2.4.4 温度上昇限度の修正
−1. 空気冷却器を備えて強制冷却する回転機の温度上昇は、冷却器の入口における冷却水の温度が32℃以下のときは、表H2.2 の値より13℃高くとることができる。
−2. 基準周囲温度が45℃を超える場合には、温度上昇限度は、表H2.2 の値よりその差だけ低減する。
−3. 基準周囲温度が45℃以下の場合には、温度上昇限度は、表H2.2 の値よりその差だけ高くとることができる。この場合、基準周囲温度は、40℃未満とすることはできない。
表H2.2 回転機の温度上昇限度(℃)
項 |
回転機の部分 |
A種絶緑 |
E種絶緑 |
B種絶緑 |
F種絶緑 |
H種絶緑 |
温度
計法 |
抵抗法 |
埋込
温度
計法 |
温度
計法 |
抵抗法 |
埋込
温度
計法 |
温度
計法 |
抵抗法 |
埋込
温度
計法 |
温度
計法 |
抵抗法 |
埋込
温度
計法 |
温度
計法 |
抵抗法 |
埋込
温度
計法 |
1 |
交流機固定子巻線 |
45 |
55 |
55 |
60 |
70 |
70 |
65 |
75 |
80 |
80 |
95 |
95 |
100 |
120 |
120 |
2 |
絶縁された回転子巻線 |
45 |
55 |
- |
60 |
70 |
- |
65 |
75 |
80 |
80 |
95 |
- |
100 |
120 |
- |
3A |
多層界磁巻線 |
45 |
55 |
- |
60 |
70 |
- |
65 |
75 |
80 |
80 |
95 |
- |
100 |
120 |
- |
3B |
絶縁された単層界磁巻線 |
55 |
55 |
- |
70 |
70 |
- |
75 |
75 |
95 |
95 |
95 |
- |
120 |
120 |
- |
3C |
露出した単層界磁巻線 |
60 |
60 |
- |
75 |
75 |
- |
85 |
85 |
105 |
105 |
105 |
- |
130 |
130 |
- |
3D |
円筒形回転子を有する同期機の界磁巻線 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
85 |
- |
105 |
105 |
- |
- |
120 |
- |
3E |
低抵抗界磁巻線及び補償巻線 |
55 |
55 |
- |
70 |
70 |
- |
75 |
75 |
95 |
95 |
95 |
- |
120 |
120 |
- |
4 |
鉄心そのほかの機械的部分で絶縁した巻線と近接した部分 |
55 |
- |
- |
70 |
- |
- |
75 |
- |
95 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
5 |
絶縁されない短絡巻線、鉄心そのほかの機械的部分で絶縁した巻線に近接しない部分、ブラシ及びブラシ保持器 |
機械的に支障なく、かつ、付近の絶縁物に損傷を与えない温度 |
6 |
整流子及びスリップリング |
55 |
- |
- |
65 |
65 |
- |
75 |
- |
85 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
|
(備考)1. |
全閉形回転機の項1,2及び3Aを温度計法で測定する場合は、表の数値より5℃高い温度とする。 |
2. |
誘導機の項1及び項2は温度計法によらないこと。 |
3. |
整流子又はスリップリングに高級な絶縁物が使ってあってもこれに極めて近接 |
2. NK規則検査要領
H2.4.3 温度上昇の限度
−1. 軸受の温度上昇限度については次による。
(1)軸受(自冷式)の温度上昇限度は、表面で測定したとき35℃、メタルに温度素子を埋込んで測定したとき40℃とする。ただし、耐熱潤滑剤(例えば、リチウム石けんを主とする潤滑グリース)を用いる場合は、表面で測定し、50℃とする。
(2)F種以上の耐熱絶縁材料を使用する回転機で、前(1)により難い場合は、採用しようとする温度上昇限度について、軸受及び潤滑剤の耐熱性に関する資料を添え、本会の承認を得る。
−2. 空気冷却器を備えて強制冷却する回転機の巻線類の温度計測方法は、埋込温度計法又は抵抗法によるものとする。
H2.4.4 温度上昇限度の修正
空気冷却器を備えて強制冷却する回転機の冷却水温が32℃を超える場合の温度上昇限度は、その都度定める。
(過負荷耐力)
第191条 連続定格の発電機は、25パーセントの過負荷で次表に掲げる時間中支障なく運転できるものでなければならない。この場合において、同表の毎分1000回転についての出力は、次の算式により算出したものとする。
毎分1000回転についての出力
(キロワット又はキロボルトアンペア) |
時間 |
3未満のもの |
15分間 |
3以上7.5未満のもの |
30分間 |
7.5以上のもの |
2時間 |
|
2. 前項の発電機は、50パーセントの過負荷で1分間支障なく運転できるものでなければならない。
(関連規則)
1. 舶検第76号(40.5.7)
発電機及び電動機の過負荷耐力試験は設備規程第191条第2項及び第276条第2項の50%過負荷試験を1分間行う限り各条第1項に行う125%負荷試験は省略してさしつかえない。
2. NK規則
2.4.5 過負荷耐力
回転機は電圧、回転数及び周波数をできる限り定格値に保って、次に規定する過電流又は超過トルクに耐えなければならない。ただし、甲板機械用電動機(揚貨機、揚錨機、係船機等)及び単相交流電動機等特殊なものの過負荷耐力は本会の適当と認める値とすることができる。
直流発電機:50%過電流 |
15秒間 |
交流発電機:50%過電流 |
2分間 |
直流電動機:50%超過トルク |
15秒間 |
同期電動機:50%超過トルク |
15秒間 |
誘導電動機:60%超過トルク |
15秒間 |
(過速度耐力)
第192条 発電機は、次に掲げる速度で1分間支障なく運転できるものでなければならない。
(1)蒸気タービン直結発電機 定格速度の115パーセント
(2)内燃機関直結発電機 定格速度の120パーセント
(3)その他の発電機 定格速度の125パーセント
(関連規則)
NK規則
2.4.7 過速度耐力
回転機は、つぎに規定する過速度試験を行い、2分間これに耐えなければならない。
発電機: |
タービンにより駆動されるもの: |
定格速度の115% |
|
内燃機関により駆動されるもの: |
定格速度の120% |
|
その他のもの: |
定格速度の125% |
電動機: |
分巻電動機:定格速度の125% |
|
直巻電動機:定格速度の200% |
|
複巻電動機:無負荷速度の125% |
|
同期電動機:同期速度の125% |
|
誘導電動機:同期速度の125% |
(整流)
第193条 直流発電機は、界磁調整器を定格出力、定格電圧、定格回転数に相当する値に調整し、その調整値及びブラシの位置を変更しないで、連続定格のものにあっては定格電流の 150パーセント以内、短時間定格のものにあっては定格電流以下において、有害な火花を生じないものでなければならない。
(関連規則)
船舶検査心得
193.1(整流)
(a)有害な火花については、JECに規定する火花程度を参考にして判定すること。
(絶縁抵抗)
第194条 発電機の絶縁抵抗は、次の算式を満足するものでなければならない。
第11号表 絶縁耐力試験電圧表(第195条関係)
機器の部分 |
試験電圧(ボルト) |
直流機及び交流機の電機子巻線 |
1キロワット以上のもの2E+1000(ただし、最低1500) 1キロワット未満のもの 定格電圧が50ボルト未満のものは500、定格電圧が50ボルト以上250ボルト未満のものは1000、250ボルト以上のものは2E+500 |
直流機界磁巻線 |
電動機として起動しない同期機の界磁巻線 |
10Ex(ただし、最低1500) |
電動機として起動する同期機の界磁巻線 |
界磁巻線を短絡して起動するもの |
10Ex(ただし、最低1500) |
界磁巻線を開いて起動するもの |
2Ei+1000 |
絶縁した起動用回転子巻線 |
2Ei+1000 |
誘導機一次巻線 |
1キロワット未満のもの2E+500(ただし、最低1000) 1キロワット以上のもの2E+1000(ただし、最低1500) |
巻線形誘導機二次巻線 |
2Es+1000(ただし、最低1200) |
|
備考(1) |
Eは主機定格電圧とする。 |
(2) |
Exは励磁機定格電圧とする。 |
(3) |
Eiは回転子を静止させ、起動電圧を電機子巻線に加えた場合の界磁巻線又は起動用回転子巻線の端子間に生ずる誘起電圧とする。ただし、界磁巻線又は起動用回転子巻線に高抵抗を接続して起動する場合には、その状態における端子電圧とする。 |
(4) |
Esは、二次巻線端子の最大誘起電圧とする。 |
(5) |
電動機として起動する界磁巻線であって、これを短絡して起動するもののうち、その界磁短絡用抵抗値が界磁巻線抵抗値の10倍をこえるものについては、これを界磁巻線を開いて起動するものとみなす。
|
|