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大分県の温泉・名水
 大分を代表するものといえば、平松前知事が提唱し、いまや日本だけではなく、東南アジア諸国、アメリカ、遠くはアフリカまでにも普及している、一村一品運動ではないでしょうか。江戸期の大分域には、中津、杵築、日出、府内(大分)、臼杵、佐伯、岡(竹田)、森(玖珠)の8藩が分立し、さらには、肥後、延岡、島原各藩の飛び領が入り乱れ、加えて、日田に代官役所が置かれ天領として九州の幕府領を管轄していました。このため大都市は出来ませんでしたが、各地に特色ある文化が生まれ人が育ちました。この風土が一村一品運動の成功の背景に大きく係わっていると考えられます。県内を巡り、各地においてふるさと運動として定着しているなあと実感したところです。
 
 
 他には、温泉、神社仏閣、石仏、関鯵(せきあじ)・鯖(さば)、城下鰈(しろしたかれい)なども有名ですが、赴任して2か月余、休日に過疎地における公共交通機関の状況調査を兼ね(?)てのドライブで出会った温泉、名水等を2、3紹介します。
 
 平湯温泉(湯布院町) 大正から昭和にかけて一世を風靡した温泉ですが、今ではすっかり寂れ、鄙びた湯治場的な温泉です。共同浴場は4カ所有り、料金箱に100円入れて入湯です。土産物屋などが点在する石畳の坂道が街の中心で、タイムスリップした感覚にとらわれます。
 長湯温泉(直入町) 炭酸泉で有名な温泉です。天満神社に隣接する共同浴場は、入り口が自動扉で100円入れると10秒程度開きます。2人の場合、半額にするかは良心次第です。また、芹川川原にある「カニ湯」は、浴槽、脱衣所とも360度遮る物なしの露天風呂です。昼間に何度か行きましたが、流石に子供しか入っていませんでした。勇気と自信のある方は挑戦してみてはいかがですか。
 七里田温泉(久住町) 新館(木の葉の湯)は大船山を仰ぎ見ながらの露天風呂が人気ですが、お勧めは旧館(下湯)の炭酸泉です。ぬるめのお湯ですが泡が身体を覆い、身体の一部が本誌には掲載できない現象となります。想像にお任せします。
 三船温泉(久住町) 浴槽の底からボコンボコンと音を立てながら湧き出るお湯は圧巻です。窓から見える久住の山々はすばらしく、温泉成分が浴槽に付着し描いた紋様は自然の芸術作品です。
 
長湯温泉(直入町)
 
三船温泉(久住町)から見える久住の山々
 
 次に名水です。名水と言えばお酒を連想しますが、大分の場合は豆腐です。それぞれ微妙に味が違い特徴ある豆腐です。
 水の駅おづる(直入町)
 海原神社境内の湧水を利用し、大豆の味が強く残ったおぼろ豆腐です。他に団子汁、鳥飯も美味しいです。
 老野湧水の滝(久住町)
 食事のみで販売はしていません。昔ながらの製法をまもり1日25丁しか出来ないそうです。おからのサラダ、湯豆腐、田楽、豆腐アイスなどの懐石料理がメインで、店主曰く「豆腐は難しい、毎日同じ味にはならない」。
 水の口湧水(山香町)
 大振りの油揚げが絶品。地元のお年寄りが自家製農産物を安く売っており、話が弾むとおまけもたっぷりです。
 うめりや362(宇目町)
 母、娘の2人で作る豆腐はとにかく美味い。丸い油揚げが名物だそうですが、何時も売り切れです。
 
 ついでに関鯵・鯖を。
 関の漁場(佐賀関町)
 漁協直営の店で、2000円の定食はボリュームたっぷり大満足です。只し、超人気店のため1〜2時間は待つ覚悟を。
 
 余談ですが、大分市から久住方面に向け県道412号線を走ると「若妻の店」の看板が目にはいります。看板に惹かれ店に入ると、地元の農産物や手作り食品を売っていました。店の人は若妻ばかり?。一度ご来店ください。
 他にも鄙びた温泉、絶景地、蕎麦・ソフトクリーム・炭酸饅頭・生ハムが美味しい店などがあります。是非、大分にお出かけください。
 
老野湧水の滝(久住町)
 
九州運輸局大分運輸支局長
清水照久







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