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1・2・3 磁気回路−変圧器(トランス)
 2つのコイルを近づけて磁界で結合すると変圧器ができる。一次側と二次側のコイルの巻き線数の比により電圧や電流の変換ができる。図1・21に変圧器の回路を示す。
 一次コイルAと二次コイルBの巻き線比をnA:nBとする。変圧器の損失がないとすると入力の一次側電圧と出力の二次側電圧が巻き線数の比となるので
 
eA:nA=eB:nB (1・31)
 
より
(1・32)
図1・21 変圧器の回路
 
 変圧器の電力損失がないとすると、一次側と二次側の電力が等しいので電流をiAとiBとすると
eA×iA=eB×iB (1・33)
(1・32)式(1・33)式より
(1・34)
 巻き線をnB>nAとすると二次側Bの電圧は一次側より大きくなるが電流は逆に小さくなることが分かる。トランスは電圧及び電流の変換のほかにも、インピーダンス変換にも利用される。
 一次側のインピーダンス(抵抗とリアクタンス)をZA、二次側をZBとすると
 
ZA:ZB=nA2:nB2 (1・35)
の関係があるので
(1・36)
となるのでインピーダンスの異なる回路間をトランスで結合する(これをインピーダンス整合と呼ぶ)ことができる。アンテナと受信機のインピーダンスを整合させるのに適当な巻き数比を持つ高周波トランスが使用されている。







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