第4章 艤装工事要領
(1)ケーブルの布設材料
ケーブルの布設材料は、大きく区分して支持材料、電線貫通金物及び固縛材料に分けられる。
(a)支持材料
ケーブルを支持するためのもので、布設するケーブルの本数や場所によって種々の形状のものが使用される。
一般的にケーブルの本数が多い場合にはケーブルハンガ、トランク、ダクト等が使用され、本数の少ない場合には電線馬(サドル)、電線管等が使用される。
材料は振動に強く、加工のしやすさや接地等から軟鋼製*1のものが多く使用される。
*1:
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一般にJIS G 3101のSS41Pに亜鉛メッキ塗装を行ったものを使用する。
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(i)ケーブルハンガ
単独ハンガと組立ハンガ(通称ハシゴと呼ぶ)とがあり、取付方法により、ねじ止式と溶接式が、また、ケーブル固縛方法により巻バンド用と押さえバンド用とがある。その一例を図4・1に示す。
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図4・1 巻バンド式ケーブルハンガ
(ii)ケーブルダクト及びトランク
ケーブルダクトは、図4・2に示すようにハンガと比べて布設作業が容易なように、軟鋼板(JIS G 3302等)をコ字形にしたものにケーブル固縛用の孔を明けたものである。
ケーブルトランクは図4・3に示すように、軟鋼板をロ字形にした全閉構造のもので金属管の代用となる。
図4・2 ケーブルダクト
図4・3 ケーブルトランク
(iii)電線馬
フラットバー(帯鋼)、形鋼によるコ字形、T字形、L字形等があり、その一例を図4・4に示す。
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図4・4 各種電線馬
(iv)電線管
暴露甲板、貨物倉、機関室等で機械的損傷を受けやすい場所や水、油等がかかりやすい場所に、ケーブル保護のためガス管(JISG3452)、電線管(JISC8305)、プリカチューブ等を使用する。その一例を図4・5に示す。
図4・5 プリカチューブ
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