下流に位置し、ホーチミン市運輸局により管理運営されている。さらに、ニューポート港区は1993年に設立されたサイゴン・ニューポート・カンパニーにより運営され、海軍基地に併設されている。ニューポート港区の取扱貨物の大部分がコンテナ貨物であり、コンテナ取扱量はサイゴン港域で最大である。入港船は12,000DWT以下に制限されている。
(2)ハイフォン港
 ハイフォン港はベトナム北部最大の国際貿易港であり、商業港として100年以上の歴史がある。同港の貿易取扱量はサイゴン港に次ぎ第2位であり、輸入貨物の消費地は首都ハノイ及びベトナム北部一帯である。
 ハイフォン市を流れるカム(CAM)川右岸沿いの河川港である同港は、カム川と運河で結ばれているバックダン(Bach Dang)川河口から約20km上流に位置している。ハイフォン及びハノイは紅河(Song Hong)のデルタ地帯にあり、カム川は紅河水系の一部をなしており、同港は紅河デルタの水系を利用した水運の中心地でもある。船舶の入港は強制水先であるが、航行時間の制限はなく、夜間入港が可能である。入港が可能な最大船舶は、6,000DWTである。
 1998年に同港では同年における貨物取扱量全体の10%に相当する550万トンの貨物を取り扱い、そのうち65%は輸出入貨物であった。
 ハイフォン港は政府直轄で、運営管理はハイフォン港湾局が行っており、ホンゲ・ディユ(Hoang Dieu)港、コンテナー(Container)港、チュアベ(Chua Ve)港、ドアンサ(Doan Xa)港、バカチ(Vat Cach)港の5港区からなる。このうち、バカチ(Vat Cach)港は内航専用バースである。
(3)ブンアン(Vung Ang)港
 ベトナム初の深海港として2001年2月に開港し、年間46万トンの貨物取り扱いが可能で入港が可能な最大船舶は15,000DWT
(4)ダナン港
 ダナン(Danang)港は、19世紀末から20世紀初頭にかけて商業港としての基礎が築かれたベトナム中部最大の国際貿易港であり、貨物取扱量は、サイゴン港、ハイフォン港に次ぎ国内第3位である。
 同港は政府直轄港で、運営管理はダナン港湾局が行っており、ダナン湾に面したティエンサ(Tien Sa)港区とハン川河口左岸のソンハン(Song Han)港区からなる。
 人口約60万人のダナン市は、クワンナムダナン省の省都で、ベトナム戦争当時、米軍最大の基地が置かれていた。同市及びその周辺地域には、輸出加工区を含む工業団地が数ヶ所建設されており、外資系企業が進出している。
 1998年に同港では112万トンの貨物を取り扱い、そのうち84%は輸出入貨物であった。
(5)バニョイ(Ba Ngoi)港
 中部カンホア(Khanh Hoa)省に所在するバニョイ港は2001年に205隻の貨物船を受け入れ、50万トンの貨物を取り扱っている。1995年から2000年まで5年間で270万米ドルが投じられ、港湾の改修作業が行われたが、今後さらに170万米ドルが投じられ、30,000DWTの船舶が接岸出来るよう拡張される予定である。
(6)デュンクアット(Dung Quat)港
 中部クアンニャイ(Quang Ngai)省に所在するデュンクアット港はべトナム初の石油化学専用港として200,000DWTのケミカルタンカーが接岸できるよう開発中である。







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION