6・3・7 トルク(回転力)
(1)同期ワット
P2=T・2πns〔W〕(同期ワットで表したトルク)
P2:二次側(回転子)入力〔W〕、ns:同期速度〔s-1〕
このP2は同期速度で回転した場合に発生すると考えられる機械動力で、これを同期ワットといい、トルクをいい表す一つの方法である。
〔例題〕4極、60〔Hz〕の三相誘導電動機がトルク9.74〔kg・m〕を発生し、速度1,750〔min-1〕で回転するとき、同期ワットで表したトルクを求めよ。
〔解〕T=9.8×9.74=95.5〔N・m〕・・・kg・mをN・mに変換
それ故 P2=T×2πns=95.5×2π×30=18,001〔W〕
(2)トルク
上記(1)式は(2)式にて表すこともできる。
E2:誘導電動機の回転子電圧〔V〕
s:すべり(小数)
r2:回転子回路の抵抗〔Ω〕
x2:回転子回路のもれリアクタンス 〔Ω〕=2πfL
k2:定数
この式から誘導電動機のトルク〔T〕は電圧の自乗に比例することがわかる。
(3)停動トルク(最大トルク)
この条件は、E2を一定として、s=r2/x2なる条件を(2)の式に入れたものである。実際にはE2が変わるので大約を示したものである。実状ではTmに相当するすべり(s)の値は13〜30%である。
(4)始動トルク
(2)式において、s=1とおけばよい。
(5)トルクの比例推移
最大トルクは誘導電動機の固有のものであるが、移動ができる。
次のトルク式
からわかるように(r2/s)の関数であるから、r2をm倍すれば、トルクは前のすべりsのm倍の点で発生する(上図参照のこと)。
したがって始動トルクを最大にするためにはすなわち最大トルクがs=1のときに発生するようにr2の値を定めることにある。この性質をトルクの比例推移という。巻線形誘導電動機に応用される。
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V1、V2:電動機の始動電圧(相電圧)〔V〕
Ts1、Ts2:V1、V2に対する始動トルク
(1)Y−△始動方式
Is1:Y結線、Id2:△結線に変更
(2)始動補償器による始動方式
Ic1:始動補償器による始動電流
Ic2:全電圧始動時による電源電流
a:単巻変圧器の変圧比
t1:負荷時分〔m〕、t2:無負荷時分〔m〕
注:通常はt1+t2を1周期とし10min以下とする。そして15、25、40%が標準である。
6・3・11 短時間定格の定格時間と%EDとの関係
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