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吟剣詩舞の若人に聞く 第47回
山本純子さん(九歳)●大分県大分市在住
(平成十三年度全国剣詩舞コンクール決勝大会詩舞幼年の部準優勝)
母:山本明子さん
祖母:岩田桂子さん
師:小野光翠扇さん(詩舞道光翠扇流家元)
 
類まれな感受性と表情が、舞をさらに豊にしている
素直で感受性が豊かで、踊りが何よりも好きな山本純子さん。底知れぬ才を感じさせる彼女に、ご家族、家元を交え、踊りのこと、そしてコンクールや今思っていることなどをお聞きしました。
 
詩舞は何歳からしているの?
純子「四歳ぐらいからです」
何で始めたの?
純子「おばあちゃんや、お母さんにしたらと薦められたからです」
おばあ様は詩舞をしているのですね?
岩田「はい、しております」
お母様はいかがですか?
明子「していません」(笑)
薦められて、どうでした?
純子「少し嫌だなと思いましたが(笑)、やってみようという気持ちもありました。物を持って踊るのが楽しそうだったからです」(笑)
四歳のときから、家元が教えられたのですか?
小野「そうです。純子ちゃんは、おばあ様がなさっているので覚えが早く、がんばり屋さんですね。それに、説明しても、それを理解するのが早く、表情などもとり方が上手です」
なぜ、やらせようと思いましたか?
岩田「やらせるという気持ちはありませんでしたが、私が先生の踊りに感動し、それで私が習い始めました。三年目ぐらいにリサイタルがありまして、その練習をこの子が見ておりまして、カッコいいと言い(笑)、やる気になったのではないでしょうか。また、先生が上手に教えてくれますから、嫌がると言うこともありませんでしたね」
練習は大変ですか?
純子「腰を入れて歩くところなどは大変ですが、楽しいところは先生が優しく教えてくれることです」(笑)
お母様はされませんが、娘さんを見ていかがですか?
明子「見る眼はできましたね(笑)。先生のご指導がわかりやすいので、家に帰ってからも先生の言ったことをこの子にアドバイスしながら、二人で復習できるようになったほどです」(笑)
純子ちゃんの特長は何でしょうか?
小野「まず表情が豊かです。お話をしていても、本人が違うかなと思うと眼を上にあげたり、できないときはニヤリと笑ったり、だから表情でこの子のことが大体わかります」(笑)
全国大会は初めてですか?
純子「はい、初めてです」
県の大会には出ていましたか?
純子「時々出ていました」
小野「コンクールにはあまり出しておりませんで、舞台に出るほうが多かったですね」
全国大会に出た感想はある?
純子「舞台が広いなと思ったし、狭いなとも思いました。よくわからなかった」(笑)
その時の舞台は、自分で点にすると何点?
純子「・・・八十九点」(大笑)
九十点でないのは、なぜ?
純子「動きが少し硬かったような気がするからです」
名前が呼ばれた時はどう?
純子「嬉しかったです。呼ばれれば、何でもよかったのですが」(笑)
優勝したかった?
純子「いえ、全国大会に出られるだけで嬉しかったから、いいです」(笑)
明子「ある子が踊っているのを見て、上手だねと言っていましたし、自分の踊りがわかっていたのではないかと思います。結局、その子が優勝しましたが」
その子が上手だと思った点は?
純子「顔がニコニコしていたから」(笑)
お孫さんのコンクールの舞台を見ていかがですか?
明子「小さいのに、よくやるなと感心しました。自分ができないものですから」(笑)
コンクールで気をつけたことは何ですか?
明子「この子は大会などの前になると、火傷したりケガをしたり、何かあります。だから、健康管理だけは、人一倍気を使いました。実は九州大会の前日に手を火傷しまして、お扇子を回すところがあるので、夜遅く薬局まで走り、薬を塗って大会に出たくらいです」
なぜ火傷したのですか?
明子「熱いスープを自分で注いで、それをこぼして火傷してしまいました。明日大会があるのを忘れて、その場その場のことを楽しんでいるのです。大会を気にせず楽しめるというのは、人間が大きい証拠なのでしょうかね・・・」(笑)
吟題の「春日家に還る」を選ばれた理由は?
小野「詩の内容、雰囲気がこの子に合うのではないかと思い選びました。得意の鳥や花が出てきますし、蛙が飛び出してきた時の表情ができたので、これならば大丈夫だと思いました」
表情が豊かなのはもって生まれたものですね?
小野「そうです。感受性が豊かなのでしょう。」
明子「もっと小さな時、田舎に住んでいまして、散歩などでお山がきれいだねとか話しながら育ってきました。だから、情景を言えばそれを絵にすることができるようになり、そんな環境が感受性を育んだかもしれません」
 
 
インタビューに答える、左より山本明子さん(母)、岩田桂子さん(祖母)、山本純子さん、師の小野光翠扇家元
 
 
純子ちゃんは詩吟もしているよね?
純子「はい」
詩吟はどうなの?
純子「いわれてやっているので、どちらかと言えば詩舞のほうが好きです」(笑)
学校の友達は詩舞をしていることを知っているの?
純子「はい、大分市の市報に載ったので知っています」
今後の指導方針などはありますか?
小野「他の子にないものをたくさん持っていますから、今から見出して、この子らしい舞を作り出せれば楽しいと思いますが、未知数な部分もありますので、現状ではわかりません」
おばあ様は純子ちゃんを見ていかがですか?
岩田「ここまで来ましたので、学校との兼ね合いもありますが、伸ばしてやりたいと思いますし、どこまでも応援してやりたいです」
小野「おばあ様の努力は大変なものがあります。今日はどこまでお稽古したかと電話で聞いてきまして、カレンダーにお稽古のことを付けていたそうです」(笑)
岩田「純子と、お稽古した日はシールを貼る約束をしたものですから。シールが一杯になると、よくやったねと誉めてあげることにしていました」
今もシール貼っているの?
純子「いえ、今はしていません」(笑)
詩舞をしていて苦手と思っていることはある?
純子「踊っている時に口をあけてしまうこと」(笑)
得意なところは?
純子「・・・わかりません」(笑)
辞めようと思ったことはある?
純子「時々あります。お母さんにしかられたときなどは、特にそうです」(大笑)
純子ちゃんのこれからの目標はあるかな?
純子「もっともっと、表情や雰囲気を出したいです」
踊りは好きですか?
純子「好きです。ずっとやっていきたいと思っています」
将来は踊りの先生になりたい?
純子「先生は無理かもしれないけれど」(笑)
幼年の部にもう一回出られるチャンスがあるけれど?
純子「出るつもりです」
小野「五月に県の大会があります。練習も始めたところです」
純子「きれいな踊りなので、上手くできたらいいなと思っています」
小野「前回より少し難しいものになっていますが、がんばってついてきてくれています」
これからの純子ちゃんに対して何かありますか?
小野「素直な子ですから、私の方が間違ったことを教えないように気をつけます」(笑)
岩田「この可愛さをいつまでも、持ち続けてください」
明子「途中であきらめずに、やれるところまでやって欲しいです」
最後に純子ちゃんから何かありますか?
純子「全力でがんばります」
優勝を目指すの?
純子「それは・・・」(大笑)
本日はインタビューにお答えいただき、ありがとうございます。再び全国大会目指してがんばってくだい。
 
 
小野光翠扇家元(左)から演技指導を受ける山本純子さん
 
 
純子さんを中心に前列左より祖母・岩田桂子さん、山本純子さん、師の小野光翠扇家元。後列、中は母の山本明子さん、左は当日のお手伝いをいただいた社中の竹内アサカさん、右、同じく青柳和子さん
 
 
山本純子さん







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