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編集後記
「国(くに)破れて(やぶれて)山河(さんが)在り(あり)」は有名な杜甫の「春望」の一節です。山河の(ガ)の発音は、当然、鼻濁音(カ°)になるのですが、歌人で国文学者であった佐々木信綱(ささきのぶつな)(一八七二〈明治五〉〜一九六三〈昭和三八〉)は、自作の次の和歌の「山河」は濁らないで(サンカ)と詠んでほしいと遺言していたことがわかりました。(佐々木信綱記念館〈三重県鈴鹿市〉担当者談)

「春(はる)ここに生る(うまる)る朝(あさ)の陽(ひ)をうけて 山河(サンカ)草木(そうもく)みな光(ひかり)あり」

 そこで、私なりに何故このような遺言をされたのかと考えてみましたが、鼻濁音を教えてもらえない世代の到来を前に、濁音で(ガ)と詠まれるよりは、いっそのこと、濁らないほうがましだ、というせめてもの抵抗のように思えてならないのです。
(矢萩保三)
 
 
創立35周年記念CDを抽選で百名様に贈呈
 財団法人日本吟剣詩舞振興会は平成十四年度が財団創立三十五周年であったのを記念して数多くの記念行事を開催するとともに、これを記念する「吟剣詩舞道吟詠集」(CD)を制作、斯道の振興と財団の発展に功労があった方などに贈呈しました。これに合わせ、月刊吟剣詩舞誌定期購読者の皆様にも、抽選で百名様に同吟詠集をプレゼントいたします。
 内容は笹川鎮江会長、河田神泉副会長、鈴木吟亮専務理事の吟詠をはじめ、過去五年間に発売された吟詠集(いずれも少壮吟士の吟)の中から特に選ばれた吟詠三十題が収録されています。
応募方法
一、 希望者は官製はがきに「三十五周年記念CD希望」と書き、郵便番号、住所、氏名、電話番号とともに、購読者整理番号(月刊誌郵送封筒に記載。例・35−キ−1234)を必ずご記入ください。
二、 募集締め切り=平成十五年三月二十日(木)財団到着分まで。
三、 抽選=応募者多数の場合は、財団事務局で厳正抽選。
四、 発表=当選者百名のため、発送をもって発表に替えさせていただきます。
 
 一月号のコンダクター当選者は、東京都文京区の湯浅欣誉さんに決まりました。また、新規購読者プレゼント当選者は、北海道千歳市の中村三重子さんです。おめでとうございます。
“吟剣詩舞”購読倍増キャンペーンの賞品(詩吟コンダクター「吟詠ハーモニー」/本体価格二六、〇〇〇円)は日本コンダクター販売株式会社の提供によります。
 
吟剣詩舞
平成15年3月1日発行
第33巻3号・通巻318号
●編集・発行人 笹川鎮江
●製作 高山プレスシステムセンター
●発行所
財団法人 日本吟剣詩舞振興会
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海洋船舶ビル 〒105−0001
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