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3・11 相順検定器(検相器)
3・11・1 三相誘導電動機を用いる場合
 三相誘導電動機の回転方向は,電源側の相順μυωと一致すれば図3・18(a)のように時計式に回転する。ところが,図3・18(b)のように一致していなければ,図3・18(b)のように反時計式に回転するので,よって,図3・18(a)の回転方向(時計式)に図3・18(b)を一致させるためには図3・18(c)のように3相のうち1相を接続替えすればよい。
 
図3・18
 
 このようにして電源の相順を判定することができる
 図3・19のように不平衡星形負荷,この場合はXL〔Ω〕のリアクタンスとR〔Ω〕の電球L1とL2を図3・19のように星形に接続して,電源につなぎ検相しようとするものである。
 
図3・19
 
 もし相順が1−2−3であればL1電球が暗く,L2電球が明るくなる。また,反対に相順が1-3-2であれば,L2電球が暗く,L1電球が明るくなる。このことによって相順の判定がつく。この理由をベクトル図によって説明すれば次のようになる。
 電源電圧のベクトルが各相とも同一負荷であれば,正三角形の重心点0と電源中性点の電位と一致し零である。
(図3・20参照のこと)
 
図3・20
 
 ところが,各相電圧V10,V20,V30のベクトルは負荷が異っているから
より90°遅れる。
と同相。
と同相となる。
 このベクトル図を描けば図3・21のようになる。これは中性点が右によったことになる。
 図3・21はこのことを示す。よって,V30>V20となり1−2−3の相順では,L2の電球がL1の電球より明るくなる。
 
図3・21
 
 次ぎに1−3−2の相順では,上記図3・20の1,2,3の端子符号を(1),(3),(2)と変更し,上記のような手順によってベクトル図を描けば図3・21が10−(30)−(20)の相順となって(V30)<(V20)となってL2電球が暗く,L1電球が明るくなる。
注意事項:
 誘導リアクタンスXLの代りに容量リアクタンスXcを用いたとすれば,以上の関係は反対になることに注意を要す。
まとめ:







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