日本財団 図書館


2.8 脱出設備
 脱出設備のうち電気設備に関連する設備は船舶設備規程第122条の5から第122条の6の2までの規定による。
 
(非常標識)
第122条の5 外洋航行船(旅客船に限る。)、内航ロールオン・ロールオフ旅客船及び係留船の脱出経路(暴露部に設けるものを除く。)及び当該脱出経路に設ける消防設備を格納する場所には、床面からの高さが0.3メートル以下の位置に非常標識を備え付けなければならない。、ただし、管海官庁が当該船舶の大きさ、構造等を考慮して差し支えないと認める場合には、この限りでない。
2 前項の規定により備え付ける非常標識は、次に掲げる要件に適合する発光体又は標識灯でなければならない。
(1)管海官庁が適当と認める光度を有するものであること。
(2)設置する場所に応じ、脱出の経路、格納されている消防設備の種類その他の表示事項が容易に識別できるものであること。
(3)電気式のものにあっては、非常電源から給電するものであり、他の非常標識の損傷によりその機能が損なわれないための措置が講じられたものであること。
3 国際航海に従事しないロールオン・ロールオフ旅客船であって沿海区域又は平水区域を航行区域とする総トン数1,000トン未満のものの脱出経路(暴露部に設けるものを除く。)には、脱出標示を、当該脱出経路に設ける消防設備を格納する場所には消防設備の存在を示す標示をそれぞれ備え付けなければならない。ただし、管海官庁が当該船舶の大きさ等を考慮して差し支えないと認める場合には、この限りでない。
(非常照明装置)
第122条の6 外洋航行船、内航ロールオン・ロールオフ旅客船及び係留船の次に掲げる場所には、安全上十分な非常照明装置を設けなければならない。
(1)乗艇場所及び招集場所
(2)廊下、階段、はしご及び出入口
(3)機関区域
(4)制御場所(船舶防火構造規則第2条第22号の制御場所をいう。以下同じ。)、機関制御室及び主発電設備の制御室
(5)その他管海官庁が必要と認める場所
2. 前項第2号に掲げる場所に設ける非常照明装置は、乗船者が救命艇及び救命いかだの積付場所及び進水場所に近づくことを妨げないものでなければならない。
3. 第1項の非常照明装置は、主電源、これと関連する変圧器、主配電盤又は主照明用配電盤を設けた場所の火災その他の災害によりその使用を損なわれないものでなければならない。
4. 第1項の非常照明装置は、非常電源から給電することができるものでなければならない。この場合において、国際航海に従事する旅客船にあっては、同項第1号に規定する場所に設ける当該非常照明装置は、主電源からも給電することができるものでなければならない。
(蓄電池一体型非常照明装置)
第122条の6の2 ロールオン・ロールオフ旅客船の次に掲げる場所には、安全上十分な蓄電池一体型非常照明装置を設けなければならない。ただし、管海官庁が当該船舶の大きさ、構造等を考慮して差し支えないと認める場合は、この限りでない。
(1)公室
(2)廊下、階段、はしご及び出入口
(3)その他管海官庁が必要と認める場所
2. 前項の蓄電池一体型非常照明装置は、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。
(1)主電源、非常電源及び臨時の非常電源のすべてがその機能を停止した場合において、装置と一体となった蓄電池から自動的に、かつ、直ちに給電が開始されるものであること。
(2)いかなる傾斜状態にあっても3時間以上照明することができるものであること。
(3)第1号の蓄電池は、常に必要な電力が充電されているものであること。
(4)電球の不良を容易に確認することができるものであること。
3. 第1項第2号に掲げる場所に設ける蓄電池一体型非常照明装置は、乗船者が脱出することを妨げないものでなければならない。
4. 第1項に掲げる場所のうち船員のみの利用に供される場所にあっては、有効に照明することができる充電可能な持運び式電気灯をもって蓄電池一体型非常照明装置に代えることができる。
 
(関連規則)
 設備規程第122条の6及び第122条の6の2関係(船舶検査心得)
 
(非常照明装置)
122.6.1(a)第4号の制御場所のうち、非常電源の蓄電池を設置した蓄電池室には、非常照明装置を設置しなくてもよい。
(b)第5号の「その他管海官庁が必要と認める場所」は、次に掲げる場所とする。
(1)エレベーターのかご及びトランクの内部(国際航海に従事する旅客船にあっては、エレベーターのかごの内部に限る。)
(2)消防員装具の格納場所
(3)操舵装置を設置した場所
(4)消火ポンプ、スプリンクラ・ポンプ及び非常ビルジポンプを設置した場所並びにこれらに用いる電動機の始動場所
(蓄電池一体型非常照明装置)
122.6−2.1(a)「管海官庁が当該船舶の大きさ、構造等を考慮して差し支えないと認める場合」とは当該船舶が国際航海に従事しない船舶であって、次のいずれかに掲げる場合とする。
(1)146−44.1(b)に該当するもの〔(注)第146条の44の船舶検査心得(203頁)参照
(2)沿海区域又は平水区域を航行区域とする船舶であって、総トン数1,000トン未満のもの
(b)第3号の「その他管海官庁が必要と認める場所」とは、次に掲げる場所であって、非常時における脱出が容易でない場所とする。
(1)旅客室、船員室等のうち、多人数(13人以上を標準とする。)が使用する場所(例えば、大部屋の2等船室等)
(2)乗務員が通常業務に従事する場所(例えば、船橋、制御室等)
122−6−2.2(a)第3号の「常に必要な電力が充電されている」とは、主電源等により常時充電されていることを要求しているのであって、必ずしも、非常電源からの充電をも要求しているものではない。
(b)第4号の「電球の不良を容易に確認できるもの」とは、例えばスイッチ等で確認できるもの又は常時点灯式のものをいう。
122−6−2.4(a)持運び式電気灯は、コンセント等から常に充電されているものであって、3時間以上照明することができるものであること。







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION