21世紀の教育のあり方を検討する小渕恵三首相の私的諮問機関「教育改革国民会議」の委員26人が15日決まり、町村信孝首相補佐官(教育改革担当)が発表した。座長の江崎玲於奈・元筑波大学長をはじめ、河合隼雄・国際日本文化研究センター所長、作家の曽野綾子さん、柔道の金メダリストで東海大教授の山下泰裕さん、ベストセラー「学校崩壊」の著者で「プロ教師の会」を主宰する埼玉県川越市立城南中学教諭の河上亮一さんらが名を連ねている。今月末に第1回会合を開き、教育基本法の改正も視野に入れて議論を進め、1年後をめどに結論をまとめる。(2面に関連記事)
小渕首相は今年に入ってから、各界の有識者150人以上を対象に、「21世紀の日本の教育理念」と「公と私の関係」について意見を求める手紙を、中曽根弘文文相と連名で郵送。26委員のうち18人は、この手紙に返事を出した人だった。
小渕首相は同日、内閣記者会のインタビューの中で「原点に立ち返って戦後教育を総点検するとともに、現在の教育問題がなぜ起きているかについて、基本にさかのぼって議論していただきたい」と期待を語った。
教育改革をめざして内閣に設置された機関としては中曽根内閣の臨時教育審議会(臨教審)があり、答申は1990年代以降の教育の方向を決めた。法律に基づいて設置された臨教審に比べ、教育改革国民会議は小渕首相の私的な機関。その結論が現実にどう反映するかは政治情勢とも絡み、微妙な問題だ。
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