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6・3・3 RS−485
 RS−422と基本的な部分は同じである。主な特徴を表6・12に示す。
 
表6・12 RS−485の特徴
接続可能台数 トーカ32 リスナ32
最長距離 100Kbpsで1200m
最大データ長 15mで10Mbps
信号化 平衡
論理値1 1.5V最小 5V最大
論理値0 1.5V最小 5V最大
入力レベル最小感度 0.2V差
出力電流 250mA
 
 信号線やコネクタも同じ仕様で互換性があるが、RS−422のトーカにはデータ衝突時の保護回路がないため、RS−485規格のシステム内で使用することはできない。
 
6・4 IEC 61097−7規格(音響用)概要
 GMDSS(全世界海難救助システム)に関する規格のパート7として、船舶VHF無線電話の送受信機について、操作及び要求性能、機器の試験の方法と所要試験結果についての規格がまとめられている。IEC 60945規格(次項参照)と本規格の要求性能と異なる場合は本規格を優先する。
 ここでは、本規格に定義されている主な項目とその内容の概略を掲げる。なお項目番号は原文に一致している。
 
表6・13 IEC61097−7規格(音響用)に定義されている項目等の一覧
項目 内容
3.VHF無線機に要求される性能  
3.1 はじめに 3章の内容
3.2 一般的な性能 チャンネル数、送受信周波数の分離、呼び出しのカテゴリ等の要件
3.3 要求される性能 ●最低限必要とされる機器の構成
●制御器が複数の場合の取り決めなど
●動作の状態など表示するべき内容や表示方法など
●送受話器の音量や出力の切替方法など
●チャンネルや送受信の切替時間
●アンテナ端子の状態によらず機器に影響を与えない安全性
●受信機が使用するチャンネル番号と周波数など
●ウォーミングアップ時間
●ディジタル選択呼出し(DSC:Digital Selective Calling)設備など
●外部機器とのインターフェースなど
●複数待ち受けの場合の優先チャンネルと追加チャンネルのスキャニング方法など
3.4 周辺に求められる環境と
電磁環境の両立性
(EMC:Electro Magnetic Compatibility)
IEC60945を参照のこと
4. 要求される技術特性  
4.1 一般的な特性 ●チャンネル間の周波数の差など
●二重あるいは半二重システムの場合やDSCを使用している場合の機器の機能など
4.2 エミッション(放射)のクラスと変調特性 ●送信のクラス
●必要とされる帯域幅など
4.3 送信器 ●周波数許容誤差
●送信出力の範囲など
●周波数の偏差の限度
●音声周波数の上限など
●スプリアス発生の限度など
4.4 受信器 ●受信機の最大感度
●近接チャンネルの選択性
●スプリアスに対する応答を拒否する特性など
●変調による減衰の限度
●スプリアス発射の限度
●複数待ち受け機能のスキャニング特性とチャンネル表示など
4.5 DSC機器 ●DSC機器の構成
5. 試験の方法と要求される結果  
5.1 試験の条件 ●通常の試験、過酷な条件の試験
●試験に使用する電源
●過酷な温度条件における試験の手順
●動作の確認
●環境試験
●不特定の状態における試験
5.2 計測の一般的な条件 ●受信機に入力される試験信号
●受信機スケルチ機能
●通常試験の変調
●模擬アンテナ
●送信機に入力される試験信号
●送信器の出力
●二重方式のフィルタを装備した機器の試験
●試験するチャンネル
●不確定な計測値など
5.3 一般的な要件 ●スイッチ切替時間など
5.4 送信器 ●周波数の誤差
●搬送波の出力
●周波数の偏差
●変調器の限界特性
●マイクも含めた変調器の感度
●音声周波数の応答
●音声周波数の高調波ひずみのエミッション
●隣接するチャンネルの影響
●アンテナに伝えられる伝導スプリアスのエミッション
●送信器の変調による誤差
●周波数の瞬間的な変化における送信器の応答など
5.5 受信器 ●高調波によるひずみとカタログ値における音声周波数の出力
●音声周波数の特性
●使用可能な最大感度
●チャンネル相互の周波数分離
●隣接チャンネルの選択性
●スプリアスに対する応答を拒否する特性
●不必要な信号があっても、必要な変調信号を受信する受信機の能力
●不要な信号による音声出力の変化やS/N比の劣化(ブロッキング)
●アンテナに伝えられる伝導スプリアスのエミッション
●受信機のリミッタの増幅特性
●高周波による雑音および電源のスプリアスで生じる雑音のレベル
●スケルチの機能
●スケルチのヒステリシス
●複数待ち受けのスキャニング特性など
5.6 二重方式の動作 ●音響のフィードバック
●送信時の受信機の感度の減少と受信の状態
●スプリアスに対する応答を拒否する特性など
5.7 DSCの動作 ITU‐RおよびIEC61097‐3を参照のこと
5.8 電磁環境両立性 ●伝導スプリアスのエミッション
●放射スプリアスのエミッション
●電磁環境へのイミュニティ(耐性)など
詳細はIEC60945を参照のこと







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