「在日外国人支援に係る学校検診会及び子育て相談会の開催と相談ホットラインの運営」
実施概要
2002年度事業として実施した標題の事業は2001年度の「在日外国人支援に係る多言語相談ホットラインと健康及び子育て相談会の開催」に事業を継続実施した。
「学校検診会」は7月と9月の2回実施した。本年は中萩エルザ先生の性教育とCRIATIVOS(ブラジルのHIV/エイズ専門のNGO)によるエイズ教育の講座を設けた。
また、行政との協働として市保健所から保健師・歯科衛生師・通訳の派遣を受け、豊橋市医師会から小児科医師、豊橋市歯科医師会から歯科医師の派遣協力を受けた。
「子育て相談会」は行政との協働として市母子保健センターから保健師・通訳の派遣を受け、6月に柳原団地と11月に岩田団地で実施した。
「相談ホットライン」は2000年6月からの継続であり、2002年4月に市母子保健センターに通訳配置が実現し、電話相談を受けるようになってから双方で利用できるようになり南米系市民から喜ばれている。
2002年6月に「豊橋市多文化共生推進協議会」が設立されNPO分野から当会の伊藤代表が協議会委員に、「生活環境」「教育」部会の委員に指名され、「福祉・健康・医療」部会の委員に当会の伊藤代表と三木理事(豊橋メイツクリニック理事長)の両名が指名され各部会で意見を発表した。
日本財団から支援を受け2001、2002年度に亘り行政との協働による医療・福祉事業は2003年度から豊橋市の行政サービスとして継続実施されることになった。新年度からは教育の分野での事業活動を予定している。
協力者一覧(敬称略・順不同)
「行政との協働」
豊橋市保健所、 豊橋市母子保健センター
「会場提供(子育て相談会)」
豊橋市営柳原住宅 集会所 吉田景一(多米中町3区町内会長)
県営岩田住宅 集会所 川崎幸人(岩田住宅町総代)
「活動紹介掲載新聞、情報誌等」
(ポルトガル語)
International Press
(日本語)
中日新聞、東愛知新聞、東日新聞(東海日日)、愛知保険新聞、
NIC News(名古屋国際センター)、サンフラワー(豊田市国際交流協会)
情報センター、検診会、子育て相談会をサポートされた方々
豊橋市保健所 渡会主査、伊藤保健師、鈴木歯科衛生師、桜井ソニア(通訳)
市母子保険センター 井上保健師、桜井ソニア(通訳)
ブラジル人医師 中萩エルザ
豊橋市医師会 宮崎玄治、大谷勉 小児科医師
豊橋市歯科医師会 三宅唯夫、三宅洋彰 歯科医師
ビデオ記録 早川儀郎
通訳
(ポルトガル語)
大藤マリア恭子、桜井ソニア、大本グラシア、松尾香織、西川マルシア
(スペイン語)
都築ヤディラ
事務局 大藤日善、草野由美子、丸地良子、山田みつ江、木内和子
「多言語相談ホットライン」の利用状況
(場所)豊橋市東小鷹野2-13-15「情報センター」相談担当:大藤マリア恭子
(開設)平成12年6月 Tel:(0532)62-9571
(単位:件)
項目/月 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
1 |
2 |
3 |
計 |
相談の多い項目 |
健康相談 |
3 |
5 |
2 |
2 |
3 |
2 |
2 |
2 |
0 |
3 |
5 |
3 |
32 |
産婦人科、小児科、心療内科、予防接種 |
一般相談 |
5 |
2 |
3 |
3 |
4 |
5 |
6 |
3 |
2 |
2 |
3 |
8 |
46 |
労働、雇用関連相談 |
|
豊橋市保健所に通訳配置の要望を継続していたが2002年4月から豊橋市母子保健センターに通訳配置が実現し、健康相談についても電話相談を受けるようになったので南米系市民から喜ばれている。
最近は、雇用関連で他の機関に紹介する内容で相談時間も多くなっているので現行のホットラインを中止し、4月からは相談専用メールに切替えを予定している。
「子育て相談会」実施状況
「行政と協働」
|
日時 |
会場 |
外国人 |
日本人 |
保健師 |
第3回 |
6月16日(木) |
市営柳原団地集会室 |
15 |
5 |
1 |
第4回 |
11月10日(木) |
県営岩田団地集会室 |
10 |
5 |
1 |
|
豊橋市母子保健センター保健師の説明:予防接種と保健所利用
ポルトガル語資料の配布:AO PAPA E MAMÃE(パパとママへ)母子保健の案内
「相談内容と話し合いの内容」
〇予防接種
・平成9年から市の保健センターで実施するようになり受診者には直接通知するようにした。以前は県の保健センターで広報だけで知らせていたので受診率は低かった。受診通知がなくても健康で元気なら心配はいらない。
・インフルエンザの予防接種は子どもの場合は1週間以上の間を置いて2回打つ。
3歳の時通知するので、3歳の時いないと次の通知はいかない。母子手帳を持って健康課にいけば通知はくれる。
・日本脳炎は4年生と中学3年生に市から通知がある。住所移転の時は必ず住民票を移しておくこと。
〇歯科検診
・学校で毎年1回歯科検診があるので、その後母親は子どもを病院に連れて行くこと。検診なので治療はしない。2歳児の歯科検診は無料でフッ素を塗ると500円いる。
母子保健センターでは妊婦と産婦の歯科検診をしている。
学校に上がる前の子どもは自由にセンターに来てよい。
〇子どもの育て方(母親の意見)
季節のある日本とブラジルでは子どもの育て方が違う。ブラジルで買った本は役に立たないものがある。
日本で適応するポルトガル語の「子どもの育て方」の本があるとよい。
「E・A・Sブラジル学校検診会」実施状況
「経緯と実施状況」
ブラジル学校では午前と午後の2部制をとっているので前年度は午前に今年は午後に実施した。
小学校5学年から8学年と高等部の生徒80名を対象に夏休み前の7月下旬と9月下旬に実施した。
本年は中萩エルザ先生の性教育とCRIATIVO(ブラジルのHIV/エイズ専門のNGO)によるエイズ教育講座を実施した。昨年豊橋市に要望していたツベルクリン検査とBCG予防接種が実現し、6月26・28日に60名が受診した。
(単位:人)
|
月日・時間 |
男 |
女 |
計 |
医師・保健師 |
ボランティア |
学校職員 |
第3回 |
7/25(木)PM |
17 |
21 |
38 |
7 |
5 |
5 |
第4回 |
9/26(木)PM |
17 |
22 |
39 |
7 |
5 |
5 |
|
[検診内容]
身長・体重、採尿、聴力、視力、内診、歯科検診
[検診結果]
医師より再検査と治療を指示した事項:
内科3名 心臓疾患の疑い、喘息、尿蛋白陽性
歯科10名 むし歯、欠損放置
小児科医師からの要請で豊橋市民病院小児科に再診を要請し受診した。歯科はむし歯の治療で父兄に治療を要請した。
[検診会の問題点と改善事項]
1. 昨年の検診は1回30名に規模であったが本年は誘導案内などロスタイムの出ないように改善し40名実施した。
2. 本年は豊橋医師会に医師の派遣を要請し小児科医師2名の派遣を受け、生徒の内診を担当した。
ブラジル人医師は教師、事務職員を中心に内診と医療相談、生徒に健康講座を担当した。
昨年は日本人医師はなく、ブラジル人医師が内診を担当した。
歯科医師について本年は歯科医師会から、昨年は県保険医協会から斡旋派遣を受けた。
3. 行政との協働により、豊橋市保健所から保健師、歯科衛生師3名と通訳1名の派遣を受けた。豊橋市保健所からの協力で実施できている部分が大きい。2002年4月から豊橋市保健所に新しく通訳配置となり日本人医師をサポートした。
4. 行政には医師派遣について公立小・中学校に準じた支援を引続き要請しており、2003年度以降は内科検診の実施を回答しており、歯科検診は検討するとのことで期待をかけている。
|