この章ではship moulded formアプリケーションプロトコルの機能単位について定義しており、以下のような機能単位がISO10303-216で定義されている。

　

　

　このUoFは造船学について述べられ、ship moulded formの表現に使われているpoints、curves、surfaceのカテゴリーを備える。

　次のようなアプリケーションオブジェクトがbasic_geometry UoFで使用される。

　

　Configuration_management UoFはApproval（承認）、Version（バージョン）そしてship moulded forms定義の変更（Change）を追うための変更履歴を指定する。

（注釈）

　Approval情報は、いつ、誰が、何を承認し、どのレベルで承認したかという承認状況とそれぞれの物がどのように関連しているか表す。そしてVersionsはどの定義がバージョンコントロールと関係があり、異なったバージョンがバージョン履歴を備えたそれぞれ他の物と関連しているか判断し表す。またChangeはいつ、誰が定義を変更したかという変更過程を表し、他の定義の作成、変更または削除に関わらず条件変更の影響を表す。

　次のようなアプリケーションオブジェクトがconfiguration_management UoFで使用されている。

　

　Definitions UoFは、項目の定義、構造そして関連付けのための概要を表す。

　次のようなアプリケーションオブジェクトがdefinitions UoFで使われている。

　

　

　external_references UoFは、製品モデルのデータをセットするための情報参照を行うと同時に、データの交換や共有のために外部から与えられたデータを参照する能力とメカニズムを備える。そしてISO10303適用範囲外の外部ライブラリードキュメント定義と、識別子や標準参照のための構造を定義する。

　次のようなアプリケーションオブジェクトがexternal_references UoFで使われている。

　

　

　Hull_class_applicability UoFは、船で使わるクラスにおいて、全て又は特定の船体と要素の関連付けを可能とする。クラスデザインは、全ての要素が船のクラスと関連付けられており、デフォルトでclass内の要素は全ての船体に適用される。また要素内の特定の変更結果は、特定の船体に適用可能となる。これらの変更は項目レベルや定義レベルで適用される。

　

（例1）：項目レベルでの船体適用タイプ

（例2）：定義レベルでの船体適用タイプ

　

　次のようなアプリケーションオブジェクトがhull_class_applicability UoFで使われている。

　

　hydrostatics UoFは、平水中で排水量を構成するextreme formをベースとしたhydrostatic属性の計算結果を備える。extreme formはmoulded formに鋼材の板厚をプラスした幾何型状を表す。

　次のようなアプリケーションオブジェクトがhydrostatics UoFで使用されている。

　

　items UoFは、構造項目のコンセプトと同様のitemsコンセプトが反映されたもの、itemインスタンスが集められた項目関係、そしてそれぞれの定義方法で関連づけされた項目により船の一般的幾何構造を取り扱う。

　次のようなアプリケーションオブジェクトがこのUoFで使用されている。

　

　location_concepts UoFは、デカルトの“右手の法則”による3次元表現により表され、船体やあるポイントの位置情報を指定する。またそれは座標系のなかでポイントの参照起点となるため、軸は一定間隔で細分化され表される。

　次のようなアプリケーションオブジェクトがlocation_concepts UoFで使用されている。

　

　

　Offset_table_representation UoFは、offsetポイントテーブルによって幾何形状を表現するための情報要求を備える。オフセットテーブルの表現は、Ship_pointオブジェクトをセットすることによって形状全体を表す。Ship_pointオブジェクトはsection（断面型状）がリスト化されており、一般的にこれらのsectionは2D section（2次元）である。特別な場合は3D section（3次元）を使用する必要がある。

　次のようなアプリケーションオブジェクトがoffset_table_representations UoFで使用されている。

　

　

　このShip_design_parameter UoFは、完成した船型情報を構成するため、それぞれの型状情報を定義する寸法要素を備える。

（注）

　この情報は、船体構造、デッキ、バルブ、プロペラ、ラダー、付加物、スラスター、ビルジキールの寸法や比率を表すシンプルなキャラクター要素を含む。このUoFには船型の全体寸法に関する情報も含む。

　次のようなアプリケーションオブジェクトがship_design_parameter UoFに使われている。

　

　

　このship_general_characteristics UoFは、基本的な船の詳細寸法と識別情報を記述する。この情報はあらゆる幾何コンテキストが独立しており、船の主要目、船に関連する造船所、船級、全てのルールと法規情報を含んでいる。

　次のようなアプリケーションオブジェクトがship_general_characteristics UoFで使用されている。

　

　

　ship_measures UoFは、物理的な量を表すための情報手段を定義する。

　次のようなアプリケーションオブジェクトがship_measures UoFで使用されている。

　

　

　ship_moulded_form UoFは、型状作画、船型情報の型状構成、型状表現そして対称属性の取り扱いに関する情報要求を備える。

　次のようなアプリケーションオブジェクトがship_moulded_form UoFで使用されている。

　

　

　surface_representations UoFは、結合面（connected surface）として型状表現するための情報要求を指定する。このUoFは細切れのsurfaceを連結し1セットのsurface modelを表現するため、位相と幾何学情報を兼ね備える。このUoFは面や直線のような単純な幾何と同様に、B-splineカーブと面のような複雑な幾何を表現する。またこれらは造船学とも繋がりがあり、もしカーブや面が相互に連結されているならば、そのような情報はtopologicalを使用する事によりハッキリと表現される。

　次のようなアプリケーションオブジェクトがsurface_representation UoFで使用されている。

　

　wireframe_representations UoFは、wireframeとして型状表現するための情報要求を記述する。このUoFは2次元又は3次元曲線で交差している1セットのwireframeを統合情報として表現するため、位相と幾何学情報を兼ね備える。直線のような単純幾何と、B-splineカーブのような複雑な幾何の両方がこのUoFで表現されている。またこれらは造船学とも繋がりがある。STEPの幾何リソースから特定化したsubtypeはshipbuilding requirementで紹介されている。

　次のようなアプリケーションオブジェクトがwireframe representation UoFで使用されている。