2・3 電流の磁気作用と電磁石
2・3・1 アンペアの右ねじの法則
図2・4
図2・5
図2・4は紙面上に鉄粉を薄くまいて, これと直角なる方向に導線を通して, 電流を上から下へ流した図である。このようにすれば鉄粉の配列は図のように同心円状に変わる。
この現象をしらべると, 図2・5に示したように(a)図の(×)の印は紙面の表から裏へ向う電流を示し磁界の方向は時計の針の回る方向に, (b)の(・)の印は紙面の裏から表へ向う電流を示し磁界の方向は時計の針の回る方向と逆になるこの事実をアンペアの右ねじの法則という。
すなわち「電流の方向を右ねじの進む方向にあわせると, その電流によって生じる磁界の方向は, 右ねじの回転方向と一致する」
この関係を図示すれば図2・6(a), (b)となる。
この法則は1820年フランスのアンペアが発見し発表したものである。それ故アンペアの右ねじの法則という。
図2・6
図2・7において, I〔A〕の電流が流れている直線状の導体から, γ〔m〕の距離にある点Pにおける磁界の強さH〔A/m〕を求める。この考え方は半径γ〔m〕の円周に沿ってH〔A/m〕が一定であって, 磁界の方向は, その円周の切線の方向とみる。 この場合H×(半径γの円周)=H2πγ・・・(2・4)となる。
図2・7
よってH2πγ=I・・・(2・5)
これからHが次のように求められる。
|