日本財団 図書館


2・11・6 汽笛
 船の警笛は海上人命安全条約、海上衝突予防法などで要求されている。汽笛の動力源としては空気、蒸気、電気などがあるが、電気式の代表的なものとして、モーターサイレン、ピストンホーン、エレクトロタイホン、ゼットホーン等がある。なお、空気を動力源とするエアホーン及び蒸気を動力源とするスチームホーンは何れも通常電磁弁によって操作される。
 汽笛の吹鳴制御装置は信号発停機構に適合した電気制御回路を構成し、制御に必要な電気機器や自動信号装置などを配電箱に収納している。電動式サイレンのときは、モータの運転回路もこれに含まれ、一般に制御はタイムコントローラ、管制器、始動器等によるが、吹鳴操作は押ボタンスイッチで行われる。自動信号装置は、おもに霧中信号を発信させるもので、信号に応じた吹鳴、休止時間をあらかじめ設定し、これを反覆動作させる一種のタイマである。
 図2.143及び図2.144はこれらの一例を示す。
(拡大画面:33KB)
図2.143 汽笛警報コントロールシステム(例)
 
(拡大画面:27KB)
図2.144 霧中信号用タイマの回路(例)
 
 監視用テレビジョンとはC.C.T.Vと呼ばれ、テレビジョンカメラを受像側で制御ができ、無調整化すれば容易に取扱える。
 上記以外に船内の警報装置としては、次のようなものがある。
(1)冷蔵庫警報
 冷蔵庫に人が閉じこめられたとき、庫外にベルや警報灯で警報する。スイッチは冷蔵庫内に、ベルや警報灯は調理室など人が常にいる場所に取付ける。電源は一般に蓄電池によるDC24Vでなければならない。
(2)水密扉警報
 水密扉の閉鎖をあらかじめ知らせるための警報装置で、電源は蓄電池によるDC24Vでなければならない。
(3)船体傾斜警報
 ばら積み船舶の荷役時などの船体傾斜を検知して、船橋前部にある表示灯などによって上甲板又は船首へ警報する装置である。
(4)居室警報
 機関室無人化船などに装備される装置で、機関室内の各種警報を関係がある各居室へ伝達する装置である。







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION