付録−2: 一次検査用の判定基準(改訂版)と参考事例(付表2-6)
検査項目ごとの判断基準について改訂案を以下のように作成した。基準値については今後更なる議論と実際の海湾での検証の積み重ねが必要である。参考事例として付表2〜付表6に、東京湾、伊勢湾、大阪湾、周防灘、有明海の5つの海湾に適用した場合の一次検査カルテを例示した。また、付図1には、一般向けに分かりやすく診断結果を表示したカルテの例(東京湾について)、付図2には、検査結果を視覚的に表現するための方法についての検討例(東京湾と有明海)をそれぞれ提示した。付図1と付図2については、今後さらに実海域への適用と並行して具体化に向けた検討を進める必要がある。
以下は、現時点でのガイドラインの主な改善点である。
改善点1:
人の健康診断では、例えば、A; 異常なし、B; ほぼ正常、C; 要観察、D; 要治療、E; 要精検、F; 継続治療、G; 要再検、H; 要専門医というように8段階に診断(判定)が区分されている。しかし、この細分化された区分は、人の健康・不健康の判断が膨大な診断データに裏打ちされた確かなものであることが前提で成立するものであり、これから実施するという段階の「海の健康診断」では適用が難しい。そこで、海の健康診断の一次検査では、当初設定されていた「A:健康(または良好)」と「C:不健康(または悪化)」という2区分に加えて、両者の間に十分な監視(管理)が必要であるとして注意を喚起する「B:要注意」を新たに設けることにする。
改善点2:
長期的なトレンドをもとに基準が設定されている検査項目に関しては、当面は原則として20年間の平均値などとの比較によって判定するものとする。
改善点3:
健康診断カルテの中に、「所見など」を記入できる欄を新たに設けることにし、基準をもとに数値的に判定するだけではなく、その基準以外で健康上問題を生じる可能性がある点を自由に書き込めるようにする。
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付表3 一次検査カルテ(伊勢湾)
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