四十沢健人（12）

きん張したマスト登り

　帆船に乗るチャンスにめぐまれた。学校からパンフレットをもらい、先着35名ということで、ぼくは、その日のうちにはがきを書いて出した。通知が来た時は、「やった！　35名の中に入ることができるんだ。」と思った。

　乗る日まで、ぼくは、ずっと昔、実習生だったころのおじさんの写真や、帆船の写真集などを見た。そして、おじさんに電話して「船よいするかな。」と聞いた。返ってきた答えは、「運動神経がにぶい奴はよわない。」だった。それを聞いて安心した。

　段々、ワクワクしながら乗船する日を待った。初日は、午後から乗船したから、ハードスケジュールだった。そして夜、梅雨前線の影響で波が高くなり、すごくゆれた。朝起きたら気分が悪くなった。よったけど、マストに登れなくなるから、よい止めを絶対のまないぞと決心した。マストに登るにつれて、小さくなる船に、少し恐怖感を覚えたたが、視線は手元にし、上を目指した。高い所から、街をながめると、達成感と爽快感を感じた。ヤードを渡ったのを含め合計3回もマストに登った。船内の生活の中では、食料や水の大切さを学んだ。

　下船式で、船長のジンさんが「もう1度、乗りたい人」と言ったら全員手を上げたが、「船乗りになりたい人」と言うと、だれも上げなかった。ぼくは、正直言って迷った。船長になるのはかっこいいが、少し厳しさも知ったからだ。3日ぶりに陸地に立つとしばらくまだ体がゆれている感じがした。ぼくは、また乗りたい。お世話になったクルーのみなさん、いろいろな体験をさせてもらってありがとうございました。

　

　

　

　

　

　

　

　

田中博人（谷浜小5年）

　

「あこがれ」の乗組員のみなさんへ

　ぼくは雨の中でほをあげたのが心にのこっています。ロープワークが楽しかったです。船内見学も楽しかったです。いろいろなことがあってすごかったです。船長さんの世界一周の話はよくわかりました。すごい雨だったけどとてもおもしろかったです。もういちどのりたいです。話などをきいて船のおもしろさがわかりました。