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ごあいさつ
 光市室積は天然の良港をもち、古来瀬戸内海の要津としてその名を知られていました。
 特に江戸時代には、瀬戸内海は日本の物流の大動脈の一つで、日本海沿岸や西日本各地と大阪を結ぶ海運が盛んになり、北前船や全国各地の船が盛んに室積に出入りしていました。
 全国的に見ても早い、元禄15(1702)年には室積湾入口に「灯籠堂」が建ち、萩毛利藩は瀬戸内海の商品流通に係わって、年貢米の売り捌きや越荷商いをおこなう重要な役所を、ここ港町室積に置きました。
 江戸後期から明治初期には、室積地区には大小の廻船を持つ問屋や海運業者が多数集まり、全国各地の船や人が多数出入りし、大変に繁栄していたことが、この町の社寺の玉垣や奉納絵馬などでも分かります。
 もう一面では、強力な漁業権を持つ藩の御立浦として、漁業の盛んな地域で、かつては「ボラ敷網漁」「イワシ網漁」「打瀬網漁」「タイの吾智網漁」などで栄えた、沿岸漁業の町でもありました。
 光ふるさと郷土館は、この繁栄した港町の中心的廻船問屋と、分家で醤油醸造販売業者の家屋や醤油蔵などを生かし、「北前船の寄る港町」としての廻船や、海の商いの資料を中心に、地元の重要な産業である、漁業関係資料を合わせて展示した資料館です。
 毎年企画展として「船模型と船・海の写真展」を、開催してきましたが、今回はそれをさらに発展させ、誰にも理解し易い廻船資料と漁業資料を、写真や図版のパネルで追加展示し、室積の海を象徴する写真と絵画の展示を加えて、港町室積紹介の特別企画展としました。
 港町室積に係わる廻船と漁業の資料、色々な材料で精巧に作られた各種の船の模型や懐かしい写真などをご覧いただき、わが故郷の歴史や海洋と船への理解を、さらに深めていただければ幸せです。
 終わりに、本企画展を開催するに当り、ご協力・ご尽力賜りました関係機関と、関係者に対し衷心より感謝し、お礼を申し上げます。
主催者







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