b.排水時処理のケース
表II.2.3.4-6及び図II.2.3.4-4には、排水時処理ケースにおける各種UV吸光度の変化を示した。 なお、複数回測定(初期、中期、末期等)している場合は、それらの平均値を表示している。
排水時処理ケースにおいては、排水時処理によって減少するケースが多く、これは、漲水時と排水時の2回処理したケースと同様にスペシャルパイプの効果であると考えられる。 航海中の効果に関しては、短期航海の場合(表II.2.3.4-6(1)及び図II.2.3.4-4(1))は生物等の有機物の沈降が多くないため、a.とは反対の傾向であったが、北米から名古屋の長期航海(表II.2.3.4-6(2)及び図II.2.3.4-4(2))ではa.の北米から東京や名古屋と同様に減少した。 この理由として考えられるのが、漲水時処理による効果である。 漲水時に処理したケースでは、この時に殺滅した生物及びダメージを受けた生物が、航海中に沈降するために排水時に高い値を示す。 また、未処理漲水の場合は、殺滅した生物及びダメージを受けた生物の沈降が少なく、UV吸光度は低くなるものと考えられる。
なお、太平洋上でバラスト水交換を実施したケースでは、洋上交換の効果で排水時には大きく低下している。
表II.2.3.4-6(1)排水時処理ケースのUV吸光度測定結果
(第1航海:ロサンゼルス→バンクーバー)
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実験日
時刻
実験港
対象タンク |
2003/12/1
18:30
Los Angeles
No.2WBT(P) |
2003/12/5
12:25
Vancouver
No.2WBT(P) |
ロサンゼルス原水 |
バンクーバー
排水時処理前 |
バンクーバー
排水時処理後 |
UV254nm |
0.044 |
0.016 |
0.016 |
480 |
0.016 |
0.005 |
0.005 |
630 |
0.014 |
0.004 |
0.003 |
645 |
0.013 |
0.004 |
0.003 |
663 |
0.013 |
0.003 |
0.003 |
665 |
0.013 |
0.003 |
0.003 |
750 |
0.012 |
0.004 |
0.003 |
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注)バンクーバーのデータは、2回測定の平均値。
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図II.2.3.4-4(1)排水時処理ケースのUV吸光度測定結果
(第1航海:ロサンゼルス→バンクーバー)-1
第1航海,ロサンゼルス−バンクーバー UV254nmの吸光度
第1航海,ロサンゼルス−バンクーバー UV480nmの吸光度
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注)バンクーバーのデータは、2回測定の平均値。
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図II.2.3.4-4(1)排水時処理ケースのUV吸光度測定結果
(第1航海:ロサンゼルス→バンクーバー)-2
第1航海,ロサンゼルス−バンクーバー UV630nmの吸光度
第1航海,ロサンゼルス−バンクーバー UV645nmの吸光度
第1航海,ロサンゼルス−バンクーバー UV663nmの吸光度
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注)バンクーバーのデータは、2回測定の平均値。
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図II.2.3.4-4(1)排水時処理ケースのUV吸光度測定結果
(第1航海:ロサンゼルス→バンクーバー)-3
第1航海,ロサンゼルス−バンクーバー UV665nmの吸光度
第1航海,ロサンゼルス−バンクーバー UV750nmの吸光度
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