1.2 静脈物流の現状
ここでは、アンケート調査及び北九州市を中心に産業廃棄物、一般廃棄物の収集運搬を行っている業者へのヒアリング調査に基づき北九州市における静脈物流の現状を整理する。
(1)循環資源の収集
図−1.3 北九州市の循環資源収集圏に見られるように、北九州市への循環資源収集の特徴は、以下の点である。
(1)全体的特徴
a 東北、北海道を除く広域からの収集
・九州と隣接する中国、四国だけでなく、近畿、北陸・中部・東海、関東からも収集している。
・長崎県、鹿児島県の離島、一部沖縄からも収集している。
b 幅広い品目の収集
・金属くず、汚泥、燃え殻、ばいじん、ペットボトル、廃プラスチック、廃家電等の様々な品目を収集している。
c 九州・中国/トラック、関東等/フェリー、その他船舶、鉄道利用が中心
・九州及び中国地方からはトラック輸送が中心であり、関東地方からはフェリー、その他船舶、鉄道が中心であり、距離により輸送モードの利用のされ方が異なる。
(2)海上輸送(フェリー、その他船舶)
a フェリー
・航路のある東京、四国、大阪、神戸を中心にペットボトル等の循環資源が輸送されている。
・東京からの品目、貨物量が最も多い。
・一部、岐阜、静岡からもフェリー利用で循環資源が輸送されている。岐阜から輸送する場合、トラックで大阪・神戸まで輸送し、大阪港・神戸港から北九州港までフェリー輸送されている。
・沖縄からもフェリーで循環資源が輸送されているが、北九州港ではなく、博多港等を利用している。
b その他船舶
・関東からフェリー以外の「その他船舶」を利用して輸送されている循環資源は、建設混合廃棄物、レンガ屑、使用済自動車などがあり、これらは1,000トンから1,500トンのかなり大きなロットで輸送されている。
(3)鉄道輸送
・主に関東より、廃プラスチック、ペットボトル等が輸送されている。
・関東より広島、九州方面への輸送が急増している。
(4)トラック輸送
・主に近畿、中国、四国、九州より様々な品目が輸送されている。ただし、本調査は海上輸送の促進を目的に掲げており、これ以降については、海上輸送を中心に検討していく。
図−1.3 北九州市の循環資源収集圏
(2)リサイクル製品の輸送の現状
北九州市からのリサイクル製品の輸送は、トラックによる九州、中国への輸送が中心である。
一部、フェリーにより、関東へ搬出されているリサイクル製品もある。
表−1.4 リサイクル製品の輸送の現状
搬出圏 |
品目 |
年間取扱量 |
平成14年度
利用輸送機関 |
関東 |
発泡スチロール粉製品 |
12 トン |
フェリー |
中国 |
再生重油 |
1,171 キロリットル |
トラック |
再生アスファルト混合物 |
427 トン |
トラック |
九州 |
再生重油 |
2,017 キロリットル |
トラック |
リサイクル石膏 |
150 トン |
トラック |
全国 |
自動車中古部品 |
30,000 個 |
トラック |
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資料:北九州市の許可を取得した産業廃棄物中間処理業者、産業廃棄物収集運搬業者へのアンケート結果より作成。
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