(第一種配線工事によらなければならない電路)
第二百四十七条 次に掲げる電路は、第1種配線工事によらなければならない。
(1) |
機関室、ボイラ室、暴露甲板等における他動的損傷を受け易い場所に布設する電路 |
(2) |
爆発し、又は引火し易い物質が発生し、蓄積し、又は貯蔵される場所に布設する電路 |
(3) |
水密戸開閉装置、自動スプリンクラ装置、水中型ビルジポンプ、第二百九十七条の警報装置又は非常照明設備へ給電する電路 |
2 前項第一号に掲げる電路のうち特に強度の他動的損傷を受け易いものは、前項の規定によるほか、適当な保護をしなければならない。
(第二種配線工事によらなければならない電路)
第二百四十八条 酸性蓄電池室に布設する電路は、第2種配線工事によらなければならない。
(交流に使用する電路)
第二百五十条 交流に使用される電路には、小容量のものを除き、誘導による発熱を防ぐため多心線を用いなければならない。
(関連規則)
1. 船舶検査心得 3−1
250.1(a)「小容量」とは15A以下をいう。
2. NK鋼船規則H編
2.9.19 交流回路用ケーブル
負荷電流が20Aを超える交流回路に単心ケーブルを使用する場合には、ケーブルは次の(1)から(8)の規定によらなければならない。
(1)ケーブルは、がい装のないものとするか、又はがい装を有する場合には非磁性材料のがい装のものであること。
(2)ケーブルを金属管内に布設する場合には、金属管が非磁性材料でない限り同一回路のケーブルは1本の管内に納めること。
(3)ケーブル帯金が非磁性材料でない場合には、1回路のすべての相のケーブルを1個の帯金内に納めること。
(4)単相又は三相回路に2条又は3条の単心ケーブルを布設する場合には、ケーブルは、できる限り互いに近接させること。いかなる場合にも、ケーブル相互間の距離はケーブルの外径を超えないこと。
(5)負荷電流が 250Aを超える回路に使用する単心ケーブルを鋼製隔壁等にそって布設する場合には、ケーブルは、隔壁等からできる限り離されること。
(6)185平方ミリメートル以上の断面積のケーブルで、かつ、長さが30メートルを超える場合には、三葉状に山積みして布設される場合を除き、各組のケーブルは、約15メートルごとに位置を替え、インピーダンスの平衡を保つようにすること。
(7)各相に2条以上のケーブルを並列にして使用する場合には、すべてのケーブルは、同一の断面積とし、かつ、同一の長さであること。
(8)一群の単心ケーブル間には、磁性材料を置かないこと。ケーブルが鋼板を貫通する場合には、同一回路のケーブルは、1個の非磁性材料のグランド又は当板等を用いて布設し、かつ三葉状に山積みして布設される場合を除き、ケーブルと磁性材料間の間隔はできる限り75ミリメートル以上とすること。
(電路のわん曲)
第二百五十一条 がい装鉛被ケーブルは、その外径の8倍以下、その他のケーブルはその外径の6倍以下の半径でわん曲してはならない。
(関連規則)
NK鋼船規則H編
2.9.10 ケーブルの布設
−6. ケーブルを曲げて布設する場合には、ケーブルの曲げ内半径は、次の値より小であってはならない。
(1)がい装のあるゴム及びビニル絶縁のもの:ケーブルの外径の6倍
(2)がい装のないゴム及びビニル絶縁のもの;
ケーブル外径≦25mm:ケーブル外径の4倍
ケーブル外径>25mm:ケーブル外径の6倍
(3)無機絶縁のもの:ケーブルの外径の6倍
(甲板等を貫通する電路)
第二百五十二条 水密甲板、水密隔壁又は気密を要する隔壁を貫通する電路は、その部分に電線貫通金物を使用し、又はその他の方法で水密又は気密を保つことができるようにしなければならない。
(関連規則)
船舶検査心得 3−1
252.1(a)蓄電池室又は塗料庫と居住区との間の隔壁は、気密を要するものとして取り扱うこと。
第二百五十三条 前条の甲板及び隔壁以外の甲板又は隔壁を貫通する電路は、その部分を必要に応じてカラー、鉛その他の適当な軟質物質を用いてこれを保護しなければならない。
(関連規則)
NK鋼船規則H編
2.9.15 隔壁及び甲板の貫通
−1. |
ケーブルが隔壁又は甲板を貫通する部分は、電線貫通金物、箱等を設けて隔壁及び甲板の強度、水密性及び気密性を損なうおそれのない構造としなければならない。 |
−2. |
ケーブルが水密でない隔壁又は鋼製構造物を貫通する場合には、ブッシングを用いてケーブルに損傷を与えないようにしなければならない。隔壁又は鋼製構造物が十分な厚み(≧6ミリメートル)を持っている場合には、孔の両端に丸みを持たせれば、ブッシングと同等とみなすことができる。 |
−3. |
電線貫通金物、ブッシング等は、耐食性材料又は防食処理を施したものでなければならない。 |
−4. |
ケーブルが防火壁を貫通する部分の構造は、防火壁の防火性を損なうおそれのないものでなければならない。 |
(電路の接続)
第二百五十四条 電路は、接続箱、分岐箱又は端子箱を用いて接続しなければならない。
(線端処理)
第二百五十五条 ケーブルは、適当な線端処理を施さなければならない。
(電路の固定)
第二百五十六条 電路は、帯金を使用して直接船体に、又は導板、ハンガー等に固定しなければならない。
2 前項の帯金は、耐食性材料で作られたもの又は耐食処理を施したもので、その幅が13ミリメートル以上であり、かつ、ケーブルを傷つけない構造のものでなければならない。
3 第1項の帯金は、なるべく次表に定める間隔により取り付けなければならない。
ケーブルの外径 (ミリメートル) |
帯金の間隔(センチメートル) |
がい装のない場合 |
がい装のあるい場合 |
13以下のもの |
25 |
30 |
13をこえ20以下のもの |
30 |
35 |
20をこえ30以下のもの |
35 |
40 |
30をこえるもの |
40 |
45 |
|
(関連規則)
NK鋼船規則H編
2.9.22 ケーブルの支持及び固定
−1. |
ケーブル及び配線は、擦損、その他の損傷を被らないように布設し支持しなければならない。 |
−2. |
ケーブルの支持及び固定間隔は、ケーブルの種類及びケーブルが布設される場所の振動により選定しなければならず、かつ、40cmを超えてはならない。ただし、暴露区域以外に布設されるケーブルであって、ハンガー等の上に水平に布設されるケーブルにあっては、40cmを超えない間隔で支持され、かつ、90cmを超えない間隔で固定されればよい。また、ケーブルがダクト又は管内に布設される場合は本会の適当と認めるところによる。 |
−3. |
バンド、支持物及び附属品は、次の(1)から(4)に適合しなければならない。 |
(1) |
バンドは十分な強さを有し、ケーブルの被覆を損傷することなく固定できるものであること。 |
(2) |
金属性のバンド、支持物及び附属品は、耐食性材料又は適当な防食処置を施したものであること。 |
(3) |
非金属製のバンド及び支持物は、難燃性のものであること。 |
(4) |
非金属性のバンドで固定したケーブルは、支持物の上に水平に布設した場合を除き、火災によるケーブルの緩みに対し考慮されたものであること。 |
2.9.10 ケーブルの布設
−4. |
導体の最高許容温度が異なる絶縁ケーブルは、できる限り同一帯金で束ねて布設することを避けなければならない。やむを得ず束ねて布設する場合には、いかなるケーブルも導体の最高許容温度の最も低いケーブルに許容された温度より高い導体温度にならないように使用しなければならない。 |
−5. |
他のケーブルの保護被覆に損傷を生じやすい保護被覆を持つケーブルは、同一の帯金に束ねて布設してはならない。 |
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