日本財団 図書館


報告1
農山漁村地域の市町村における国土保全に資する取組
 
I 平成12年度調査の概要
 平成12年度に「国土保全等の観点からの農山漁村集落の維持・再編に関する基礎的調査」において、農山漁村地域における集落の公益的機能の維持状況、市町村の国土保全に資する集落対策の取組状況、並びに今後の対策の必要性等を把握するため、以下の要領で全国の農山村の市町村にアンケート、現地調査及びヒアリング等を実施した。まず、その調査結果の概要を以下に示す。
 
(1)調査対象
 調査対象とした市町村数は2,880団体で、うち中山間地域にかかる市町村は1,775団体、中山間地域以外の地域振興関係8法にかかる市町村で477団体あり、その他の町村(支部を除く町村)で648団体であった(調査対象団体に所在する農業集落122,316集落)。これらの団体の集落対策及び国土保全関係担当課に調査した。
 
※地域振興関係8法にかかる地域
・過疎地域(過疎地域自立促進特別措置法)
・振興山村(山村振興法)
・特定農山村地域(特定農山村法)
・離島地域(離島振興法)
・半島地域(半島振興法)
・沖縄地域(沖縄振興開発特別措置法)
・奄美群島地域(奄美群島振興開発特別措置法)
・小笠原諸島地域(小笠原諸島振興開発特別措置法)
 
(2)調査時期
 平成12年12月
(3)設問項目
 設問は大きく4項目に分けて行った。一つは集落の状況で、ちなみに総集落数は行政区での集落数で約167,700集落あった。そのうち農業集落数が約122,000集落あった。
 二つめは農業集落における公益的機能の維持状況について、三つめに、国土保全に資する集落対策・活動の概要、取り組み内容、実績等。これについてはフリーアンサー形式で行った。四つめは国土保全から見た今後の集落対策の必要性及び具体的方策である。
 
※設問項目
(1)集落の状況
(2)農業集落における公益的機能の維持状況
(3)国土保全に資する集落対策・活動の概要、取組内容、実績等
(4)国土保全からみた今後の集落対策の必要性及び具体的方策
 
(4)回収状況
 回収状況は、2,880団体を対象として2,857団体と、回収率99.2%という極めて高い回収率の調査となった。
 
表−1 市町村アンケート調査の回収状況
市町村 対象数 回答数 回収率
2,880 2,857 99.2%
  a 中山間地域 1,755 1,744 99.4%
b 上記以外の地域復興8法関係 477 472 99.0%
c その他の町村 648 641 98.9%
 
(5)調査の結果の要旨〜国土保全に資する取組状況〜
 まず、設問項目の1番目及び2番目の集落の状況、並びに公益的機能の維持状況においては、農業集落全体(調査対象団体に所在する農業集落122,316集落)のうち13,678集落(全体の11.2%)に公益的機能の低下が見られ、1,236集落(同1.0%)が10年以内に無人化、2,553集落(同2.1%)が10年経過後に無人化する見込みとの結果が出ており、消滅の可能性のある農業集落は、この段階では約3,800集落というのが調査結果として得られた。これは全農業集落の約3%である。
 3番目の、国土保全に資する集落対策・活動の概要、取り組み内容、実績等は、フリーアンサー形式で調査を行った。前回の報告書には、代表的な事例を20〜30掲載しているが、今回はその中を少し細かくし、今回のテーマにある「担い手」という形で再整理したものを後ほど説明する。
 4番目の国土保全から見た今後の集落対策の必要性及び具体的方策については、当時の調査では約6割の市町村で将来的には何らかの対策が必要であるということで、特に耕作放棄地・荒廃林地の対策を施行するという結果になった。







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION