7・2・4 ひずみ波形
今までは正弦波の波形のみについて論じてきたが, 交流波形には図7-10に示すようにいろいろあって, これらは数学的に示すには複雑な式が用いられる。ここでは取扱わないことにする。
図7・10
以上の波形のほかにパルス波形がある。図7・11はこれを示す。
図7・11
正弦波交流については7・1の図7・3で説明したとおり, Oを中心として腕OAの回転につれてその正射影の変化である, といったがこれをベクトル式に再現すれば次のようになる。
図7・12
図7・12において電流の瞬時値iの変化は(7・2式)から
=Im
sinωt〔A〕である。
これは なるベクトルとして考えられる。即ち なるベクトルはX,
-Xの横軸上から出発するから偏角=0である。そして一定の角速度ω〔rad/s〕で反時計式に回転し ′では の瞬時値は ′の正射影 はY,
-Y軸上にあって, A′に至ればI mなる最大値となる。このような正弦波ベクトルとなる。同図(b)は正弦波を示し同図(c)は偏角=0のベクトルを示す。次に,
図7・13(a)(b)(c)及び(d)(e)(f)は上記のとおり, 同様に考えてよい。
図7・13
しかし, 前者の図7・13の(a)(b)(c)は偏角θで(+)であり, 後者の図7・13(d)(e)(f)は偏角θで(−)である。
これを, それぞれ次のように示す。
=I msin(ωt+θ)・・・(7・15)
'=I msin(ωt-θ)・・・(7・16)
図7・14
図7・14において
1=I m1sin(ωt+θ 1)〔A〕
2=I m2sin(ωt-θ 2)〔A〕
のような 1と 2電流の合成電流をベクトルを使用して求める。
これは, 6・2・3によってベクトルの和を求めればよい。即ち m 1と m 2の平行四辺形を作り,
その対角線mが合成電流である。そしてこの場合の偏角はθとなる。この場合には電流の最大値をとったが,
実際には ベクトルの長さは実効値を用いることが多い。そしてこの方が便利である。この意味はメータの指示値は実効値であるから, これで画いておけば,
両者は相似形のため実効値に, 倍すれば最大値のベクトル和が求められる。図中 1,
2及び は実効値を示し, m 1,
m 2及び mは最大値を示している。
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