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脳性マヒの人に対して
1) 脳性マヒといっても、障害の現れる型や障害の現れる部位によって、10種類以上の状態があります。症状が一人ひとり違うことをまず理解することが必要です。
2) 脳性マヒの人と接する場合、相手と打ちとけ合う心を持って接することです。たとえば、上から見おろすような威圧的な形をとらず、視線を相手と同じ高さにすることが大切です。
3) 脳性マヒの人の話しを聞く時は、言葉の一つ一つをかみしめるように聞き分け、その意味を相手と同じ程度理解するよう努めます。言葉がわからない時、筆談やつきそいの人の助けを求めるのではなく、何度となく聞き返すことが大切です。
4) 話の内容が理解できなくてメモを取りたい時は、相手にその事を話し許しを得てからメモを取って下さい。相手の言葉がよくわからないまま言葉の先取りをすることは、相手をとても傷つけます。
 
知的発達に障害のある人に対して
1) 知的発達に障害のある人たちは、社会生活への適応性にも困難が伴いますが、コツコツとまじめにものごとを進めていく能力は他の人と比べても劣るものではありません。いい面を最大限に生かしてあげるようにして下さい。
2) 会話の中で、難しい言葉づかいや数字などはあまり盛りこまず、ゆっくり、ていねい、わかりやすくを心がけて下さい。また、相手の言いたいと思うことを十分にくみとるようにして下さい。
3) 危険なことに対する判断が困難な場合が多いので、周囲の人たちは気付いたら遠慮しないで、うまく安全な方向へ導いてあげましょう。
4) さげすむような言葉を投げかけたり、笑ったりすることは、相手の気持ちを非常に傷つけます。逆にいたずらにこわがったり、警戒心をもったりすることもつつしんで下さい。
 
精神障害のある人に対して
1) 精神障害のある人たちにとって、最も必要なものは周囲の人たちの理解と思いやりです。精神障害は必ず遺伝するとか、こわがったり、危険視するなどの偏見をまず改めましょう。
2) 精神病院は、精神障害のある人が社会復帰するためのワンステップです。多くの入院患者さんたちが街へ出て買い物をしたり、レクリエーションを楽しみながら治療しています。いたずらにこわがって社会から排除するのではなく、あたたかい気持ちで根気よく接して下さい。
3) 社会的にあるていど適応している人は、自分の症状についても自覚があります。気持ちを刺激するような言葉には注意して下さい。
 
てんかんの発作に対して
1) てんかんの発作には、いろいろな種類がありますが、いずれも命を失うことはめったにありません。また、伝染することは決してありません。
2) 発作が起きた時には冷静に。こわがって騒いだり、相手の行動を制限したり、身体をゆすったりしないで下さい。どんな時にも、口にはしなどを押しこんだり、水などを飲ませないで下さい。
3) あわてて救急車を呼ばないで下さい。発作は普通1〜3分くらいで自然にとまります。しかし、きわめてまれな場合として(1)意識がもどらないうちに次の発作が起きたり(2)10分以上発作が続いたような時は病院に運んで下さい。
4) 小さい発作の時は見守るだけで何もすることはありません。大きな発作の時は安静にし、安全な場所に寝かせて、頭の下にやわらかい物をあて、身体をしめつけるベルトなどをゆるめ、顔を横に向けます。発作がおさまり意識が回復するまで静かに休ませ、気持が落ちつくまで見守ってあげましょう。







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