日本財団 図書館


事業の実施状況 II. [開催県アトラクション・記念公演・交歓の夕べ 地域伝統芸能公演・アトラクション・基調講演]
 
10月10日(金) 開催県アトラクション 14:30〜14:45
   記念公演 14:45〜17:30
   司会 吉川 精一(フリーアナウンサー)
       常世 晶子(フリーアナウンサー)
 
 記念公演の開演前に、歓迎の意味を込めた開催県アトラクションとして広島平和音頭(へいわおんど)が披露された。手に手に灯ろうを持ちお揃いの着物姿の800余名が、舞台と舞台下のアリーナさらに客席の通路までを埋め尽くし、平和への願いを込めて踊られた。会場いっぱいに広がる踊りの輪と揺れる灯ろうの光の美しさには観客席から感動の声が上がっていた。
 
 記念公演は、北海道の荒海の映像をバックに江差追分(えさしおいわけ)のメロディーで開幕となった。昨年度の地域伝統芸能奨励賞を受賞した木村香澄氏の澄んだ歌声が広い会場一杯に響き渡り、今回のテーマ「海・山・島、心に響くふるさとのまつり」にふさわしいオープニングであった。最も難しい民謡の一つとされる江差追分が3曲披露され、その歌声に場内は静まり返ってじっと聞き入っていた。江差追分に続いては、昨年度の地域伝統芸能大賞受賞者による公演に移った。最初は、舞台下のアリーナ一杯に大名行列の入場。静岡県島田市の島田大祭(しまだたいさい)で、最後尾に行列の目玉である独特な衣装の「大奴」11名がゆっくりと登場。身なりや仕草に奇祭といわれるその祭りの雰囲気を垣間見ることができた。続いては佐賀県唐津市の唐津曳山(からつひきやま)。「唐津くんち」の祭りの映像をバックに曳山囃子の演奏が披露され、笛、太鼓による軽妙なお囃子は、勇壮な曳山の映像とともに会場一杯に祭りの雰囲気を盛り上げていた。続いては、暗転した会場の客席頭上から炎が走り、舞台上の仕掛け花火に点火するという映像を駆使した仕掛けに会場からは驚きの声。茨城県新治村の大畑(おおばたけ)からかさ万灯(まんどう)で、実際は大きな仕掛け花火のため会場では披露できないが、映像による点火の様子に続き、子供たちも交えた神社の祭の様子が描かれ、雨乞いのため奉納されたという珍しい祭りの雰囲気が十分に感じ取れた。記念公演最後の演技は、地元広島県千代田町の壬生(みぶ)の花田植(はなだうえ)。今では中国地方にだけ残されているという田植えの伝統芸能で、田植え歌に合わせ腰に持った太鼓を打つ囃子役の男性と田植えを行う早乙女と呼ばれる女性の仕草が、その衣装とともに鮮やかにマッチした印象に残る演技だった。地元を代表する素朴で伝統的な演技におおきな拍手が湧いていた。今回は、演技の合間に、県外から出演の各団体の故郷が詳しく紹介された。映像による紹介のほか名産品の紹介など、広島の方々に故郷の観光アピールをしていただいたが、茨城県新治村からは名物「筑波山がまの油売り口上」も披露され、珍しさとともに懐かしくもある演技に拍手喝采であった。
 記念公演に続いては、津軽三味線の公演に移り、プロの吉田兄弟による公演となった。一段と大きな拍手の中登場し、みごとなバチさばきで4曲演奏された。高い天井と広い会場の隅々まで響きわたる三味線の音に時間の経つのを忘れる程で、観客席も満足した様子であった。最後に、本日の出演者が舞台に集い、大きな拍手の中、第1日目の公演を終えた。
 
開催県アトラクション〜開催記念公演(10月10日)
 
広島平和音頭(広島県)
 
 
広島平和音頭(広島県)
 
江差迫分(北海道江差町)
 
島田大祭(静岡県島田市)
 
唐津曳山(佐賀県唐津市)







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION