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3.4.3 電線管の布設要領
 電線管の布設要領の例を, 次に図示する。いずれの場合も, 電線管及びフレキシブルコンジットの両端は, ケーブルの損傷を防ぐため, ブッシングを取付けるなど適当な処置をする。なお, 曲部の半径が大きいときは, フレキシブルコンジットを使用しなくてもよい。
 
図3.29 電線管の取付け例
 
 
 危険場所(図4.44参照)に電線管を布設するに際しては, 次のことに注意する。
(1)上甲板上に布設する電線管を居住区画又は他の非危険区画に導入する場合は, 図3.30に示す要領でグランド箱を設ける。
(2)上甲板上に布設する電線管には, 約40m間隔でエキスパンションボックスを設ける。
(3)エキスパンションボックス及びプルボックスなどは, 可燃性ガスの漏洩のおそれのある箇所から3m以内に設けない。
(4)エキスパンションボックス内でのケーブルの余裕(ループ)は, 原則として, ケーブル布設長(エキスパンションボックス間の長さ)の約1/1000mm以上とする。
 尚, エキスパンションボックスの間隔は, 原則として40mとする。
(5)エキスパンション部でのケーブルの曲げ半径は, ケーブル外径の12倍以上とする。
(6)貨物油ポンプ室を通過する電線管に継手を設けず, 図3.31のように隣接する居住区画内にグランド箱を設ける。
(7)危険物貨物船のフォアピークタンク内などの危険場所に音測送受波器又は外部電源防食装置を装備する場合の電線管の布設は, 図3.32の要領で行う。ただし, これらについては船級規則ごとにそれぞれ規定があるので, 承認された方法及び材料で行う。
 
図3.30 暴露甲板から居住区画などへ貫通する電線管
 
 
図3.31 ポンプ室を貫通する電線管など
 
 
(注)コファダムボックスにはパラフィンを, パイプには川砂を充填する。
 
 マスト, ポストの電路布設位置は原則としてマスト, ポストの背面とし, 昇降時の妨げにならない範囲内で極力梯子の近くとする。
 マスト, ポストの付属品(ステップ, ハンドグリップなど)と電路の間隔に注意する。電路がステップの下側を横切って布設される場合, ステップを登る際に足が電路に当たることのないよう, また, 電路が邪魔でステップを手で握れなかったりしないようにする。
 
図3.33 マスト又はポストの電路布設例







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