2)各生物群に対する処理効果
渦鞭毛藻に対しては、漲水時と排水時の2回処理することによって、完全に殺滅することができた。
(漲水時に処理し、排水港で未処理排出ケースも含む。)
表II.2.3.4-10及び図II.2.3.4-9には、漲水時と排水時の2回処理したケースにおける渦鞭毛藻に対する実験結果を示した。なお、80μm以上のサイズ区分での出現はほとんどなく、渦鞭毛藻は主に80μm未満10μm以上のサイズ区分で出現した。
第2航海のシアトルから名古屋の航海(表II.2.3.4-10(2)と図II.2.3.4-9(2))では、漲水時1回処理を含め排水時処理前までに、約89%の減少であったが、排出時処理により減少率100%を記録した。 いずれにしろ、漲排水時2回処理によって、渦鞭毛藻を完全に殺滅できた。
表II.2.3.4-10(1)漲水時と排水時の2回処理したケースにおける
植物プランクトン(渦鞭毛藻)の変化
(第1航海:シアトル→東京)
実験港 |
Seattle |
Tokyo |
実験日 |
Dec.6 |
Dec.15 |
分析検体数 |
3 |
3 |
サイズ区分(単位)\試料名 |
シアトル原水 |
シアトル漲水時処理後 |
東京排水時処理前 |
東京排水時処理後 |
80μm以上(inds/m3) |
<100 |
<100 |
<100 |
<100 |
80μm未満−10μm以上
(inds/ml) |
0.022 |
<0.001 |
<0.001 |
<0.001 |
|
図II.2.3.4-9(1)漲水時と排水時の2回処理したケースにおける
植物プランクトン(渦鞭毛藻)の変化
(第1航海:シアトル→東京)
|
80μm未満−10μm以上(inds/ml)
 |
注)図中の数字は、原水に対する減少率
|
表II.2.3.4-10(2)漲水時と排水時の2回処理したケースにおける
植物プランクトン(渦鞭毛藻)の変化
(第2航海:シアトル→名古屋)
実験港 |
Seattle |
Nagoya |
実験日 |
Dec.6 |
Dec.15 |
分析検体数 |
3 |
3 |
サイズ区分(単位)\試料名 |
シアトル原水 |
シアトル漲水時処理後 |
名古屋排水時処理前 |
名古屋排水時処理後 |
80μm以上(inds/m3) |
<100 |
<100 |
<100 |
<100 |
80μm未満−10μm以上
(inds/ml) |
0.005 |
0.004 |
0.001 |
<0.001 |
|
図II.2.3.4-9(2)漲水時と排水時の2回処理したケースにおける
植物プランクトン(渦鞭毛藻)の変化
(第2航海:シアトル→名古屋)
|
80μm未満−10μm以上(inds/ml)
 |
注)図中の数字は、原水に対する減少率
|
表II.2.3.4-11及び図II.2.3.4-10には、排水時処理したケースにおける渦鞭毛藻に対する実験結果を示した。
排水時処理のみの場合は、イ. 漲水時と排水時の2回処理のケースほど高い効果は得られなかった。 長期航海である第1航海のシアトルから名古屋(表II.2.3.4-11(2)と図II.2.3.4-10(2))、第2航海の東京からロサンゼルス(表II.2.3.4-11(3)と図II.2.3.4-10(3))及びバンクーバーから東京(表II.2.3.4-11(4)と図II.2.3.4-10(4))においては、100%あるいは90%以上の高い減少率を記録したが、第1航海のロサンゼルスからバンクーバーの短期航海(表II.2.3.4-11(1)と図II.2.3.4-10(1))では、75%の減少率にとどまった。
表II.2.3.4-11(1)排水時処理ケースにおける
植物プランクトン(渦鞭毛藻)の変化
(第1航海:ロサンゼルス→バンクーバー)
実験港 |
Los-Angeles |
Vancouver |
実験日 |
Dec.1 |
Dec.5 |
分析検体数 |
1 |
2 |
サイズ区分(単位)\試料名 |
ロサンゼルス原水 |
バンクーバー排水時処理前 |
バンクーバー排水時処理後 |
80μm以上(inds/m3) |
<100 |
<100 |
<100 |
80μm未満−10μm以上
(inds/ml) |
0.004 |
0.002 |
0.001 |
|
図II.2.3.4-10(1)排水時処理ケースにおける
植物プランクトン(渦鞭毛藻)の変化
(第1航海:ロサンゼルス→バンクーバー)
|
80μm未満−10μm以上(inds/ml)
 |
注)図中の数字は、原水に対する減少率
|
表II.2.3.4-11(2)排水時処理ケースにおける
植物プランクトン(渦鞭毛藻)の変化
(第1航海:シアトル→名古屋)
実験港 |
Seattle |
Nagoya |
実験日 |
Dec.6 |
Dec.16 |
分析検体数 |
3 |
1 |
サイズ区分(単位)\試料名 |
シアトル原水 |
名古屋排水時処理前 |
名古屋排水時処理後 |
80μm以上(inds/m3) |
<100 |
<100 |
<100 |
80μm未満−10μm以上
(inds/ml) |
0.022 |
0.002 |
0.001 |
|
図II.2.3.4-10(2)排水時処理ケースの
植物プランクトン(渦鞭毛藻)の変化
(第1航海:シアトル→名古屋)
|
80μm未満−10μm以上(inds/ml)
 |
注)図中の数字は、原水に対する減少率
|
表II.2.3.4-11(3)排水時処理ケースにおける
植物プランクトン(渦鞭毛藻)の変化
(第2航海:東京→ロサンゼルス)
実験港 |
Tokyo |
Los-Angeles |
実験日 |
Dec.27 |
Jan.7 |
分析検体数 |
2 |
3 |
サイズ区分(単位)\試料名 |
東京原水 |
ロサンゼルス排水時処理前 |
ロサンゼルス排水時処理後 |
80μm以上(inds/m3) |
<100 |
<100 |
<100 |
80μm未満−10μm以上
(inds/ml) |
0.198 |
0.05 |
<0.001 |
|
図II.2.3.4-10(3)排水時処理ケースにおける
植物プランクトン(渦鞭毛藻)の変化
(第2航海:東京→ロサンゼルス)
|
80μm未満−10μm以上(inds/ml)
 |
注)図中の数字は、原水に対する減少率
|
|