2.6 電線管
2.6.1 電線管及び付属品
電線管及び同付属品には次のようなJIS規格がある。
(注1) |
硬質塩化ビニル電線管を使用する場合、装備場所に制約があるので、管海官庁又は船級協会の承認を得る必要がある。 |
(注2) |
カップリング、コネクタ、ロックナット、ブッシング等。 |
(注3) |
カップリング、コネクタ、ノーマルベンド、ブッシング、キャップ等。 |
2.6.2 フレキシブルコンジット(従来、フレキシブルチューブと呼称)
フレキシブルコンジットは可とう電線管工事に使用されるもので、代表的な商品名として、プリカチューブ(プリカPZ及びプリカPV)がある。
プリカPZは、内層に耐水紙を用いた標準品である。また、プリカPVは、プリカPZの外側に更に防湿、防食のための軟質ポリ塩化ビニル(PVC)を被覆をしたものである。
なお、フレキシブルコンジットについては、JIS C 8309−1999(金属製可とう電線管・Pliable metal conduits)で規格化されている。
2.7.1 ガスケット
電線貫通金物に使用され、電線と金物の間の防水を確保するものであって、一般にネオシールガスケット、ゴムガスケットなどがある。また、接地兼用としてはメタリックのものが使用されている。
2.7.2 パテ
電線貫通金物のガスケットの補助的に使用されたり、又、電線コーミングなどに充填するもので、ネオシールパテ、ダックシールパテなどが一般に使用されている。
2.7.3 圧着端子
船用圧着端子用端子盤(JIS F 8813−00)及びこれに適合する圧着端子を表2.13に示す。
表2.13 端子盤の種類と適合圧着端子
形式 |
端子数 |
定格電圧(V) |
定格電流(A) |
適合圧着端子(参考) |
C形 |
10 |
2 |
3 |
4 |
5 |
7 |
10 |
12 |
500 |
10 |
R1.25−3 |
20 |
20 |
R1.25−4
R2−4 |
32 |
32 |
R1.25−5
R2−5
R5.5−5 |
|
備考1. |
JIS F 8813−00では、圧着端子を裸圧着端子から絶縁被覆付圧着端子に(PL法の観点から)変更したため、C形10の定格電圧の250Vがなくなり、定格電圧はすべて500Vとなった。 |
2. |
適合圧着端子(参考)は、JIS C 2805−91の規定による。 |
2.7.4 テープ
表2.14 自己融着テープ
厚さ(mm) |
幅(mm) |
1巻の長さ(m) |
最高使用温度(℃) |
主な用途 |
0.5 |
19又は20 |
10以上 |
75 |
線端処理用 |
0.6 |
1.0 |
5以上 |
|
表2.15 電気絶縁用ポリ塩化ビニル粘着テープ
(JIS C 2336−99)
種類 |
呼び方(記号) |
温度指数、温度等級 |
A種 |
EVAT |
温度指数指定なし 最低温度等級指定なしの製品 |
B1種 |
EVAT−1 |
温度指数 60 最低温度等級 0℃の製品 |
B2種 |
EVAT−2 |
温度指数 60 最低温度等級−10℃の製品 |
B3種 |
EVAT−3 |
温度指数 60 最低温度等級−18℃の製品 |
B4種 |
EVAT−4 |
温度指数 60 最低温度等級−33℃の製品 |
B5種 |
EVAT−5 |
温度指数 90 最低温度等級 0℃の製品 |
B6種 |
EVAT−6 |
温度指数 90 最低温度等級−10℃の製品 |
B7種 |
EVAT−7 |
温度指数 90 最低温度等級−18℃の製品 |
B8種 |
EVAT−8 |
温度指数 90 最低温度等級−33℃の製品 |
B9種 |
EVAT−9 |
温度指数 105 最低温度等級 0℃の製品 |
B10種 |
EVAT−10 |
温度指数 105 最低温度等級−10℃の製品 |
B11種 |
EVAT−11 |
温度指数 105 最低温度等級−18℃の製品 |
B12種 |
EVAT−12 |
温度指数 105 最低温度等級−33℃の製品 |
|
備考1. |
温度指数は、その材料の熱劣化挙動の指標であるが、そのテープの絶縁機能における最高使用許容温度(℃)と同一視しないほうがよい。 |
2. |
耐熱性は、テープの種類がB1種〜B4種ならば、温度指数は60以上、B5種〜B8種ならば、温度指数は90以上、B9種〜B12種ならば、温度指数は105以上であること。 |
3. |
暴露温度は、次のとおりとする。 |
|
B1種〜B4種ならば、85℃、100℃、120℃とする。 |
|
B5種〜B8種ならば、100℃、110℃、120℃とする。 |
|
B9種〜B12種、120℃、130℃、140℃とする。 |
4. |
テープの色は、透明、半透明又は不透明でもよく、着色又は無着色でもよい。 |
|
着色テープでは、その色は、黒、白、青、緑、黄、茶色、黄赤、赤、紫、灰色、空色、桃色の12色とする。 |
5. |
厚さは(mm)、0.2±0.03 |
6. |
幅は(mm)、6.10、12、15、19、22、25、30、38、50 |
7. |
1巻の長さは(m)、5、10、16、20、25、30、33、50、55、66 |
8. |
主な用途は、線端処理並びに自己融着テープの上に巻き外傷を防ぐこと。 |
2.7.5 チューブ
表2.16 熱収縮性塩化ビニルチューブ
呼称(円周の1/2) |
厚さ(mm) |
被覆体の径(mm) |
主な用途 |
備考 |
5.0
6.0
8.5
9.5
11.0
12.0 |
0.2
〃
〃
〃
〃
〃 |
3.0〜1.4
4.0〜1.7
5.0〜2.2
6.0〜2.7
7.0〜3.0
7.5〜3.2 |
線心端処理 |
編組ほつれ止め、圧着端子押え線端根元結束に使用される。 |
被覆体最大径×π/2以上の近似数 |
0.1又は0.2 |
最大径と最小径の比50%以内 |
線端(根元結束補強用)(厚さ0.1のものは2枚重ねとする) |
あじろがい装の防食用としても使用される。 |
|
|