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15 広州船務企業有限公司
Guangzhou Shipping & Enterprises Co., Ltd.
 
所在地:広州市黄埔大道163号富星商貿大厦11楼
Address: 11th Flr., Fuxing Commercial Building, No.163, Huangpu Rd. Guangzhou
郵便番号:510620
Tel: 020-8756-2181、8756-2260
Fax: 020-8754-0102
URL:
E-mail: gzseco@public.Guangzhou.gd.cn
 
創立:1988年
資本形態:小型海運企業
業務内容:海運会社
法人代表、董事長:林沃源
総経理:林潮森
従業員数:150人(派遣従業員を含む)
陸上 66人
海員 84人(派遣)
 
船舶保有量(2002年12月現在)
  保有船 借入船 共同運航 合計
隻数 3 3 - 6
積載総トン数(DWT) 11 9 - 20
注:保有船3隻のうち1隻を廃棄予定。
 
財務(2001年)
登録資本金:2,600万元(約4億円)
売上高:1.79億元(約27.5億円)
売上総利益:5,096万元(約7.8億円)
固定資産:9,184万元(約14億円)
営業利益:384万元(約5,886万円)
当期純利益:311万元(約4,768万円)
 
企業概要:
●1988年7月、中華人民共和国交通部、広州市人民政府の承認により、広州交通集団有限公司、広州遠洋運輸公司。広州港務局及び中遠散貨運輸有限公司4社が共同出資で設立した広州市レベルの海運企業。
●広州市の各種貨物海上運送及び船舶・貨物の代理サービス、貨物取次ぎ業務、貨物積卸、倉庫、通関、陸上トレーラー手配、舶用設備、素材、燃料等の供給。
●華南地域の火力発電需要に応じ中国北方港から広東港までの石炭運送で収益。
●1997年7月中遠散貨運輸有限公司、再顕(香港)有限公司と共同出資で広州越洋船務有限公司を設立。2002年11月子会社である広州越洋船務有限公司と合併して、社名を広州越洋船務有限公司に変更、会社業務を同社に移して、2003年4月に工商局での会社登記を抹消。
 
組織図
 
15.1 企業概況
15.1.1 沿革
1988年7月  広州船務企業有限公司として創立。 広州交通集団有限公司、広州遠洋運輸
  公司、広州港務局と中遠散貨運輸有限公司4社が共同出資で設立した広州市
  レベルの海運企業。
1995年    「広州市優秀企業」を受賞。
1997年7月  広東省の石炭運送需要に応じ広州市政府の支援で、中遠散貨運輸有限公司、
  再顕(香港)有限公司と共同出資で広州越洋船務有限公司を設立。
2001年    董事長を陳耀雄から林沃源に変更。
2002年11月 子会社広州越洋船務有限公司と合併して、社名を広州越洋船務有限公司に
 変更。業務を同社に移す。
2003年4月  工商局での広州船務企業有限公司の会社登記を抹消予定。
 
15.1.2 主要経営者の経歴
表15-1 董事長の経歴
名前 林沃源  
役職 法人代表、董事長  
性別   
出生年日 1948年  
学歴 大卒  
職歴 期間 勤務先 役職
  2000年〜現在 広州交通集団有限公司 董事長
  2001年〜2003年 広州船務企業有限公司 董事長
  2001年〜現在 広州越洋船務有限公司 董事長
 
表15-2 その他主要責任者の名前及び役職
名前 役職
彭昌俊 副総経理
王丁 船舶技術部マネージャー
出所:上海科学技術情報研究所市場調査研究部
 
15.2 会社組織
15.2.1 会社組織
 
図15-1 会社組織図
出所:上海科学技術情報研究所市場調査研究部
 
15.2.2 調達・修繕部門
船舶の調達・修繕の担当部門:船舶技術部
責任者:王丁氏
 
15.2.3 関連企業
 
表15-3 関連企業名称及び会社概要
関係 企業名称 会社概要
出資会社 広州遠洋運輸公司 1961年4月創立。COSCOグループ傘下の会社。
中国最大の特種船を主とする海運会社。 140の国・地域の1,270港に定期・不定期船を運航。また陸上業務も開拓し、不動産、ホテル、船舶物資の供給、医療用品、塗料製造、潤滑油、船舶管理、通信設備修理、教育訓練等を取扱う。
子会社 広州越洋船務有限公司 1997年7月に広州船務企業有限公司と中遠散貨運輸有限公司、再顕(香港)有限公司3社が共同出資で設立した会社。
2002年11月に親会社である広州船務企業有限公司と合併し、2003年4月に広州船務企業有限公司を吸収する。
出所:上海科学技術情報研究所市場調査研究部
 
15.2.4 政府との関係
 出資者である広州交通集団有限公司、広州遠洋運輸公司、広州港務局、中遠散貨運輸有限公司の4社は地元の実力企業であり、地方政府と緊密な関係にある。広州船務企業有限公司としても地方政府の政策上の支援を受けている。
 また、中国北方港湾から広東まで石炭の海上輸送を行い、華南地域の火力発電用燃料(石炭)の運送及び広東省の経済発展に貢献しており、地方電力部門等とも良い関係にある。
 
15.3 経営状況
15.3.1 業務内容
 主に遠洋・沿海の貨物運送、貨物積卸、国際貨物代理、通関を行う。
 その他、舶用補機及び部品の代理手配、ディーゼル油、電工器材、電動器具、建築材料、金属材料、化学工業原料、化学繊維、紡績品、百貨、金物等を取扱う。
 現在、3.5万DWT級の貨物船3隻、10.9万DWTを保有。借入船を含めた船隊規模は20万DWT。主に広東各発電所の海上石炭運輸を行い、年間運送量は200万トン。就航航路では、オーストラリアやインドから中国までの鉱石運送、青島、湛江、香港等からシンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン等の主要港までの貨物輸送を行う。
 
15.3.2 売上高
 
図15-3 近年の売上高の推移
単位:万元
出所:国家工商管理局
 
15.4 財務状況
15.4.1 出資者、出資率
 
表15-4 主要出資者及び出資率(2001年12月31日現在)
出資者 出資率
広州交通集団有限公司 23%
広州遠洋運輸公司 37%
広州港務局 20%
中遠散貨運輸有限公司 20%
出所:国家工商行政管理局
 
15.5 企業戦略
15.5.1 海外展開
 海外事務所等はない。
 
15.5.2 事業計画
 広州船務企業有限公司は2003年4月に工商局の会社登記を抹消予定。
 子会社の広州越洋船務有限公司が新造船2隻を購入する計画。
 
 
 香港の海運企業(船主)は、大きく香港系、大陸系、その他に分かれる。
 会社の業務内容で言うとオーナー、オーナー兼オペレーター、船舶管理会社。
 
1)香港系
 香港系は、中国革命の後、上海等から出てきたオーナーが設立した会社が多い。中古船を1隻購入して運航するところからスタートして、苦労して会社を大きくしてきており業務全般を良く知っている創業者が多いが、現在は2代目、3代目の時代となっている。主な会社は次の通り。
(1)IMC(曹 文錦 薫事長 1925年生) 上海出身の香港企業
(2)OOCL(薫ファミリー)
 香港行政長長官の董グループのISLAND NAVIGATIONが倒産したときにコンテナ部門が切り離されてできた企業。バルク・油部門はINCとなり、アフラマックスタンカー建造や中古のVLCC購入等を行っている。
(3)WORLD WIDE(WW系)(包ファミリー)
 創始者はY.K.PAO。現在は入り婿のDr. Sohmen(オーストリア)が会長。
(4)ワーコン(Chaoファミリー)
(5)UNIQUE SHIPPING(CHENファミリー)
(6)OAK MARITIMAE(台湾系)
(7)FAIRMONT(HOファミリー PHILLIPINEのマグサイサイと姻戚関係)
(8)T.C.C(TAI. CHANG. CHING, K00顧ファミリー) VALLESの兄弟会社。父の死後いっしょに活動していたが、その後、分離。
 
2)大陸系
 北京等に本社機能があり香港には支社長が滞在。3年任期で交代していく例が多い。
(1)COSCO香港
 COSCO香港はオペレーションと船舶管理部門が中心。もともとあった大陸系・交通部傘下のOcean TrampingとYick Hunが合併してできた会社であり、主な荷主は大陸本土。FINANCEも自社で手当てする等独自性は強いが、近年北京の管理が強くなっており、新造船も北京の許可を得て発注していると言われている。トップは北京からの派遣。
 
(参考)COSCOの主な分担
・COSCO香港 Panamax・Handy Size BULKER
・COSCO天津 Cape size BULKER
・COSCO大連 油タンカー
・COSCO上海 コンテナ
・COSCO広州 重量物運搬船 石油掘削船 雑貨用貨物船
 
(2)中国海運 香港
Panamax・Handy Size BULKER等20数隻
(3)WORLDER SHIPPING
 SINOTRANS系列。オペレーションと管理部門があり、約40隻を管理。 SINOTRANSは、元々貿易部傘下の会社であり、海運が中心業務でないこともあり、現在、海運関係機能はこの香港のWORLDER SHIPPINGに移っている。北京のSINOMARINEは船員関係業務等。
(4)PARAKOU SHIPPING HK(CC.LIEU)
COSCOから独立した企業。バルク・タンカー・コンテナを中国系にチャーター。
(5)Ocean Longevity
 Ocean Trampingから分離。10数隻を所有。
(6)明華 中国招商局の船舶部門。VLCC・ケープバルカーを保有。
 
3)その他
 VALLES、FAIRMONT、UNIQUE SHIPPING、OAK MARITIMAEは1997年の香港返還時に技術部門等を事務所賃貸料、人件費の安いバンクーバーへ移転。
 ただし、オーナーはFINANCE、保険、船級機能を考えて引き続き香港在住が多い。
 
(2002年9月の業界関係者からのヒヤリングによる)







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