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V 船舶自動化設備特殊規則
 
第1章 総則
 
(趣旨)
第1条 この省令は、船舶の安全な航行のために必要な自動化設備(船内における作業を軽減するため当該船舶に施設される設備をいう。以下同じ。)に関する基準を定めるものとする。
(管海官庁の指示)
第2条 次章及び第3章に規定する自動化設備であって、管海官庁が当該自動化設備を有する船舶の構造、航海の態様等を考慮してさしつかえないと認めるものに係る基準については、管海官庁の指示するところによるものとする。
 
(遠隔制御燃料油注油装置)
第3条 遠隔制御燃料油注油装置は、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。
(1)遠隔制御を行う場所において、弁の制御、燃料油タンク内の燃料油の液位の監視その他の燃料油の注油のために必要な制御を行えるものであること。
(2)遠隔制御を行う場所において、燃料油の液面が限界液位に達したことを知らせる警報を発するものであること。
(関連規則)
船舶検査心得
3.0(遠隔制御燃料油注油装置)
(a)燃料油タンクの数が少なく(4個を標準とする。)、かつ、燃料油の注油を行う際に操作が必要な弁の数が少ない(4個を標準とする。)船舶であって、当該タンク及び弁の配置により遠隔制御によらないで燃料油の注油が行えるものに備え付ける遠隔制御燃料油注油装置については、第1号の規定(弁の制御に係る部分に限る。)は適用しない。
(b)「その他の燃料油の注油のために必要な制御」とは、船内のポンプにより燃料油を注油する船舶にあっては当該ポンプの回転数の制御をいう。
(自動記録装置)
第4条 主機の運転状態を自動的に記録する装置は、当該主機の潤滑油圧力、冷却水温度その他の運転状態を確認するために必要な情報が記録できるものでなければならない。
(関連規則)
船舶検査心得
4.0(自動記録装置)
(a)1当直(4時間)中少なくとも1回情報の記録ができること。
(b)「その他の運転状態を確認するために必要な情報」とは主ボイラの蒸気圧力、主機として用いられる内燃機関の排気温度及び推進軸の回転数をいう。
(機関集中監視装置)
第4条の2 船橋に施設される機関集中監視装置は、主機、発電機(非常電源の用に供するものを除く。以下同じ。)を駆動する補助機関、ボイラ(船舶機関規則〔昭和59年運輸省令第28号〕第42条のボイラに限る。)及びその他の機関で船舶の推進に直接関係のあるものの潤滑油圧力、冷却水温度その他の状態を監視するために必要な情報を見やすい方法により表示できるものでなければならない。
(関連規則)
船舶検査心得
4-2.0(機関集中監視装置)
(a)主ボイラ及び主要な補助ボイラ(機関規則心得附属書〔1〕「用語の定義」の主要な補助ボイラをいう。)以外のボイラについては省略して差し支えない。
(b)「その他の機関で船舶の推進に直接関係のあるもの」とは、次に掲げるものをいう。
(1)推進のために必要な動力伝達装置及び推進軸系
(2)主機及び(1)に掲げる機関の潤滑油供給ポンプ、冷却水ポンプ及び燃料油供給ポンプ
(3)主ボイラの給水ポンプ、燃料ポンプ及び強制給排気送風機
(c)「必要な情報」とは、次に掲げるものをいう。
(1)ディーゼル機関の表示
 
表4-2.0〈1〉
表示項目 主機用 発電機用
温度 シリンダ冷却水 各シリンダ出口 -
ピストン冷却水(油) 各シリンダ出口 -
潤滑油(主) 入口 -
燃料油 入口 -
排ガス 各シリンダ出口 過給機各入口又は各シリンダ出口
掃気空気 空気冷却器出口 -
圧力 シリンダ冷却水 入口 -
ピストン冷却水(油) 入口 -
燃料弁冷却水(油) 入口 -
潤滑油(主) 入口 -
燃料油 入口 -
冷却海水 ポンプ出口 -
 
(2)蒸気タービンの表示
 
表4-2.0〈2〉
表示項目 主機用 発電機用
温度 潤滑油 入口及び各軸受 -
圧力 潤滑油 入口 -
排気 復水器 -
 
(3)軸系の表示
 
表4-2.0〈3〉
表示項目 主機用 発電機用
温度 減速歯車潤滑油 入口 -
圧力 減速歯車潤滑油 入口 -
 
(4)ボイラの表示
 
表4-2.0〈4〉
表示項目 主ボイラ 補助ボイラ 熱媒油装置
温度 燃料油 入口 - -
排ガス 出口 - -
過熱蒸気、熱媒油 出口 - 出口
圧力 燃料油 入口 - -
蒸気 出口 出口 -
 
(d)「見やすい方法により表示できる」とは、CRTディスプレイ又は発光素子(液晶、プラズマディスプレイ等)により表示できることをいう。
(機関集中制御装置)
第4条の3 船橋に施設される機関集中制御は主機、発電機を駆動する補助機関及びボイラ(船舶機関規則第42条のボイラ又は内燃機関の高温ガスにより蒸気を発生させるボイラに限る。)並びにこれらの機関を作動させるために必要な機関を有効に制御できるものでなければならない。
(関連規則)
船舶検査心得
4-3.0(機関集中制御装置)
(a)ボイラについては、4-2.0(a)を準用する。
(b)「これらの機関を作動させるために必要な機関」とは、次に掲げるものをいう。
(1)海水吸入弁
(2)機関室用通風機
(3)自動同期投入及び自動負荷分担装置
(4)自動負荷移行及び引外し装置
(c)「有効に制御できる」とは、次に掲げることをいう。
(1)主機の制御
(i)ディーゼル機関の制御
(イ)始動用空気圧縮機の始動及び停止
(ロ)始動用空気タンクの元弁又は中間弁の開閉
(ハ)補助ブロアの始動及び停止
(ニ)燃料油供給ポンプの始動及び停止
(ホ)燃料油昇圧ポンプの始動及び停止
(ヘ)潤滑油ポンプ(主)の始動及び停止
(ト)クロスヘッド潤滑油ポンプの始動及び停止
(チ)ピストン冷却水(油)ポンプの始動及び停止
(リ)シリンダ冷却水ポンプの始動及び停止
(ヌ)冷却海水ポンプの始動及び停止
(2)発電機を駆動する補助機関の制御
(i)ディーゼル機関の制御
(イ)始動及び停止
(ロ)燃料油切替装置の操作
(ハ)冷却海水ポンプの始動及び停止
(ニ)船舶設備規程第183条の2第3項第1号ロの場合において、自動的に始動されるものの選択
(ii)蒸気タービンの制御
(イ)復水器循環水ポンプの始動及び停止
(ロ)停泊中蒸気タービン発電機を使用する船舶であって、排ガスエコノマイザを備えるものは、駆動用蒸気の切替え
(3)ボイラの制御
(i)主要な補助ボイラの制御
(イ)排ガスエコノマイザによる蒸気で駆動する蒸気タービン発電機を有する船舶にあっては、排ガスエコノマイザのスートブロアの始動及び停止
(ロ)ボイラ水循環ポンプの始動及び停止
(4)これらの機関を作動させるために必要な機関の制御
(i)高低の海水吸入口を有する船舶にあっては、海水吸入弁の開閉
(ii)機関室用通風機の始動及び停止
(iii)自動同期投入及び自動負荷分担装置の操作
(iv)自動負荷移行及び引外し装置の操作
(主機遠隔制御及び操舵装置)
第4条の4 船橋のウイングで使用される主機遠隔制御及び操舵装置は、舵角指示器を備え付けているものでなければならない。ただし、舵角指示器が見やすい場所に備え付けられている場合にあっては、この限りでない。







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