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(4)上甲板に布設する電路
 上甲板に布設する電路については、設備規程第302条の8の規定による。
 
第302条の8 上甲板に布設する電路は、防しょく処理を施した金属製管、金属製線樋等で保護し、上甲板より離し、かつ、適当に伸縮性をもたせて布設しなければならない。ただし、居住場所等に布設する電路については、この限りでない。
 
(5)ポンプ室等の照明
 危険場所の照明については、設備規程第302条の9の規定による。
 
(ポンプの室等の照明設備)
第302条の9 引火性液体の圧縮機又はポンプを設けた場所(以下この条において「ポンプ室等」という。)の照明は、次の各号のいずれかによらなければならない。
(1)ポンプ室等と堅固なガラスで気密に隔離したポンプ室等外からすること。
(2)日本工業規格「船用防爆天井灯」若しくは「船用防爆隔壁灯」の規格に適合する電灯又は、これらと同等以上の効力を有するものによること。
2. 前項のポンプ室等内で使用する持運び式電灯については、第269条第2項の規定を準用する。
 
(6)貨物ポンプ等の電動機
 貨物ポンプ等の電動機については、設備規程第302条の10の規定により防爆構造のものを使用すること。
 
(貨物ポンプ等の電動機)
第302条の10 引火性液体の圧縮機又はポンプを直接駆動する電動機は、日本工業規格「一般用電気機器の防爆構造通則」のうち耐圧防爆構造に関する規格に適合するもの又はこれと同等以上の効力を有するものでなければならない。ただし、爆発を防止するための適当な措置を施した給気式機械通風装置により十分換気されている場所に設備されたものについては、この限りでない。
2. 前項の電動機は、その駆動する圧縮機又はポンプのある場所と気密の隔壁又は甲板で仕切られた場所(危険場所を除く。)に設備し、かつ、当該隔壁又は甲板を駆動軸が貫通する部分には、軸心を調整することができるガス密構造のグランドを設けなければならない。ただし、爆発を防止するための適当な措置を施した電動機であって、管海官庁の承認を受けたものについては、この限りでない。
 
(関連規則)
 設備規程第302条の10関係(船舶検査心得)
 
(貨物ポンプ等の電動機)
302−10.1(a)「爆発を防止するための適当な措置を施した給気式通風装置」とは、ケーシングと翼が接触しても発火源となる火花を発しない構造であり、かつ、耐圧防爆構造の電動機又は通風路の外の安全場所に設けた電動機等によって駆動される通風装置をいう。
(b)「十分換気されている」とは、ポンプ又は圧縮機の起動前に、当該区画が給気式通風装置により10回以上換気されているとともに、ポンプ又は圧縮機の運転中は毎時20回以上換気されている状態をいう。したがって、本項ただし書により耐圧防爆構造以外のものを認める場合は、通風機が停止したときは、ポンプ又は圧縮機の駆動用電動機への給電を停止するようなインターロックが設けられていること。
(c)機関室は、本項ただし書の「爆発を防止するための適当な措置を施した給気式通風装置により十分換気されている場所」として取り扱うことができる。
302−10.2(a)JIS C 0903「一般用電気機器の防爆構造通則」(※)のうち耐圧防爆構造に関する規格に適合するものであって、制御装置が安全場所に設けてある場合については、本項ただし書による管海官庁の承認を受けたものとして取り扱うことができる。(※JIS C 0930−93 電気機器の防爆構造通則、JIS F 8009−98 船用防爆電気機器一般通則参照)
 
(関連規則)
(1)危険物船舶運送及び貯蔵規則(電気設備関係)
 
第2編 危険物の運送
第3章 ばら積み液体危険物の運送
第2節 液化ガス物質
第14款 電気設備
(電気設備)
第236条 引火性の貨物を運送する船舶の当該貨物が漏えいし、又は滞留するおそれのある場所には、電気設備を設けてはならない。ただし、船舶の所在地を管轄する地方運輸局長が安全上差し支えないと認める場合は、この限りでない。
(準用規定)
第237条 船舶設備規程第302条の4及び第302条の5の規定は、液化ガスばら積船について準用する。
第3節 液体化学薬品
第11款 電気設備
第300条 告示で定める貨物を運送する船舶の電気設備に使用される材料は、当該貨物のガスとの接触を防止するための適当な保護措置が講じられたものでなげればならない。
第301条 火災危険性貨物を運送する船舶は、当該貨物から発生するガスが漏えいし、又は滞留するおそれのある場所に電気設備を設けてはならない。ただし、船舶の所在地を管轄ずる地方運輸局長が安全上差し支えないと認める場合は、この限りでない。
(準用規定)
第302条 船舶設備規程第302条の4及び第302条の5の規定は、引火点が摂氏61度以下の貨物を運送する船舶について準用する。
 
(2)危険物船舶運送及び貯蔵規則(電気設備関係)(船舶検査心得)
 
(電気設備)
236.0(a)「当該貨物が漏えいし、又は滞留するおそれのある場所」とは、ガス危険区域をいう。
(b)「船舶の所在地を管轄する地方運輸局長が安全上差し支えないと認める場合」とは、本質安全防爆構造の電気設備を備え付ける場合及び附属書〔1〕「液化ガスばら積船の電気的危険場所及び当該危険場所における電気設備の要件」に規定されているガス危険区域において使用が認められる本質安全防爆構造以外の電気設備を備え付ける場合をいう。
301.0(a)「当該貨物から発生するガスが漏えいし、又は滞留するおそれのある場所」とは、附属書〔2〕「液体化学薬品ばら積船の電気的危険場所及び当該危険場所における電気設備の要件」に示す電気的危険場所をいう。
(b)「船舶の所在地を管轄する地方運輸局長が安全上差し支えないと認める場合」とは、本質安全防爆構造の電気設備を備え付ける場合及び附属書〔2〕「液体化学薬品ばら積船の電気的危険場所及び当該危険場所における電気設備の要件」に規定されている危険場所において使用が認められる本質安全防爆構造以外の電気設備を備え付ける場合をいう。
附属書〔1〕液化ガスばら積船の電気的危険場所及び当該危険場所における電気設備の要件
 ガス危険区域において使用が認められる本質安全防爆構造以外の電気設備は、次表の「ガス危険区域」の欄に掲げる場所に応じ同表の「ガス危険区域において使用が認められる本質安全防爆構造以外の電気設備」の欄に掲げるものとする。この場合において、電気設備の備え付けに当たっては、同表の「備考」の欄に掲げるところによること。
 
ガス危険区域 ガス危険区域において使用が認められる本質
安全防爆構造以外の電気設備
備考
○貨物格納設備 サブマージドポンプ用電動機及びその給電ケーブルにあっては、次に掲げる要件に適合するもの。
(1)ポンプ吐出圧力の低下、電動機の電流の低下又は液面の低下時電動機を停止し、貨物制御場所に警報を発するものであること。
(2)ガスフリー作業中、給電を遮断できるものであること。
 
○二次防壁が要求される貨物タンクの船倉区域 サブマージドポンプの給電ケーブル  
○二次防壁が要求されない貨物タンクの船倉区域及び二次防壁が要求される貨物タンクの船倉区域と一重のガス密鋼製囲壁により分離されている区域 (1)通過ケーブル  
(2)内圧防爆構造又は耐圧防爆構造の照明器具 二以上の支回路に分岐すること。 スイッチ及び保護装置は、すべての極又は相を同時に遮断できるものとし、かつ、ガス安全区域に設けること。
(3)電気式測探機、電気式測程機械及び外部電源式陰極防食装置の陽極又は陰極 ガス密の容器に収納すること。
(4)貨物又はバラスト装置の弁の操作用耐圧防爆構造電動機、耐圧防爆構造の一般警報用可聴装置(二次防壁が要求されない貨物タンクの船倉区域を除く。)  
○貨物ポンプ室及び貨物圧縮機室 (1)内圧防爆構造又は耐圧防爆構造の照明器具 二以上の支回路に分岐すること。 すべてのスイッチ及び保護装置は、すべての極又は相を同時に遮断できるものとし、かつ、ガス安全区域に設けること。
  (2)耐圧防爆構造の一般警報用可聴装置 貨物ポンプ及び貨物圧縮機を駆動する電動機は、ガス密の隔壁又は甲板により分離されている場所に備え付けること。駆動される装置と電動機間の駆動軸が貫通する隔壁又は甲板には、軸心を調整することができるガス密構造のグランドを設けること。
(3)電動機が上記の備考の要件によることが困難な場合は、耐圧防爆構造の外被を有する安全増防爆型又は内圧防爆構造  
○危規則第143条第3号ロから二までに掲げる場所及び船首又は船尾の荷役設備を設ける場合は、陸上施設連結箇所から3m以内の区域 (1)内圧防爆構造、耐圧防爆構造又は安全増防爆型
(2)通過ケーブル
 
○危規則第143条第3号ホ及びトの場所 (1)内圧防爆構造又は耐圧防爆構造の照明器具 二以上の支回路に分岐すること。 すべてのスイッチ及び保護装置は、すべての極又は相を同時に遮断できるものとし、かつ、ガス安全区域に設けること。
(2)通過ケーブル  
○危規則第143条第3号チの場所  開口が通じる場所の要件に適合すること。なお、エアロック内の区域の電気設備は、当該区域が加圧状態でなくなったとき非電荷状態となるものか若しくは内圧防爆構造、耐圧防爆構造又は安全増防爆型のものであること。







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