日本財団 図書館


(船舶自動識別装置)
第146条の29 総トン数300トン未満の旅客船及び総トン数300トン以上の船舶であって国際航海に従事するもの並びに総トン数500トン以上の船舶であって国際航海に従事しないものには、機能等について告示*で定める要件に適合する船舶自動識別装置を備えなければならない。ただし、管海官庁が当該船舶の航海の態様等を考慮して差し支えないと認める場合には、この限りでない。
*:告示 第14節 船舶自動識別装置
(船舶自動識別装置)
第24条 規程第146条の29の告示で定める要件は、次のとおりとする。
(1)自動的に航海の情報を発信することができるものであること。
(2)短距離間及び長距離間における次に掲げる情報の送受信ができるものであること。
イ 静的な情報として次に掲げる事項
(1)可能な場合、国際海事機関船舶識別番号
(2)信号符字及び船名
(3)船の長さ及び幅
(4)船種
(5)衛星航法装置又は無線航法装置の空中線の設置場所
ロ 動的な情報として次に掲げる事項
(1)位置
(2)時刻
(3)船首方位
(4)速力
(5)航海針路
(6)航海の状態
(7)回頭角速度
(8)可能な場合
(9)可能な場合、縦傾斜角及び横傾斜角
ハ 航海関連情報として次に掲げる事項
(1)喫水
(2)貨物情報
(3)目的地及び到着予定時間
ニ その他任意に作成した文章
(3)静的な情報及び航海関連情報を6分ごとに並びに動的な情報を次の表の左欄に掲げる船舶の情報の区分によりそれぞれ右欄に定める間隔ごとに自動的に送信することができるものであること。
 
船舶の状態 発信する間隔
錨泊中 3分
速力が14ノット未満であり、進路変更中でない場合 12秒
速力が14ノット未満であり、進路変更中である場合 4秒
速力が14ノット以上23ノット未満であり、進路変更中でない場合 6秒
速力が14ノット以上23ノット未満であり、進路変更中である場合 2秒
速力が23ノット以上であり、進路変更中でない場合 3秒
速力が23ノット以上であり、進路変更中である場合 2秒
 
(4)要求された場合に自動的に情報を送信することができるものであること。
(3)情報を手動で入力及び訂正することができるものであること。
(4)誤った内容の送信を防止するための措置を講じたものであること。
(5)停止状態から2分以内に作動することができるものであること。
 
(航海情報記録装置)
第146条の30 総トン数150トン以上3,000トン未満の旅客船及び総トン数3,000トン以上の船舶(船舶安全法施行規則第1条第2項第(1)号及び第(2)号の船舶(同項第(2)号の船舶にあっては自ら漁ろうに従事するものに限る。)を除く。)であって、国際航海に従事するものには、機能等について告示*で定める要件に適合する航海情報記録装置を備えなければならない。
 
*:告示 第15節 航海情報記録装置
(航海情報記録装置)
第25条 規程第146条の30の告示で定める要件は、次のとおりとする。
(1)次に掲げる事項に係る情報を記録できるものであること。
イ 日付及び時刻
ロ 位置
ハ 速力
ニ 船首方位
ホ 船橋における音声
へ 無線通信における音声
ト レーダー画面に表示された映像
チ 音響測深機
リ 船橋における警報
ヌ 命令伝達装置及び角指示器等
ル 船体開口部の状態
ヲ 水密戸及び防火戸
ワ 船舶に設置される場合には、船体応力監視装置及び加速度計
カ 船舶に設置される場合には、風速計及び風向計
(2)記録された情報は各事項につき日付及び時刻に係る情報で連動されたものであること。
(3)修正を防止するための措置を講じたものであること。
(4)故障を示す警報を発するものであること。
(5)専用の予備電源で2時間船橋音声を記録することができるものであること。
 
[解説]
(1)第1種漁船*1とは:下記の船舶(アンダーライン表示)をいう。
*1:衛星航法装置の規定に記載。
○ 漁船特殊規程第2条
 本令において動力漁船とは推進機関を有する漁船をいい、第1種漁船、第2種漁船又は第3種漁船とは各従業制限第1種、第2種又は第3種を従業制限とする漁船をいう。〜後略〜
○ 漁船特殊規則第2条〜抜粋〜
 漁船の従業制限は総トン数20トン以上の船舶では第1種、第2種及び第3種の3種とし〜後略〜
○ 漁船特殊規則第3条〜抜粋〜
 次の業務に従事する漁船の従業制限はこれを第1種とする。(まとめたもの)
(1)一本釣漁業 (2)延縄漁業 (3)流網漁業 (4)刺網漁業
(5)旋網漁業 (6)敷網漁業 (7)突棒漁業 (8)曳縄漁業
(9)曳網漁業(トロール漁業を除く) (10)小型捕鯨業 (11)準ずるもの
 
 なお、第2種は、(1)鰹及び鮪竿釣漁業、(2)鮪、旗魚及び鮫浮延縄漁業や、(3)機船底曳網漁業(4)鮭、鱒及び蟹漁業(母船附属船に限る)等の業務に従事する中大型漁船を示し、
 第3種は、(1)トロール漁業(2)捕鯨船(小型捕鯨業を除く)(3)母船式漁業の母船(4)漁獲物、その化製品運搬業務(5)漁業試験、検査、指導、練習、取締業務等の業務に従事する大型船又は練習船、取締船等をいう。
(2)安全法施行規則*1第1条第2項第(1)号の船舶:(アンダーラインの船)
(3)安全法施行規則*1第1条第2項第(2)号の船舶:(二重下線の船)
*1:航海情報記録装置の規定に記載。
 
○安全法施行規則第1条(定義)の第2項
2 この省令において「漁船」とは、次の各号の1に該当する船舶をいう。
(1)もっぱら漁ろう(附属船舶を用いてする漁ろうを含む。・・・後略)に従事する船舶
(2)漁ろうに従事する船舶であって漁獲物の保蔵又は製造の設備を有するもの
(3)もっぱら漁ろう場から漁獲物又はその加工品を運搬する船舶
(4)もっぱら漁業に関する試験、調査、指導若しくは練習に従事する船舶又は漁業の取締りに従事する船舶であって漁ろう設備を有するもの
 
転載を禁じます
(社)日本船舶電装協会







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION