IV 実海域における油回収性能及び微生物分解処理技術の調査
杉樹皮製油吸着材に関して、海上油濁事故における油回収性能と、回収後の同品を実際に用いた微生物分解処理の実証実験を行った。昨年度事業にて、各地の海上保安本部、油濁対策事業者、関係自治体などにモニター用として杉樹皮製油吸着材サンプルを配布しており、現在まで使用者からのアンケートが寄せられ、油吸着性能や使用感が述べられている。いくつかの事例については実際に回収後の油吸着材マットの提供を受け、微生物分解処理の実験に供し、評価を行った。
昨年度末に、杉樹皮製油吸着材の油回収性能の評価を行う目的で、一定量のサンプル(製品版「杉の油取り」マット型)を各地の海上保安本部、油濁対策事業者、関係自治体などに配布した。配布先には、実際の油濁事故においての使用(写真−IV.1.1)と、その場合の油回収性能および使用感などについてアンケート方式での回答を依頼した。
これまでの回答数は7件で、使用された吸着マット枚数は合計352枚である。結果を図−IV. 1. 1〜4に示す。左側棒グラフが回答数別(全7件)、右側円グラフが吸着マット枚数別(全352枚)の集計である。なお、アンケート様式を図−IV.1.5に示す。
写真−IV.1.1
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使用されたサンプルの例(左:使用前、右:使用後)
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1 使用場所
使用場所は、枚数別で76%と大半が「海洋」であり、「地面」での油回収に使用したものが2件、10%ほどあった。また、「その他」とはテスト使用と油水分離槽での使用であった。
図−IV. 1. 1 使用場所(左:回答数別、右:吸着マット枚数別(場所, 枚数, %))
使用場所
使用場所
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