ISO/TC 8/SC 2及びWG 3
国際標準化機構/ 海洋環境保護分科委員会及び環境対応作業委員会
ハンブルグ会議報告書
財団法人 日本船舶標準協会
1. まえがき
ISO/TC8/SC2及びWG3(海洋環境保護分科委員会及び環境対応作業委員会)会議が、2003年6月24日(火)〜26(木)日に、ハンブルグ市のHamburg Chamber of Commerceの2階会議室にて開催された。
今回の会議は、2002年6月にオスロ及び2002年9月ロンドンで開催された、同WG会議で審議未了となった「オイルスキマーの性能試験法」に関するISO規格原案の継続審議のため、開催されたものである。
なお、ハンブルグ会議には、日本の代表として本会環境部会長の木原 洸氏(海上技術安全研究所顧問)に御出席いただいたので、ここにその概要について報告する。
2. 会議日程
2003年6月25日(水)9:00〜17:00
6月26日(木)9:00〜13:00
3. 開催場所
Hamburg Chamber of Commerce 2階会議室
Adolphsplatz 1 20457 Hamburg
4. 出席者(14名)
氏名 |
国名 |
E-mail |
Joseph Angelo (Chair) |
USA |
jangelo@comdt.uscg.mil |
Bivan Patnaik (Secretary) |
USA |
bpatnaik@comdt.uscg.mil |
David Howard |
UK |
dhoward@mcga.gov.uk |
Joachim Gehrt |
GERMANY |
sales@deckma.com |
Jens Jendrossek |
GERMANY |
jens-uwe.jendrossek@din.de |
Takeshi Kihara |
JAPAN |
kihara@rime.jp |
Bjorn Olaf Johannessen |
NORWAY |
bjorn.olaf.johannessen@dvn.com |
Wolfgang Lehman |
GERMANY |
tedimex.wl@t-online.de |
Simon Rickaby |
UK |
info@dvhowells.com |
Eberhard Runge |
GERMANY |
e.runge@nfv-gmbh.de |
Holger Steinbock |
GERMANY |
holger.steinbock@see-bg.de |
Christoph Weber |
GERMANY |
cweber@wtd71.de |
Carsten-S Wibel |
GERMANY |
carsten.wibel@gms.de |
Helmut Werle |
GERMANY |
werle@rwo.de |
5. 会議日程詳細
6月24日(火)19:00−23:00 Ice Breaking Party
6月25日(水)WG 3会議及びSC 2会議公式レセプション
09:00−12:30 自己紹介及び「オイルスキマーの性能試験法」討議
12:30−13:30 ランチ
13:30−17:00 「オイルスキマーの性能試験法」討議
20:00−23:00 公式レセプション及びディナー
6月26日(木) SC 2会議
09:00−12:00 WG 3の報告及びSC 2の今後の課題討議
12:00−13:00 ランチ、後解散
6. 議題案の採択
資料SC 2 N83(添付資料2参照)どおり議題案を採択した。
7. 決議起草委員会委員の選出
決議起草委員会に次の方を選任した。
Mr. S. Rickaby(英国)
Mr. D. Howard (英国)
Mr. B. Patnaik(SC2事務局)
8. SC 2会議の概要
Mr.J.Angero(アメリカ)SC 2議長の進行によりに議事が行われた。
8.1 SC 2事務局からの報告
SC 2事務局のMr.Bivan Patnaik から、SC 2の組織、参加国、リエゾン団体、作業計画等の活動について報告があり了承された。
8.2 SC 2/WG 3からの報告
WG 3議長のMr.Rickaby (英国)から、WG3の活動報告と、前日までに行われたWG3会議の結果(詳細は9項参照)をふまえたオイルスキマーの試験方法に関するISO/CD 21072の投票用原案を、まもなくSC2事務局に送付する予定である旨報告があった。
SC 2は、オイルスキマーの試験方法については、今回のWG3での審議結果を持って、CD投票に入ることを決定した。
8.3 今後の作業項目について
SC 2が所掌している作業項目の取扱等について報告・議論が行われた。
(1)油水分離器について
英国代表のMr.D.Howardから、2003年6月に開催される、第49回IMO/MEPCで油水分離器に関する性能基準案がまとめられる予定である旨報告があった。SC2としては、引き続きIMOの動向を注視することとした。
(2)船舶から排出されるゴミの取扱いについて
ドイツ代表のMr.J.Jendrossekから、原案の作成状況について報告があった。次回WG3会議でドイツ案の審議を行うこととした。
(3)バラストウォーターの処理について
ドイツ代表から、現在ドイツの国内委員会においてバラストウォーターの処理に関する原案を作成中である旨報告があった。
SC 2は、本件をSC2のAWI(承認済み新業務項目)とすることを決定すると共に、SC2は引き続き本件に関するIMO/MEPCの動向を注視することとした。
8.4 作業項目の遅延について
SC 2議長のMr.Joseph Angelo から、下記に示す3項目については、ISO中央事務局から「ISO TMB Resolution 3/2003により作業が遅延している項目」として指摘されている旨報告があった。
SC 2としては、これらの作業項目を見直すと共に、その結果をISO/TC8に報告することとした。
(a)Test and performance specification for oil water separators (AWI 21070)
(b)Shipboard handling of ship generated waste (AWI 21071)
(c)Test and Certification of oil skimmers (AWI 21072)
9. WG3会議の概要
9.1 出席者
WG3会議にはSC2議長のAngelo氏は不参加であった。
その他のSC2参加者及び下記に示すオブザーバー(計19名)が参加した。
氏名 |
国名 |
E-mail |
Volker Behrens |
GERMANY |
Volker.Behrens@tkt-nkrupp.com |
Horst Dolling |
GERMANY |
dg@gl-group.com |
Karl Ulrich Evers |
GERMANY |
Evers@hsva.de |
Onno Janssen |
GERMANY |
Janssen.cons.oil@t-online.de |
Thomas Mann |
GERMANY |
ThomasMann@HamannWassertechnik.de |
Helmut Scheurer |
GERMANY |
helmut.scheurer@ustgmbh.de |
9.2 討議内容
自己紹介終了後、WG 3議長のMr.Rickaby(英)より、「オイルスキマーの性能試験法(添付資料3参照)」について日本から意見が出ているので、その説明を求められた。
日本意見として、本会環境部会の柳沢委員より詳細な意見(添付資料4参照)が出されていたが、ISO案に対して最も受け入れ難いのは、試験時の水の温度設定が±0.5℃であることを主張した。ドイツからも日本の意見に同調する意見が述べられ、原案提出国ノルウェーを含め3カ国で話し合い、±2℃で妥結した。
さらに、フィンランドからメールにより、実機試験で波浪中試験は、流速、波高共に水槽で再現は不可能である意見が寄せられ、議論の結果、ダイナミックテストは試験法に含めないことになった。
その後、逐条審議により、詳細な訂正を行い、SC 2事務局に提出することとなった。
なお、次回会議からフィンランドをWG 3のメンバーに加えることとなった。
10. 次回開催予定
次回のSC 2会議の開催予定について議論が行われた。出席者の中から、次回会議(2004年6月頃)のWG 3及びSC 2の開催は日本を希望する意見が述べられた。
日本代表から、日本での開催について承諾の意向はあるが、詳細は帰国後関係者と協議の上正式に決定したい旨発言した。
なお、アメリカ代表は、日本(東京)開催がだめならワシントンで開催を受け入れる旨の意思があることを述べた。
11. 閉会
SC 2 事務局のMr.Patnaikから、会議を主催したドイツの代表団及びWG 3議長のイギリス代表のMr.Rikabyに感謝の意が述べられ定刻閉会した。
以上
ISO/TC 8/SC 2 及び WG 3
ハンブルグ会議資料目録
添付資料番号 |
資料名称 |
備考 |
1. − |
Meeting of ISO/TC 8/SC 2/WG 3, Hamburg |
WORDファイル |
2. SC 2/N 83 |
Notice of meeting/Draft agenda of ISO/TC 8/SC 2 in Hamburg |
WORDファイル |
3. − |
ISO/WD21072 Ships and marine technology - Marine envirinmental
protection - Performance testing of oil skimmer under dynamic conditions |
WORDファイル |
4. − |
ISO/WD 21072 に対する日本意見 |
WORDファイル |
5. − |
Annual Meeting ISO/TC 8/SC 2, Marine Environmental Protection |
PDFファイル |
6. SC 2/N 85 |
Summary of the Ninth ISO/ TC8/ SC 2 Meeting Held in Hamburg,
Germany, June 26, 2003 |
WORDファイル |
7. − |
流出油資機材に関する研究報告書(日本から参考資料として提出) |
PDFファイル |
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備考:資料名称にポインタを当てて、クリックしてください。当該資料が開きます。
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