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平成15年度
ISO文書STEP船用AP227 Edition2
Plant Spatial Configuration
(piping and HVAC)
調査解析報告書
 
平成16年2月
株式会社川崎造船
株)富士通九州システムエンジニアリング
 
 
1.1 解析対象文書
 
 平成13年度に開催されたサンフランシスコ会議で、AP217(Ship Piping)がcancelされ、平成14年10月に開催されたソウル会議にてAP226(Ship Mechanical Systems)がCancelとなり、AP226はAP227 2nd Editionに組み込む方針が決定、AP227 2nd EditionにてShip Pipingの開発が行われることになった。
 
 本報告書では、AP227 2nd Editionの下記の文書(DIS直前の文書)を解析した結果を報告する。
 
注 Ship Mechanical Systemsに関する要件が、AP227 Edition2に追加されることになっているが、現時点では未だ文書に反映されていないので、本報告書にはそれに関する内容は明には含まれていない。
 
ISO TC 184/SC4/WG3 N1144 Date: 2003-01-23
*ただし原文はDISとなっていてN番号はない
ISO/IS 10303-227 Application protocol: Plant spatial configuration
NSRP0424 Ship piping application Protocol Version 3.1(Myrtle会議入手資料
 
 以下に、現時点のAP227 2nd Edition開発オーナーとエディターの情報を記す。
 
開発オーナー:Mark E. Palmer(National Institute of Standards and Technology)
開発エディタ:Burton Gischner(Electric Boat Corporation)
 
 
 2003年(H15)のSTEP国際会議での審議状況は、以下のとおりである。
 
・DIS投票が6/23クローズした。DISコメントはUS、UK、ノルウェー、日本(プラント)が出している。
・舶用機器情報の組込提案をチームリーダーに提出した。
・7月9、10日にチャールストンにてワークショップが開催されDIS ballotコメントに関する詳細審議が行われる予定。
・舶用機器情報の組込方法(Test case)が報告された。コンフォーマンスクラスを2つ追加するなどテクニカルな要求が多くなされている。
 
・DIS Ballot Resolution Workshopからの変更分を反映中。11月中旬に完了させる。
・Tim Turner主導の元、機器を扱う為に必要となる変更部分の開発を行う。
 Usage Guide開発の為のworkshopがDec3-4,2003、Gaithersburg, MD, USAにて開催される。
・NSRPの新プロジェクト(Oct.2003〜Sept.2004)によりHVACの実装を行う。
・2004年初頭にISとなる予定。
 
 
1.3 規格文書の構成
 
 本報告書が対象とする規格文書の構成を表1-1に示す。なお、本文およびNormativeな付帯文書が規格であり、informativeな付帯文書は単なる参考情報である。「○」がついている章は、昨年度対象の規格文書から追加あるいは変更された章であることを示している。
 
表1-1 「AP227 2nd Editionの文書構成」
タイトル N/I  
  Introduction 規格
1 Scope 規格
2 Normative references 規格  
3 Terms, definitions, and abbreviations 規格  
4 Information Requirements 規格  
4.1 Units of functionality 規格  
4.2 Application objects 規格
4.3 Application assertions 規格
5 Application interpreted model 規格
5.1 Mapping specification 規格
5.2 AIM EXPRESS short listing 規格
6 Conformance requirements 規格
A AIM EXPRESS expanded listing 参考
B AIM short names of entities 参考
C Implementation method-specific requirements 参考
D Protocol Information Conformance Statement proforma 参考
E Information object registration 参考
F Application activity model 参考  
G Application reference model 参考  
H AIM EXPRESS-G 参考
J AIM EXPRESS listing 参考
K Application protocol usage guide 参考  
L Technical discussions 参考  
 
 DIS直前の文書を対象としている。前年度作業の継続を翻訳を中心に行い、新規に追加あるいは変更された項目についても追跡調査する。また、より具体的な例をNISTのテストデータを参考として調査解析した結果を参考として記述する。以下に1章以降の本報告書構成と解析作業担当会社名を示す。
 
1章:はじめに 川崎造船
2章:Introduction 川崎造船
3章:Scope(規格文書 第1章) 川崎造船
4章:Terms, definitions, and abbreviations(規格文書 第3章) 川崎造船
5章:Information requirements(規格文書 第4章) 川崎造船 富士通九州
6章:Annex-F 富士通九州
7章:Conformance requirements(規格文書 第6章)
参考:NSRP0424調査解析
 
 
 調査報告書の第3章参照のこと。
 
 
 ISO10303はコンピュータ上で互換性のある製品データの表現や交換のための国際規格である。その目的は、特定のシステムから独立した製品のライフサイクルを通じて製品データを記述することができる中立的なシステムを提供することである。このメカニズムは、中間ファイルを使用したデータ交換だけでなく、実装の基礎となり共有製品データベースや長期保存にも適している。
 
 
 本パートはISO10303のアプリケーションプロトコルシリーズの一部である。ISO10303の本パートでは、プロセスプラント、プラントシステム、シップ(船)システムの空間構成情報を交換するためのアプリケーションプロトコル(AP)を規定する。この情報には配管、HVAC(熱、換気、空調)、電装システム構成部品とともに、他の関連するプラントシステム(機器、制御装置、構造等)の形状や空間配置特性が含まれている。この規格を使用するユーザーは、プラント設計および配管、HVAC、電装システム設計の基本的な原理、概念を理解しておくべきである。
 
Figure 1 - Data planning model
 
 このAPは、配管構成部品および配管系統の設計、解析、加工、導入について必要とする情報および組立てた配管の検査についての情報を交換するための必要条件を規定する。このAPは、HVAC構成部品、HVAC系統の設計、解析、導入のために必要とする情報を交換するための必要条件を規定する。このAPは、電装構成部品、電装系統の設計、導入のために必要とする情報を交換するための必要条件を規定する。このAPは、HVACと配管の構成部品、系統の機能特性を交換するための必要条件も規定する。配管系の設計情報は圧力や流量を維持することのできるポンプを指定することもできる。さらに、設計は形状の限界や必要条件、系統でのポンプの位置も指定できるが、ポンプの製作に関する情報は十分に指定できない。
 図1はこのアプリケーションプロトコルに対する必要条件のハイレベルな記述や基礎的なデータ要素間の関係を提供しているデータ計画モデルである。データ計画モデルは、plantはplant systemから、plant systemはplant itemから構成され、plant itemは、plant item上のコネクターを使用して別のplant itemに接続してもよいことを示している。plant itemの形状および空間配置情報は、item shapeによって表現される。形状表現にはコンストラクティブ・ソリッドジオメトリ(CSG)、立体境界表現(B-rep)ジオメトリ、ワイヤーフレームジオメトリおよびこれらの組合せが用いられる。plat item形状は、包絡面による表現から詳細な設計図面までさまざまなレベルでの抽象概念で表現するこができる。さらに、データ計画モデルは、変換するという概念が、このアプリケーションプロトコルの必要条件であることも示している。さらに、データ計画モデルは、変換するという概念が、このアプリケーションプロトコルの必要条件であることも示している。個々のplat item、plat item間の関係、plat itemのグルーピングに対して変換は可能である。これは、データ計画モデルに注釈付けられた全ての概念に当てはまる。
 
注 ISO 10303のこの分野はISO 13584 [13]とともにカタログアイテムと分類を識別するために使われる場合がある。
 
 このアプリケーションプロトコルは、設備のライフサイクルに渡って、異なるエージェント間でのプロセスプラント、プランシステム、シップシステム、システム構成部品、機器の設計と配置計画情報を交換するためのコンテキスト、スコープ、情報要件を定義し、これらの要求を満たすために必要とされる統合されたリソースを規定する。
 この情報を交換する理由には次のようなものが挙げられる。
−オーナーからエンジニアリング会社への要求事項の交換
−設計者とシステムエンジニア間での電装、HVAC、配管、機器設計情報の交換
−設計者と工作者間での電装、HVAC、配管、機器設計情報の交換
−設計者とシステムエンジニアまたは工作者間での電装、HVAC、配管、機器設計変更情報の交換
−エンジニアリング会社、配管製造業者、建設会社間での配管製造と検査情報の交換
−異なるエンジニアが製作した設計情報の統合
−系統および構成部品と別システムの構成部品との物理的な干渉の検出
−エンジニアリング会社、建設会社、オーナー間での電装、HVAC、配管設置情報の交換
−オーナー、エンジニアリング会社、建設会社間での完成した設備とシステム構成情報の交換
 
 アプリケーションプロトコルは、ISO 10303の開発実装にむけた基礎や、AP実装の適合性試験の一式を提供する。
 第一章ではアプリケーションプロトコルの適用範囲を定義し、APがカバーするデータや機能を要約する。第三章ではISO10303の本パートで定義された言葉のリストを挙げ、他で定義されている言葉のある場所を示している。適用範囲定義の基礎になるapplication activity modelをannex.Fに示す。アプリケーションの情報要件はそのアプリケーションに適合した専門用語を用いて第四節で規定されている。アプリケーション参照モデルとして参照している情報要件のグラフィカルな表現はannex.Gに示す。
 リソース構成要素は情報要件と合致するように解釈される。この解釈はアプリケーションインタプリテッドモデル(AIM)を生み出す。この解釈は、5.1にあるように、情報要件とAIMの間の一致を示す。AIMの原始一覧は統合リソースへのインターフェースを規定し、5.2に示してある。AIMで使われる構成要素向け統合リソースで与えられている定義とEXPRESSはAIMにはインポートされない選択リスト項目やサブタイプを含むことに注意する。Annex.Aで与えられた展開一覧には注釈なしでAIM用の完全なEXPRESSを含んでいる。AIMのグラフィカルな表現はannex.Hで与えてある。特定の実装方式への追加の要件はannex.Cで与えてある。
 
 
 この版には前版と上位互換性のある修正が盛り込まれている。EXPRESS仕様への修正は下記の場合に上位互換性がある。
−ISO10303-21に従って記号化された場合、前版のこのパートに基づいてISO 10303アプリケーションプロトコルに準拠する場合、及びこの版に基づいてアプリケーションプロトコルの改定に準拠する場合。
−前版のこのパートに基づいてISO10303-22とISO10303のアプリケーションプロトコルに準拠する場合、及びこの版に基づいてアプリケーションプロトコルの改定に準拠する場合。
−前版のこのパートに基づいたISO10303アプリケーションプロトコルのマッピングテーブルがこの版に基づいてアプリケーションプロトコールの改定が無効になった場合。
 
 この版には、配管構造表示や交換、工場で組み立てられた配管の検査や組立のサポート、プレハブ式のパイプの設置を含むISO10303-227:2001の拡大部分が記載されている。この版ではHVAC(暖房、通風、冷房)構成やシステム、索道空間情報、解析データに関する情報のためにAP 227 supportが適用され、AP 227が一般建造物や造船産業にもっと役立つよう改良を加えている。
工業自動化システムと統合
製品データの表示と交換
Part 227:アプリケーションプロトコル-プラント構成







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