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2・3・4 論理回路(ロジック回路)
 コンピュータの演算やプログラムに論理回路が使用される。1と0の組合せで2進計算や論理演算が行われる。トランジスタやダイオードの入力に或るレベル(TTLでは5V)の電圧を加えると符号1の状態となり、0Vの電圧を加えるとき符号0の状態となる。それぞれの入力電圧に対応した出力電圧レベルで符号1又は0と定義される回路が論理回路である。
 図2・20に基本的な論理回路を示す。入力端子A、Bにそれぞれ1又は0に対応した電圧を加えたときの出力Yの電圧レベルにより1又は0の符号を読み出す回路である。(a)AND回路、(b)OR回路、(c)NOT(否定)回路、(d)NAND(ANDの否定)回路、(e)NOR(ORの否定)回路、(f)EX−OR(排他的OR)回路を示す。それぞれの回路でAとB入力と出力Yの符号関係を表で表したものを真理値表と呼ぶ。例えばAND回路においてA0、B0のときYは0となるがA1、B1のときYは1となることがAND回路の真理値表から分かる。1又は0にそれぞれあるプログラムを対応させると論理の判断ができるのでこれらの回路を論理回路と呼ぶ。
 
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図2・20 論理回路
 
 論理回路を組合せると符号の計算ができる。図2・21の組合せ回路にAとBの符号を入力したときの出力Yとの関係を示す。
 
図2・21 論理演算の例
 
2・3・5 デジタル通信機の構成
(1)デジタル通信系モデル
 図2・22はFanoによるデジタル通信系のモデルである。情報源から発生する音声やビデオ等のアナログ情報は情報源符号器でデジタル符号化され、通信路符号化器で無線等の伝送に適した通信用符号に変換されて伝送される。受信機ではこの逆の操作でアナログ信号に戻して受信者に届ける。
 
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図2・22 Fanoによるデジタル通信系のモデル
 
 図2・23にパルス符号変調(PCM)の符号化と復号化の系統図を示す。アナログ信号は標本化によりパルス振幅変調(PAM)され、量子化により符号の長さを制限して符号化されて伝送路を通して受信される。受信機内ではこの逆の操作により復号してPAM波を取り出し、低域ろ波器によりアナログの信号成分を取り出す。
 
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図2・23 パルス符号変調(PCM)の通信系
 
(2)量子化レベルと量子化雑音;
 2・3・2項で述べたように連続的なアナログ信号を階段状の量子化信号に変換するためこの差部分(三角部分)の信号が失われるので受信側で量子雑音として妨害になる。このため細かく量子化することが望ましい。逆に量子化を細かくすると、符号が長くなり伝送時間も長くなり、回路も複雑となるので少ない量子化数が望まれる。
 人間の耳は量子化雑音に敏感なので音声信号を27=128レベル以上細かく量子化する必要があるが、目は輝度変化に鈍感なのでビデオ信号を23=8レベル程度の量子化でも量子化雑音が妨害とならない。
 さらに信号を圧縮機(コンパンダ)を通してから符号化すると同じ量子化数でも受信側で量子化雑音が少なく感ずる。圧縮器は信号成分が多く含まれている振幅部分は細かく、信号成分が少ない振幅部分は粗く量子化することになるため受信側で人間が判断するときに量子化雑音を少なく感ずるからである。受信側では逆に伸張器(エキスパンダ)を通して復調して信号のひずみを補正する必要がある。
 
2・4 電波の型式表示
 無線局から信号で変調された種々の電波が発射される。電波法施行規則第4条にこれら電波を記号で表示する規定が示されている。これらの電波を表2・2に示した。(a)主搬送波の変調型式(b)主搬送波を変調する信号型式(c)情報伝送の型式の3つに分類できる。
 
(a)主搬送波の変調型式
変調の型式 記号
1. 無変調 N
2. 振幅変調(副搬送波が角度変調されている場合も含む)  
(1)両側波帯 A
(2)全般送波による単側波帯 H
(3)低減搬送波による単側波帯 R
(4)抑圧搬送波による単側波帯 J
(5)独立側波帯 B
(6)残留側波帯 C
3. 角度変調  
(1)周波数変調 F
(2)位相変調 G
4. 同時に、又は一定の順序で振幅変調と角度変調を行うもの D
5. パルス変調  
(1)無変調パルス列 P
(2)変調パルス列  
ア. 振幅変調 K
イ. 幅変調又は時間変調 L
ウ. 位置変調又は位相変調 M
エ. パルスの期間中に搬送波を角度変調するもの Q
オ. 上記の各変調の組合せ、又は他の方法によるもの V
6. 上記に該当しないもので、同時に、又は一定の順序で振幅、角度、パルス変調の内、2以上を組合せて行うもの。 W
7. その他のもの X
 
(b)主搬送波を変調する信号型式
変調する信号の性質 記号
1. 変調信号のないもの 0
2. ディジタル信号である単一チャンネルのもの  
(1)変調のための副搬送波を使用しないもの 1
(2)変調のための副搬送波を使用するもの 2
3. アナログ信号である単一チャネルのもの 3
4. ディジタル信号である2以上のチャネルのもの 7
5. アナログ信号である2以上のチャネルのもの 8
6. ディジタル信号の1又は2以上のチャネルと、アナログ信号の1又は2以上のチャネルを復号したもの 9
7. その他のもの X
 
(c)情報伝送の型式
情報の型式 記号
1. 無情報 N
2. 電信  
(1)聴覚受信を目的とするもの A
(2)自動受信を目的とするもの B
3. ファクシミリ C
4. データ伝送、遠隔測定又は遠隔指令 D
5. 電話(音響の放送を含む) E
6. テレビジョン(影像に限る) F
7. 上記の型式の組合せのもの W
8. その他のもの X
 
電波の型式表示の例を右に示す。中波のAM放送はA3E、地上はテレビはC3F、FM放送はF3Eと表示される。 (1)搬送波を手動でキーイングする電信 A1A
(2)搬送波を自動でキーイングする電信 A1B
(3)トーン信号を手動でキーイングしてAMする電信 A2A
(4)中波放送等、AM(DSB)による音声の送信 A3E
(5)FM放送等、FMによる音声の送信 F3E
(6)抑圧搬送波のSSBによる音声の送信 J3E
(7)低減搬送波のSSBによる音声の送信 R3E
(8)全搬送波のSSBによる音声の送信 H3E
(9)AMによる電信と電話の複合 A9W
(10)地上波のテレビ放送(映像) C3F
(11)衛星放送 F9W
(12)レーダー等のパルス搬送波 P0N







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