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創刊号 2002.12
センター通信
 
シンボルマークは傷ついた心を両手でやさしく包み込むところを表しています。
 
事務局 〒336−0002 さいたま市北浦和5−6−5 浦和地方庁舎4階 TEL048−834−8081 埼玉犯罪被害者援助センター発行
 
ごあいさつ
 
 
埼玉犯罪被害者援助センター
理事長 茨木俊夫
 
 平成14年4月1日に本センターがスタートいたしまして以来、事務局活動が軌道にのり、相談体制も徐々に整いつつあります。この間、設立を支援していただいた多くの皆様方に励まされ、多方面からご支援を賜りましたこと、厚く御礼申し上げます。
 本センターの業務も、相談活動の実質的な領域に入りつつあります。相談員もひとつひとつの相談内容に全力をあげて対応しておりますが、被害者の方々から寄せられる相談内容の深刻さと、さまざまな専門領域での幅広い対応が要求されること、などを実感しております。
 相談者の方々からのお話を伺って感ずることは、「犯罪」「被害者」などの言葉自体がトラウマと結びついていることから、センターの名称も、早い時期に、愛称を工夫することが必要であろうと思われます。
 心的外傷を負った方々が、相談窓口にたどりつくのには、相当の決断が必要なのでしょう。少しずつ、慎重に、配慮ある対応によって、ひとりでも多くの方々が、じっくりと、回復への道程を見出して下さることを願っております。
 そのためには、人間関係の網の目を豊かにして、自己開示できるようなつながりを豊富にしておくことが大切だと感じております。
 このセンターは、来談される方々にとって、そばにいて、立会い、手を添え、助け、暖かい感情を向け、パワーが与えられる場所となることが、来談されるかたにとっての「真の回復の場」となりうる、と思うのです。
 今後とも、多くの皆様のお力添えによって、センターの活動がますます充実していきますよう、お願い申し上げます。
 
機関紙発行に寄せて
 
埼玉県警警察官
(前埼玉県警察本部犯罪被害者対策室長) 岡田昭文
 
 バブル期、経済的豊かさを人の幸せと勘違いしていた現代日本人は、現在不況の中で生活不安を感じながらも、人や社会にとって真の幸せとは何かを真剣に、前向きに考え行動し始めています。自分の仕事や私生活の中で自分自身あるいは家族のために何をすべきか、社会にはどう貢献できるかを考えていると感じます。
 皆さんご承知のように、交通事故や自殺で親を失った遺児たちに手を伸ばしたり、福祉施設に気軽に手伝いに出かけたり、環境問題に積極的に取り組んだり様々なボランティア集団が、積極的に社会に貢献しています。
 犯罪被害者や交通事故災害で苦しむ人々に手を差し伸べようとする“埼玉犯罪被害者援助センター”も、大勢の人の手で被害者を守ろうとする思いやりの集団だと思います。シンボルマークの暖かく大きな手は、県内の多くの企業、団体、個人の皆様の手であり、この手の大きさで被害者支援は支えられているのです。
 県民の誰もが被害者になる可能性があり、今悩み苦しんでいる人を同じ県民として援助していこうという社会貢献の姿勢は、被害者に対する共感から生まれる優しさであり思いやりに他ならず、真の社会的な幸福はこういった姿勢から生まれるに違いないと思うのです。
 私は埼玉県警警察官であり、本センター発足当初からの会員です。警察の仕事は「治安を守る」の一言につきるわけですが、治安を根本的に支えるものは、県民の協力と警察に対する信頼、共感だと思います。ですから、警察官は謙虚さと一市民としての良識を備えていなければならず、事件事故を市民の身になって取り扱う姿勢が必要です。被害者や市民に対する優しさ、思いやり、誠実さというものが、職務執行に滲み出てこなければならないと思うのです。そういう警察官に少しでも近づく努力をしたいと思っています。
 これからも、警察官として、また、私人として、被害者支援に係わっていきたいと思っています。
 会員の皆様の善意で支えられている本センターは、被害者の大きな拠り所となりつつあります。人々に優しさや思いやりをもたらす組織となって、益々発展することと大いに期待しております。
 
ご存知ですか
 
 このコーナーでは、毎回、いろいろな機関の犯罪被害者に関する対策などについてご紹介していきます。
 
法律扶助制度
「弁護士を頼みたい・・・でもお金が・・・。」
という方のために、法律扶助という制度がご利用できます。
 
 さまざまな紛争の解決、裁判や調停をする必要がある方で、経済的な余裕のない場合に、裁判や調停の費用、弁護士の費用などを立て替え、弁護士を紹介する制度です。
 制度が受けられる詳しい条件については、左記にお問い合わせください。
 
お問い合わせは・・・
財団法人法律扶助協会 埼玉支部
048(710)5666
 
半年を振りかえって
 
埼玉犯罪被害者援助センター
事務局長 金子誠
 
 平成14年2月「埼玉犯罪被害者援助センター」の設立準備中に事務局長職のお話をいただいた際、前埼玉県警察本部岡田犯罪被害者対策室長等からの同センターの設立趣旨等のご説明に、深い感銘を受け、心を動かされました。それというのも私は前職でいろいろな事件・事故直後の被害者(ご遺族)の様態に直面することがありましたが、この被害者(ご遺族)に対し、如何に心のケアーというものがなおざりにされていたかを思い出し痛感したからであります。この様なことから被害者支援の意義に賛同し事務局長職に就任したしだいです。
 「埼玉犯罪被害者援助センター」は会員皆様方の温かいご理解と格別のご協力・ご支援により2月に設立発足いたしました。以来、4月1日に業務開始、5月13日に相談業務を開始し、早6ヶ月が経過致しました。
 この間、多くの皆様方のご支援ご指導を賜りながら、電話相談・面接相談による被害者援助、また、関係機関・団体等との連携による各種広報活動等を局員一丸となって実施してまいりました。
 今後は、医師会・精神科医・臨床心理士会・弁護士会との連携組織の編成、ボランティアの養成等を含め、さらに援助活動の充実を図っていく所存でございます。どうか今後とも、当センターの被害者援助活動に温かいご支援とご指導を賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。
 最後に、紙面をお借りしまして、会員皆様方のご健勝とご多幸を心よりご祈念申し上げます。
 
埼玉犯罪被害者援助センターのポスターができました。
 
 十一月より県内の主要な駅や交番、市町村役場や学校などに当センターのポスターの掲示をお願いしております。
 このポスターの制作にあたっては、「見る人が『ほっと』安らげるようなイメージにしたい」と、スタッフ全員でいろいろなアイデアを出し合いました。そして見つけたのが、赤ちゃんを抱く優しい母親と『幸福の再訪』を意味するすずらんのイラストだったのです。親子のイラストは神奈川県の山口操さん、すずらんのイラストは東京都の佐藤ミオコさんがデザインされたもので、お二人のご好意により使わせていただいたものです。
 
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