(3)米国ONRのデータ
米国ONR(Office of Naval Research)による日本海調査プログラムで実施された観測結果及びデータの一部がインターネットで公開されている。
公開データの一例を表2.9に示す。例示したプログラムでは米国のNRL(Naval Research Laboratory)、SIO(Scripps Institution of Oceanography)、ロシアのPOI (Pacific Oceanological Institute)、FERHRI (Far Eastern Regional Hydrometeorological Research Institute)などの研究者が参加して調査船による各層観測・CTD観測を実施している。
表2.9 ONRによる観測の公開データ概要
Line/
ExpoCode/
Dates |
PI/
Ship/
Country |
SUM |
Bottle
S/O2 |
Bottle
NUTs |
Bottle
CFCs |
Bottle
pH/Alk |
Bottle
He/Tr |
Bottle
Del O18 |
CTD |
DOC |
J02
33RRHNRO4
May5-May10, 1999 |
Perkins/NRL
Teague/NRL
REVELLE
USA |
PRE |
* |
* |
* |
* |
* |
* |
PRE |
* |
J04
33RRHNRO7
Jun17-Jul21, 1999 |
Talley/SIO
REVELLE
USA |
FIN |
FIN |
FIN |
PRE
NP |
PRE
NP |
* |
* |
PRE |
PRE |
J05
90CIKH36
July22-August11, 1999 |
Talley/SIO
Luchin/FERHRI
KHROMOV
Russia |
FIN |
FIN |
FIN |
PRE
NP |
PRE
NP |
* |
* |
PRE |
PRE |
J06
33RRHNRO12
Oct11-Oct17, 1999 |
Perkins/NRL
Teague/NRL
REVELLE
USA |
PRE |
* |
* |
* |
* |
* |
* |
PRE |
* |
J07
90CIKH38
Feb28-Mar15, 2000 |
Talley/SIO
Shcherbinin/FERHRI
Lobanov/POI
KHROMOV
Russia |
PRE |
PRE |
PRE |
* |
PRE |
* |
* |
PRE |
* |
|
LEGEND
|
FIN:
|
Data are FINal
|
RAW:
|
Files in Non-WOCE format as received from PI
|
PRE:
|
Files are PREliminary
|
NP:
|
Non-Public (data available only from PI)
|
これらのデータのうち、制限なくダウンロード可能なものを収集した。但し、表2.9に示されているように、CTDは全て暫定的なデータである。各層データは、“J04”及び“J05”航海の結果が最終版となっている。なお、これらはWOD2001にはまだ収録されていない。
この航海の測点図を図2.10に示す。
図2.10 “J04”及び“J05”航海の測点図
以上のとおり収集・整理した観測資料のうち、観測データが入手可能なものについて整理し、日本海海域のデータを抽出した。
観測データの収集元の構成を整理すると、表2.10のようになる。
表2.10 観測データの収集元の構成
本業務で構築する観測データベースに収録するデータは、原則として日本海洋データセンター(JODC)で保有しており、公開可能なデータとする。また、本業務において新たに収集されたデータはこれに追加するとともにJODCにも送付する。
但し、海外のデータについては、現在のJODCのデータベースよりも新しいデータセットが存在するので、これを取り入れた。具体的には、韓国のデータについては前節に述べたとおり韓国国立海洋データセンター(KODC)からJODCに送付された新しいデータセットを整理した。このデータセットに含まれない韓国のデータ、並びに韓国以外の海外のデータは、米国海洋データセンター(NODC)のWOD2001(World Ocean Database 2001)から抽出した。
これらのデータセットより、日本海で行われた観測データを抽出した。
ここで、抽出対象範囲は図2.11に示す次の範囲とした。
北端:間宮海峡(52-15N)
南端:長崎県野母崎(32-30N)
西端:朝鮮半島南西端(126-00E)
東端:宗谷海峡(143-00EE)
津軽海峡(142-00E)
抽出したデータは、船舶別に1ファイルとして整理し、観測時間順にソートした。船名が不明なデータはまとめて1ファイルとした。
この結果、JODC保有の日本のデータは327ファイル、KODC及びWOD2001のデータは計94ファイルに整理された。なお、WOD2001のうち、KODCの新しいデータセットに含まれていたものは、重複チェックを行い除外した。
図2.11 日本海のデータ抽出範囲
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