障害のある人が、住み慣れた地域で豊かに安心して暮らし、自立し、参加できる社会を実現するためには、生まれてから年老いるまでの間、福祉、医療、保健、教育、就労など様々な分野で相談や支援が受けられるような体制づくりを進めていく必要があります。

　静岡県では、平成8年度に「ふじのくに障害者プラン」をつくり、すべての障害のある人が、社会の一員として、あらゆる分野の活動に参加できるよう、具体的な数値目標を定めて、計画的に取り組みを進めています。

　また、障害のある人をはじめ、すべての人が街の中を自由に行動し、安全で快適な生活を営むことができるよう、だれもが利用しやすい施設等の整備を促進するためユニバーサルデザインの考え方に基づいた街づくりの推進に取り組んでいます。

　ここでは、静岡県で行っている仕事のうち、福祉や教育など主なものについて紹介します。

　

　県民のみなさんに障害のことや障害のある人について、よく知ってもらい、お互いに理解を深めるために、県民だよりなどの活用やテレビ、新聞などの協力を得ながら広報活動を行うほか、次のような事業を行っています。

　

　障害のある人とない人のお互いの理解を深めるために、心のふれあいをテーマにした「心の輪を広げる体験作文」や障害のある人について広く知ってもらうため、「障害者の日のポスター」を募集しています。

　

　障害者週間（12月3日から12月9日（障害者の日）まで）に「障害者芸術祭」、愛の援聴週間（3月3日（耳の日）から3月9日まで）に「みみフェスタしずおか」を開催すると共に、街頭キャンペーンなどの各種イベントを行っています。

　

　静岡県内で身体障害者手帳を持っている人は108,342人で、県の人口1,000人に対し28.7人となっています。

　また、療育手帳（知的障害のある人のための手帳）を持っている人は16,432人で、県の人口1,000人に対し4.4人となっています。

　

　

　子どもたちの中には、見ることや聞くことが不自由である、知的発達に遅れがある、運動・動作が不自由である、体が弱い状態や病気であるなどのために、教育上の配慮が必要な子どもたちがいます。

　盲・聾・養護学校ではこのような子どもたちのために個に応じた教育課程を編成し、教材・教具を工夫し、複数教員による手厚い指導をとおして将来の自立をめざした教育をしています。このように特別な配慮の下に行われる教育を静岡県では「養護教育」とよんでいます。

　県内には以下に示す盲・聾・養護学校があります。これらの学校では、小学部、中学部、高等部のほか、幼稚部、専攻科を設置している学校もあります。また、教員が家庭や病院等に出向いて指導する訪問教育も行っています。

　

　

　県内の小学校、中学校には、知的障害、肢体不自由、難聴、弱視等の障害のある子どもたちのために、特別に養護学級が設置されています。

　

　

　通級による指導は、小学校又は中学校の通常の学級に在籍している軽度の障害のある子どもに対して、主として各教科等の指導を通常の学級で行いながら、その子どもの障害に応じた特別の指導を特別の指導の場（通級指導教室）で行うものです。

　ここでいう特別の指導とは、障害に基づく種々の困難の改善・克服を目的とする指導のことです。例えば、軽度の言語障害のある子どもに対して、週に1〜3時間程度その障害に応じた発音指導、楽に話す方法、より豊かな表現の方法等の指導を行っています。

　通級による指導の対象となるのは、軽度の言語障害、情緒障害、弱視、難聴です。