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日本財団 環境保全・美化に関する助成事業
自分探し・里山体験
連続セミナー
報告書
第1回 <春>2001年5月19日(土)〜20日(日)
第2回 <夏>2001年8月16日(木)〜18日(土)
第3回 <秋>2001年11月10日(土)〜11日(日)
第4回 <冬>2002年3月2日(土)〜3日(日)
 
会場:共生庵とその里山・農園
 
主催:「共生庵」 <地球市民共育塾>
〒729−6702 広島県双三郡三和町敷名126
TEL&FAX 0824−52−7038 http://www.enjoy.ne.jp/~juntaro/
E-mail mitleben@do6.enjoy.ne.jp
 
学校へ行かない子どもとその両親へ のおさそい
『自分探し・里山体験 連続セミナー』
ご案内
主催:「共生庵」
<地球市民共育塾>
主宰者:荒川純太郎
荒川奈津江
 
〒729−6702
広島県双三郡三和町敷名126
TEL&FAX 0824−52−7038
E-mail juntaro@enjoy.ne.jp
 
 私たち「共生庵」は、土や野菜などに触れたり食する「農」や、豊かな里山の「自然」の中に身をおき、そこから学び、癒されながら自分の生き方を探していく「場」とそのための「プログラム」の提供を行っています。
 このたび表記のような学校へ行かない子どもとその両親の方々と共に、農と自然に楽しみつつ、自分探しと課題の共有・共感をするために、四季を通じた4回の宿泊連続セミナーを企画しました。是非ご参加下さり、お互いの思いをぶつけ合いながら、その出会いが今後の生きる力になるような学びと体験をして下さいますように、ここにご案内申し上げます。
 
期間:いずれも14:00開始−宿泊−15:00解散
第1回 <春>5月19日(土〉〜20日(日)
第2回 <夏>8月17日(金)〜19日(日)
第3回 <秋>11月10日(土)〜11日(日)
第4回 <冬>2月24日(土)〜25日(日)
 
定員 20名
学校へ行かない子どもとその両親
(連続4回参加予定者を優先)
 
プログラム:<進め方・取り組み方>
◆参加・体験型ワークショップ
(開発教育の楽しい手法を取り入れ、話し合いを大切にします)
◆四季に応じたふさわしい自然・農体験。特に裏山の里山整備作業。
◆もちろん、どんなプログラムにも強制はありません。
(主体的な何もしないという自由も尊重します)
◆参加者自身による企画・運営・役割分担。
◆このセミナーのためにボランティア募集。
◆毎回、学校に行かない子どもの問題に取り組む専門家・実践家、野外活動・里山管理指導者等を講師として招く。
◆お互いにネットワークを組んでいけるような配慮をします。
 
<たとえばこんな事を!> みんなで相談・企画・運営します。
□春:お互いを知り合う出会いのアイスブレーキング・里山の整備・ドラム缶でピザ作り
里山から木で木工品づくり・丸太の切り出し・まき割り・まきでご飯・風呂焚き・畑の草取り・野菜苗植え・野菜を収穫、料理・・・
□夏:星座観察・本格的ピザ、パン焼き窯(薪用)製作・川で水遊び・魚釣り・
□秋:囲炉裏で食事と語り合い・裏山の名水でハーブティを楽しむコンテスト・竹林整備
ツリーハウス、アルプホルン製作と演奏に挑戦・・・
□冬:シイタケ菌打ち・薪ストーブで団らん・里山雑木の整理・・・
 
講師予定
◆木原信行さん夫妻(山村留学・スイス村)
◆山本泰章さん夫妻(自然農・酪農家)
◆中川重年さん(神奈川県林業研究所研究員・里山専門家)
◆定者吉人さん(弁護士、「広島虹の学校」主宰)
◆中岡和己さん(三次YMCA館長) 他
 
申込・お問い合わせ
5月10日までに申込書に記入の上、共生庵へFAXか郵送で。(先着順)
申込受付次第「参加要項・地図など」をお送りします。
 
会場
「共生庵」とその農園
里山・竹林・河川にて宿泊・体験セミナー
 
費用
一人4000円
(1泊2日 3食付き)
2泊3日の場合は8000円
 
日本財団「環境保全・美化に関する助成事業」
第1回 自分探し・里山体験連続セミナー 報告
2001年5月19日(土)14:00〜20日(日)15:00
<里山・農・自然体験と話し合い>
1. とき:2001年5月19日(土)14:00〜20日(日)15:00
2. 会場:共生庵・農園・里山
3. 参加者:大人 6名 通信制高校生1名 小学生1名 計8名
4. プログラム
 
(1)里山整備作業(下草刈り・枝打ち・除伐)
(2)農作業(野菜の収穫 トマト・ナスの苗の植え付け)
(3)薪割り・風呂焚き
(4)クラフト「小枝でスプーン作り」
(5)講師のお話 定者吉人さん(弁護士・虹の学校)
(6)星座観察 他
(7)開発教育ワークショップ
 
5. 講演:定者吉人さん 「子どもの権利を守る闘いから学ぶ」要約 報告
 広島市内で弁護士活動をしている定者さんは、特に子どもの権利条約の実質化のために闘い、様々な子ども・青少年の権利保護のための弁護活動に力を注ぐ社会派である。
 いろいろな学校教育の弊害から来る子ども達の抱える問題について報告を聞き、特に不登校の子どもについて話が進んだ。現在の教育システムに疑問を持つ定者夫妻は、自ら学校を創設するべく、シュタイナー教育に情熱を傾け、試行錯誤の中に「虹の学校」を設立した。まだ学校というには十分な態勢が出来ていないが、様々な研修会やシュタイナー教育を進める講習会・音楽会などを積極的に推進しておられる。
 囲炉裏を囲みながら、参加者相互の紹介をしながら、今まで歩んできた道やこれからのことについて夜遅くまで語り合った。特に不登校3年間の苦しみを持つKさんは、その闘いの胸の内をとつとつと語ってくれた。こういう場に出てくることが出来るようになるといいのだが、そこまでが大変である。従ってこういう良き機会を作ってもらっても、該当者は参加が難しいだろう。そういう人へのアプローチをどうするかを語り合った。ただでさえ人と会うのが怖かったり、おっくうになったり、苦手であったりするのだから、誰も知らない初めての集会には、具体的な信頼を受けている知人などの紹介や同伴が必要である。先ず、顔を合わせ知り合う中から少しずつ心を開けることが出来るのだ。
 「学校へ行かない不登校生」というのも人にしたらいやな表現であるし、今回のセミナーの「自分探し」にしても暗い感じがするという指摘を受けた。
 
6. 開発教育ワークショップ
 この里山体験セミナーは、開発教育のワークショップをふんだんに取り入れながら、相互学習を体験型・参加型で進めて行く方針である。
 最初に体験した「4つの窓の自己紹介」というワークショップは、最初に自己紹介するのにふさわしい手法である。A4の紙を4等分し、(1)名前 (2)今までの自分の歩みを振り返って1−100の数字で表現する(3)行きたい外国はどこか。(4)得意なことを書き込む。その紙を名刺代わりにしてお互いに自己紹介をしていく。はじめてでもどんどん親しくなっていくことが出来る。
 「2匹のロバ」のワークショップは2日目の朝にした。ロープにつながれた2匹のロバがそれぞれ自分の前にある餌を食べようとするが、相手との間にあるロープが邪魔して食べられない。どうしても駄目だと行き詰まったとき初めて、お互いに向き合い、そこから解決方法を見いだすという6枚のカードを用いて「対立と協調」のテーマについて学んだ。以下はみんなで語り合った内容である。
◆自分のことだけを考えているとなかなか解決が得られない。◆自分を邪魔したとしてもその相手の存在に気づいた時から、解決の糸口が見られる。◆人間は自分一人で生きているのでなく、関係性の中で緊張関係を持ちながら生きていると言うことが客観視できたとき、自己中心から抜け出すことが出来るのではないか。◆自分の苦しみを嘆くことで、相手の耳に届き、存在を知らしめているとすれば、黙らずにしっかり声に出すことは大切ではないか。◆どうしてなんだろうと、立ち止まって考えるときは、自分と共に相手も見えてくるときである。◆そして自分だけが苦しんでいるのではない。自分の問題だけがとてつもなく大きいのではない。同じように苦しんでいるのだという普遍化が起こる。◆断ち切りたいロープがつながれたままでも、解決方法がある事をこの絵は示している。◆あれかこれかという二者択一的な見方でなく、もう一つの(オールタナティブ)方法があることを覚えておく必要がある。
 
7. 参加者の感想
◆自然の中での労働の心地よさを改めて体感しました。小枝を小刀で削る作業は小学校の頃以来、長い間眠っていた感覚を呼び起こされた気分でした。色んな人と出会い、言葉を交わし、今後のことを考えるのに良い刺激となりました。ありがとうございました。ごちそうさまでした。
◆超のんびり出来ました。気持ちがゆったりできるところですね。最近バイトに追われて大切なことの大切さをうっかり忘れていました。
◆フリースクールのことや不登校のことに関することなど、関心ある話が沢山出てきたので良かったです。里山探検や野菜の植え付けなど、普段しないことをやらせてもらってとても良い経験が出来ました。ノコギリが使えるようになったのがうれしかったです。荒川さんとの出会いが、又一つ私自身が成長できるような気がします。甘えず一人でたてるように県北でも仕事でも頑張っていきたいと思います。2日間ありがとうございました。お料理おいしかったです。又よろしくお願いします。







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