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6・6・3 レーダー・トランスポンダー方程式
 レーダー・トランスポンダーの探知距離を与える方程式は、二つの独立した方程式が必要である。まず第一の方程式は、レーダー電波が海上を伝搬してSARTに到達したときSARTが受信する電力を表す方程式で、そのSARTの最小感度より大きく、SARTで十分受信されなければならない。第二の方程式は、SARTが受信したレーダー電波によって作動を始め、その発信電波がレーダーに戻ってくる電力を表す方程式で、これもレーダーの最小感度より大きくSART信号が十分受信されなければならない。図6・16は、SARTの探知距離を示す図である。
 
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図6・16 SARTの探知距離を示す図
 
(1)トランスポンダー入力 St
 トランスポンダー入力Stは、(6・8)式で与えられる。
(6・8)
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(2)レーダー入力 Sr
 レーダー入力Srは、(6・9)式で与えられる。
(6・9)
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ただし
P: レーダー尖頭出力 G: レーダー・アンテナゲイン
At: SARTの受信有効面積 R: レーダーとSARTの距離
AS: 図中の高さ Ae: 図中の高さ
Hs: レーダーアンテナの高さ He: SARTの高さ
λ: レーダー電波の波長    
Pt: SARTの出力 Gt: SARTのアンテナゲイン
Re: レーダー電波に対する地球の等価半径 6371.2293Km×4/3
 
 図6・17は、SARTを海面上種々の高さに変えたとき、どのように受信信号の強度が変化するかを示している。これによって少しでも高く掲げることが極めて有効であることが分かる。
 
Radar
(ピーク出力:10kW、アンテナゲイン:30dB、アンテナ高:15m)
SART
(ピーク出力:800mW、アンテナゲイン:OdB、アンテナ面積:1cm2
(SART He:5.0m,1.0m,1.5m,2.0m,2.5m,3.0m,3.5m,5.0m)
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図6・17 SARTの海面上高さを変えたときの信号強度







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