日本財団 図書館


2000/03/16 毎日新聞朝刊
教育改革国民会議委員、決まる――山下泰裕さんら26人、1年後めどに結論
 
◇基本法改正も視野に
 21世紀の教育のあり方を検討する小渕恵三首相の私的諮問機関「教育改革国民会議」の委員26人が15日決まり、町村信孝首相補佐官(教育改革担当)が発表した。座長の江崎玲於奈・元筑波大学長をはじめ、河合隼雄・国際日本文化研究センター所長、作家の曽野綾子さん、柔道の金メダリストで東海大教授の山下泰裕さん、ベストセラー「学校崩壊」の著者で「プロ教師の会」を主宰する埼玉県川越市立城南中学教諭の河上亮一さんらが名を連ねている。今月末に第1回会合を開き、教育基本法の改正も視野に入れて議論を進め、1年後をめどに結論をまとめる。(2面に関連記事)
 小渕首相は今年に入ってから、各界の有識者150人以上を対象に、「21世紀の日本の教育理念」と「公と私の関係」について意見を求める手紙を、中曽根弘文文相と連名で郵送。26委員のうち18人は、この手紙に返事を出した人だった。
 小渕首相は同日、内閣記者会のインタビューの中で「原点に立ち返って戦後教育を総点検するとともに、現在の教育問題がなぜ起きているかについて、基本にさかのぼって議論していただきたい」と期待を語った。
 教育改革をめざして内閣に設置された機関としては中曽根内閣の臨時教育審議会(臨教審)があり、答申は1990年代以降の教育の方向を決めた。法律に基づいて設置された臨教審に比べ、教育改革国民会議は小渕首相の私的な機関。その結論が現実にどう反映するかは政治情勢とも絡み、微妙な問題だ。
 
◆教育改革国民会議メンバー◆
 
(氏名、年齢、職業の順。◎は座長。敬称略)
浅利慶太 66 劇団四季代表
石原多賀子 53 金沢市教育長
今井佐知子 41 山口県PTA連合会長
上島一泰 39 日本青年会議所会頭
牛尾治朗 69 ウシオ電機会長
江崎玲於奈 75 ◎茨城県科学技術振興財団理事長
大宅映子 59 ジャーナリスト
梶田叡一 58 京都ノートルダム女子大学長
勝田吉太郎 71 鈴鹿国際大学長
金子郁容 51 慶応義塾幼稚舎長
河合隼雄 71 国際日本文化研究センター所長
河上亮一 56 川越市立城南中教諭
木村孟 62 学位授与機構長
草野忠義 56 連合副会長
グレゴリー・クラーク 63 多摩大学長
黒田玲子 52 東京大教授
河野俊二 72 東京海上火災保険会長
曽野綾子 68 日本財団会長
田中成明 58 京都大教授
田村哲夫 64 渋谷教育学園幕張中・高校長
沈寿官 73 薩摩焼宗家第14代
浜田広 66 リコー会長
藤田英典 55 東京大教授
森隆夫 68 お茶の水女子大名誉教授
山折哲雄 68 京都造形芸術大大学院教授
山下泰裕 42 東海大教授


 
 
 
 
※ この記事は、著者と発行元の許諾を得て転載したものです。著者と発行元に無断で複製、翻案、送信、頒布するなど、著者と発行元の著作権を侵害する一切の行為は禁止されています。





日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION