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2・6・5 鉛蓄電池とアルカリ蓄電池の比較
 アルカリ蓄電池は鉛蓄電池に比べ次の長所,短所がある。
長所(1)小形(小容量)のものができ,乾電池のように携帯に便利である。
(2)機械的強度が強い。
(3)大電流の急速放電に強い。
(4)寿命が長い。
(5)鉛蓄電池のように耐酸処置が不要である。
短所(1)鉛蓄電池と同電圧,同容量に比し容積,重量が大きく価格が高い。
(2)単電池(1個分)の電圧が鉛蓄電池に比し約1/2である。
 蓄電池の容量はアンペア時〔Ah〕で表す。例えば,10〔A〕の放電電流で10時間連続使用したとき鉛式の場合1.8〔V〕の限度になったとすると,10〔A〕で10時間使用できるわけで10〔A〕×10〔時間〕=100〔Ah〕となりこれがその蓄電池の容量である。
 
形式 公称
電圧V
定格容量
Ah
外形寸法
mm
(参考)
10時間率
(10HR)(1)
1時間率
(1HR)(1)
総高さ
最大
箱高さ(2) (2) 長さ(2) 質量
(液を含む。)
約 kg
電解液量
約 l
SS-200 4 200   400 325 170 270 30 7
SS-300 2 300 195 25 6
SS-400 400 285 30 8
PS5-6S 6 60 226 187 134 305 17 3.8
PS7-6S 84 474 25 6.5
PS9-6S 108 135 28 5.9
HSE-30-12 12 30 18 220 190 128 235 13  
HSE-40-12 40 24 299 16.5
HSE-50-12 50 30 363 20
HSE-60-6 6 60 36 217 12.5
HSE-80-6 80 48 281 16
HSE-100-6 100 60 345 19.5
MSE-50-12 12 50 32.5 363 20.5
MSE-100-6 6 100 65 345 20
MSE-150 2 150 97.5 365 330 170 106 13
MSE-200 200 130 16
MSE-300 300 195 150 24
MSE-500 500 325 171 241 38
MSE-1000 1000 650 471 76
MSE-1500 1500 975 375 340 337 476 110
MSE-2000 2000 1300 146
MSE-3000 3000 1950 340 696 220
(1) HRは,Hour Rateを示す。  注(2) 許容差は,±3mmとする。
 
備考1. 形式に使用した記号及び数値は,次の意味を表す。
 
(1)充電の種類
(a)通常充電
 一部分或は全部放電した蓄電池を事実上完全充電状態に戻すための充電である。
(b)均等充電
 通常充電によって回復しなかった作用物質を十分に回復し,かつ,各単電池の充電状態の不同を均等にするために行う充電である。
(2)充電の方法
(a)定電流充電法
 始めから終りまで一定電流で行うもので8時間率以下の小電流充電法
(b)多段定電流充電法
 定電流充電法の一種で充電電流を段階式に減少して行う充電方法で充電電流をはじめ3〜5時間率の電流とし,電圧が大体2.4〜2.5〔V〕になったら電流を少し減らし(電圧も下る),電圧が前のように上ったら,また,電流を減らし,終りに近づいたら10〜20時間率の電流で充電し完了させる。
(c)定電圧充電法
 ディーゼルエンジン等の原動機の始動に使用される蓄電池に行われるもので充電発電機により,一定電圧で充電する方法で蓄電池の放電状態により異なるが初期に相当大電流で充電し,蓄電池の電圧上昇と共に充電電流が減少し発電機の出力電圧まで蓄電池電圧が上昇して充電が停止完了する。
 普通単電池当り2.3〜2.5〔V〕を与え,その電圧を一定に保って充電を行う。この方法はやり易く,電池のためにもよいが最初大電流が流れるので容量の大きな充電装置が必要である。
(d)準定電圧充電法
 電池に直列に一定の抵抗を入れて,単電池当り2.5〜3〔V〕の電圧を供給しておき,始めの電流は小で,ある時間内で終らせようとするときは,電池電圧で2.5〔V〕(単電池当り)のとき,初電流を10〜20時間率の2倍位にして,2.6〔V〕〜2.7〔V〕で1.4倍位,2.8〜2.9〔V〕で1.2倍位とする。
(e)浮動充電(フローティングチャージ)法
 電池と充電装置を並列につなぎ単電池当り2.1〜2.2〔V〕の電圧を加えて,自己放電を補う程度(10時間率の0.3〜1%位)の小電流で充電を行い常に充電状態にしておき,連続負荷及び電池の自己放電量は充電装置より供給し,ある瞬間の負荷電流の増大による大きい電流は電池から供給する。この方法は電池寿命が長くなり,電池数も少くて済み,変動のある連続負荷用として多く用いられる。







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