第7章
(問1)
(1)レンジは6マイル又は12マイルにしておく。
(2)利得及び輝度調整つまみは反時計方向一杯に回し、何も出ないようにしておく。また、STCも反時計方向一杯に回しておいて、全く抑制していない状態にしておく。
(3)同調メーターを見ながら同調つまみをゆっくり回し、その振れが最大(最小)になるようにセットする。
(4)輝度調整つまみをゆっくり回し、わずかにスイープが見えだす点にセットする。
(5)利得調整つまみをゆっくり時計方向に回し、映像が現れ、さらにわずかにノイズが現れだす、その寸前にセットする。
(6)最後にSTCつまみを時計方向にゆっくり回し、小物標(例えばブイや小舟)が海面反射の中で識別され、かつ、それが消える寸前より少し手前の所にセットする。
以上で最良点が得られるが、この調整は昼間と夜間とでは明るさが異なり、また、海面反射が強いときのSTCや利得の調整には十分な注意が必要である。
(問2) 注意事項:輝度調整つまみを反時計方向一杯に回しておくこと。
理由:次回にレーダーを動作させたとき、もし、スイープ回路等に故障があると、(この故障は、レーダーをONからOFF又はOFFからONしたときに発生することが最も多い。)CRTの中心に輝点だけが現れる。これを長くそのままにしておくと、CRTの中心付近の蛍光面を焼いてしまうおそれがある。したがって、輝度調整つまみを反時計方向一杯に回しておけば、それを防ぐことができる。
(問3)片目をつむって映像画をのぞくと目がガラスに映っているので、その瞳の中心がカーソルの中心にあるようにしながら、そのとき同時に、その中心の真下にスイープの起点がくるようにオフセンター用の各つまみを調整して、位置を決定する。
第8章
(問1)
(1)ドライバー等で、マグネトロン用の磁石のN-S間を短絡してはいけない。減磁の原因になる。
(2)マグネトロンの高周波出力部と導波管又はプローブとは、確実に装着するように細心の注意を払うこと。
(3)ヒーター用のプラグは、カソードの方向を確認し、誤接続のないよう十分に注意すること。もし、反対に挿入すると、カソードに大きな電位差を発生し、マグネトロンの正常な動作は期待できない。
(4)電源を投入するときには、ヒーターにのみ規定の電圧を印加して、30分以上はエージングを行うこと。特に長期間保存したマグネトロンの場合は、1時間位はエージングを行った方がよい。
(問2)
(1)衝撃を与えないこと。
(2)近くで電気溶接をしているときには、交換を待つこと。その高周波エネルギーによって不良になる可能性がある。
(3)バランスドミキサの場合は、互いに逆極性のダイオードが使われているので、その極性を間違えない様に装着すること。
(4)良否の判定のためにテスタを使うときには、R×100以上のレンジで正逆比の判定を行うこと。これ以下のレンジで行うと大きな電流が流れて、クリスタルダイオードを破壊させるおそれがある。
(問3)
(1)衝撃を与えないよう、指定の箱に収納すること。
(2)蛍光面すなわちCRTの表示面が下になるようにして保管すること。これで蛍光剤のはがれることを防止する。
(3)CRTによっては、強磁性体の側には置かない方がよいものがある。CRTの材料に磁化されるものが使われている場合には、その一部が磁化されると、画面にひずみを発生する原因となる。
(4)湿度の高いところには保管しないようにする。
第9章
(問1)このような状態は、CRT本体、CRTの高圧回路、CRTのヒーター、アンブランキング回路、輝度回路、は正常又は正常に近い状態であることを示している。したがって、チェックの手順としては上記以外のところ、すなわちスイープ関係の回路をチェックすることから始める。
スイープ関係のチェックは、電圧が高くて故障の起きやすい終段の部分から、逆に前段へ追及の手順を進めていくのがよい。
(問2)
(1)送信出力の低下若しくは欠如:感度不良になるか、あるいは映像が出なくなる。
(2)ヒーターの断線:この場合は、出力はゼロとなるから映像は全く出ない。
(3)ミッシング:画面上では、映像が破れ傘状(スポーキングという。)になる。
(問3)
(1)TR管の放電不良:クリスタルダイオードが焼損し、その結果感度不良となる。
(2)TR管の放電回復時間が長い:送信後のTR管の放電回復時間が長いため、近距離の感度が不良となる。したがって、ちょうどSTCが掛かったように見える。
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