図2.1.1−8 V型実験機試験結果 軸流圧縮機作動ライン
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図2.1.1−9 V型実験機試験結果 圧縮機全段作動ライン
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2.1.2 軸流F型圧縮機の研究
(1)技術課題
軸流F型圧縮機は、特に定格点で高効率が得られることを目的としている。要求性能が非常に高いため開発の過程では解析、要素試験等を行い、その成果を改善設計に反映させた。
(2)要素試験
圧縮機でもっとも重要な第1段動翼の性能を確認するための回転翼列試験や軸流F型圧縮機の単体試験および遠心圧縮機との組み合わせ試験を実施し、これらの試験結果を設計にフィードバックし改良を重ねた。要素試験においてほぼ目標を達成したため、実験機での目標達成の目処を得ることができた。
(3)陸上試験用F型圧縮機供試体
圧縮機要素試験で得られた成果を基に適応設計を実施し、陸上試験用F型圧縮機供試体の製作を行なった。F型圧縮機の全体構造を図2.1.2−1に示す。
(4)陸上試験
陸上試験実験機モジュールとして、組立・分解性、取り合い形状、性能計測に関して問題ないことを確認後、製作したF型圧縮機を実験機に組込み、陸上試験を実施した。図2.1.2−2にF型圧縮機ロータ、 図2.1.2−3にF型実験機に組み込んだ軸流圧縮機の外観を、 図2.1.2−4に圧縮機計測項目を示す。
F型実験機陸上試験の結果、ガスジェネレータ修正回転数99.7%N、出力2,527kWまで試験を行なうことができた。その試験結果を表2.1.2−1に示す。吸気流量は、設計値9.5kg/sに対し試験結果9.45kg/sとなり、設計値とほぼ一致することを確認した。軸流圧縮機の効率は88.6%に対し、試験結果88.4%とほぼ目標性能を達成した。圧力比は、設計値2.8に対し、試験結果2.61と若干低くなった。軸流圧縮機の作動ラインを 図2.1.2−5に示す。70%N〜80%N付近でのサージマージンが少し不足していたことが分かった。
圧縮機全段の効率は設計値84.0%に対し、試験結果83.3%とわずかに低く、圧力比は設計値8.0に対し、7.52と若干低くなった。圧縮機全段の作動ラインを 図2.1.2−6に示す。
表2.1.2−1 F型実験機陸上試験結果
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陸上試験結果 |
設計値 |
吸気流量(kg/s) |
9.45 |
9.5 |
軸流段圧力比 |
2.61 |
2.8 |
軸流段効率(%) |
88.4 |
88.6 |
全段圧力比 |
7.52 |
8.0 |
全段効率(%) |
83.3 |
84.0 |
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図2.1.2−1 陸上試験用F型軸流圧縮機断面図
図2.1.2−2 F型圧縮機ロータ
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