奈良県
いこま誌
第三回ジュニア川柳選考結果(秀句)
課題「うつくしい」
市長賞 おばあちやんしわがあってもうつくしい
生駒小学校四年 池川 茉里
議長賞 おかあさんけしょうなしでもうつくしい
生駒北小学校六年 冨田 皓
教育長賞 だれだって輝くための夢がある
緑ケ丘中学校三年 久本 幸代
秀吟賞 はるのひのさいしょにさいたチューリップ
壱分小学校四年 山崎 香穂
課題「たのしい」
市長賞 たのしみはおまけの箱をあける時
真弓小学校六年 渡辺 早紀
議長賞 じゅぎょう中はやくこいこい昼休み
生駒北小学校六年 辞本 晃大
教育長賞 友だちと遊びまくって星が出た
生駒南第二小学校六年 山口 愛加
秀吟賞 家族ってけん嘩もするがあたたかい
生駒小学校六年 又吉 春華
課題「まほう」
市長賞 一度だけなってみたいな男の子
生駒南小学校六年 上田 梨絵
議長賞 寝坊して飛んでいきたいベッドごと
上中学校二年 山澤 涼太
教育長賞 「ごめんね」はもっと仲良くなるまほう
真弓小学校六年 池田 沙樹
秀吟賞 大丈夫チチンプイプイ痛くない
鹿ノ台中学校二年 松田 理沙
山梨県
一の枝誌 平成十五年十一月号
小中学生の部
家族とのスキンシップは大切だ
誕生日自分が生まれてもう十年
甲府市 加藤 夏生
秋の風せつないにおいがしてくるよ
一休み燃えつきました学園祭
甲府行きプリクラとったよハイチーズ
長坂町 植松 志保
一年中食よくの秋太るかも
こてきたいはればれやったアコーディオン
長坂町 井出 奈津美
山梨を台ふうよけてホッとする
赤ちゃんがねがえり出来たはくしゅする
長坂町 井出 さとみ
千葉県
ぬかる道誌 平成十六年三月号
☆はばたけ ジュニア川柳
江畑 哲男 選
◎ニワトリが朝のあいさつコケコッコ
お正月うきうきしてるお年玉
お正月ちょ金しただけつかわれる
◎お年玉今年はすこしへったかな
(小三) 新井田 諒
◎ハゴイタが家にはあるがかざりもの
◎お年玉何につかうかまよっちゃう
年賀状いっぱいくるといいのにな
(小三) 平澤 雄基
鳥取県
鹿野っ子川柳
ブランコで入道雲にこんにちは 小四 浅木 真美
絵日記でふと思い出す夏休み 小六 山下 未鈴
そばを打つ手から伝わる味がある 小二 佐々木 広大
鏡から自分を一人みいつけた 小五 檜山 あゆみ
夕やけがどんどんしずむまたあした 小四 唯 隆浩
和歌山県
川柳塔わかやま 平成十六年一月号
次の世代のためにはジュニア川柳が動き始めました。私たちも少しづつですがジュニアのページを充実させてゆくつもりです。
小誌を活動と向上の場としてご利用いただければ幸いです。
ジュニアのページ
つらい事のりこえてこそ運がある
和歌山市 小六 三口 加織
【評】「がまん」や「しんぼう」は自分が決心しないと出来ないこと。大人になる階段のひとつです。
おもちつきみんなのえがおがふくらむよ
【評】「川柳は五・七・五のリズムが基本です。「みんなのえがおが」は中八といって良くありません。「えがおが」の後のがは無くても十分わかります。
秋田県
すずむし誌 平成十六年三月号
「第十三回秋田県少年少女川柳大会」
入選作品が決定
【入選句】
風船がうれしさのせて飛んでいく
五城目小4年 秋元 由美
旅行から来ると弟飛んでくる
五城目町大川小六年 児玉 瑞歩
大空へ高く飛んでけ僕の夢
能代市東雲中一年 佐々木 奈緒美
自えい隊イラクヘ飛ぶというニュース
五城目町大川小五年 干田 優香
二死満塁デッドボールで飛びはねる
神岡町北神小六年 今 知貴
ぼくたちは2004年へ飛んでいく
神岡町北神小六年 古屋 隼人
雲の上行ってみたいなペガサスで
五城目小四年 金子 京平
ぼくの顔空まで飛んだシャボン玉
五城目町大川小四年 佐藤 貴彰
青森県
ねぶた誌 平成十六年三月号
気品が必要子供川柳だからこそ
千田 和美
☆・・・子等みんな信じて我は風になる
青森市に子供川柳の芽を育て去った故福井柳沙さんの辞世の句です。
こども好きの福井さんが川柳愛好者の層を厚くするには、こどもの頃から始めて一般へ波及させるのが効果的と考え、まず「子供川柳・子鹿の会」を作って発足(昭和五十四年)。故松尾花平さんと私の八甲田川柳社会員の応援で、毎月第一土曜日福井宅に集う「句会」を開いてなかなか盛会でした。そのうち“育った環境が似ている”こどもたちに思いが至り、比較的近い関係から福祉施設「藤聖母園」にも子供川柳の結成を促し、「子供川柳・小羊の会」へのボランティア教室が発足、長年の変遷を経て「子鹿・小羊の会」と合併、指導者も故石沢三喜さん(八甲田川柳社)から現在のスタッフは千田ゆたか、漆舘邦両氏と私を入れ、三人が月例会の選者として句会に従事、家族的交流を進めています。
愛媛県
子ども川柳
(社)全日本川柳協会 副理事長 塩見 草映
ジュニア川柳の公募が各地で見られる現況である。子どもの川柳には、大人を驚かせるような豊かな感性でのびのびと詠んでいるところが素晴しい。
川柳ってなーにという話を川柳教室でしゃべっているが、ジュニア川柳と言っても、低学年から高学年、中学生と幅があって講評もなかなかむつかしい。大人の考え方を押しつけるような指導では、子どもは興味を持たないばかりか止めてしまうことが多い。
楽しみながら学習活動ができるよう、指導内容および指導資料をきちんと整頓しておくことが最も大切なことと思う。
愛媛県では地域に密着したジュニア川柳教室を次のように行っている。川柳創作会(県立川之江高校)・豊岡小学校川柳グループ(豊岡小)・神郷小学校・菊間小学校・小野ジュニア川柳教室(松山市小野公民館)・和気小学校・野村小学校・竹の子川柳会(近永愛児園)。
また、各学校の総合的な学習・国語科の学習としてジュニア川柳教室が開催されている学校は、松山市立南第二中・松山市立三津浜小・松山市立和気小・松山市立小野小学校などがある。
まつやま誌 平成十六年三月号
ぼくと川柳
小野ジュニア川柳 六年 亀田 大地
公民館で月に一回、土曜日にジュニア川柳があります。仙波先生からハガキで、日時と題を知らせてくれます。その日の題で作ったり、虫くい川柳で欠けている言葉を考えたりしています。ジュニア川柳には三十人ほどが毎回集まります。一年生の子も何人かいます。とても楽しいです。
ぼくの今までの作品の中から紹介します。
ばあちゃんが書くと昔のかなづかい(国民文化祭)
書くという題で、ばあちゃんが字を書くときに昔のかなづかいだったので、それを川柳にしました。
古墳から昔むかしのことを知る(奈良の御所市)
古墳が昔のことを物語っているような気がして、書きました。図書券をもらいました。うれしかったです。
砂嵐ぼくはきのうの僕でない(国民文化祭)
砂丘に足あとが一ぱいついていたのに、砂嵐が来て、次の日、消えてしまっていたということを作りました。
たたいたら時計が動く二三秒(奈良の御所市)
止まっていた時計をたたいてみると、二三秒だけ動いたので、見たまま、思ったまま作りました。
放流のダムをうらやむ水不足
船が来てテトラポッドへ太い波
撰ばれなかったものですが、水不足のときに、どこかのダムを放流していて「いいなあ」「おしいなあ」と思いました。ゼンゴ釣りに行ったとき大きい船が通って、太い波がテトラポッドへ押しよせたときの様子です。
わりばしが逃げるうどんをたい捕する(全日本香川)
編集後記
社団法人全日本川柳協会(日川協)として第一回目のジュニア川柳作品集を、日本財団の助成のもと、ここに発刊する運びとなりました。今回、初めてインターネットによる募集をしたところ二百句ほどの応募がありました。この中から各題三十五句を入選句として載せました。
この入選句に加えて、第二十七回全日本川柳香川大会のジュニア部門入選句、日川協加盟柳社のジュニア川柳担当者のエッセイ、それにこれまで柳誌に掲載された優秀な作品から選んで十四県分を収録しました。この他にもジュニア川柳を掲載している柳誌が見受けられますが、紙面の都合上、今回は割愛させていただきました。
近年、ジュニア(小・中学生)に加えて高校生の川柳熱も高まりを見せていることを新聞や柳誌上から拝見しています。青少年の新鮮な目で人間や社会を観察し、そこから喜びや悲しみ、怒りといった思いを五七五の川柳に現すことは成長過程で大事なことであり、また、詩的な表現力を培うことは、国語教育の上からも意義のあることと信じます。
日川協としては長年「川柳を教科書に掲載する」運動を行っておりますが、学校・教育の関係者の方々におかれましては、ジュニア川柳にご理解を賜るとともに、この作品集を川柳作句のご参考とされることをお願い申し上げます。
今後とも機会あるごとに作品集を充実させていく所存でございますので、日川協へのご支援ご協力のほどをお願い申し上げます。
事務局長 本田 智彦
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