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回復するいのちの輝き
 健康とは「あたま、からだ、こころが共に癒され、本来の自分を回復した状態」だといえます。そして、「本来の自分」は決して孤立した存在ではなく互いに支え合っている。大自然のすべてのいのちがそうであるように共に支え合い活かし合い、そしてすべては深いいのちの根源に支えられている。それに気づき受容するとき、私たちのいのちが本来の輝きを取り戻します。「痛み」による「自己の破れ」は、この真実への入り口、「狭き門」でもあるのです。
 スピリチュアル・ペインが神と人とのかかわりの中でしっかり受け止められ乗り越えられるとき、人は癒され、新たに生きる力を得ます。母胎に包まれ羊水に漂う赤ちゃんのように「自己」も「生死」すらも相対化され、大いなる安らぎと慰めのうちに解き放たれるのです。
 ひとりの人が癒され自己解放に至ることは、その人が生き、かかわっている社会全体が真の「健康」を回復する契機となるはずです。
 周囲の者の魂に感動と安らぎとを与え、そのようにして迎えた輝くいのちの終末はこころのふるえる喜びを残し、畏敬と深い感謝の念を呼びおこします。
 スピリチュアル・ペインと真摯に向き合うことは、自分のみならず生きとし生けるもののいのちに輝きを取り戻す契機ともなる、ということです。
(グリューネヴァルト作「キリストの磔刑と復活」の祭壇画のスライドと、それに関連する講演の部分は割愛させていただきました。)







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