日本財団 図書館


インガー・ブリュッゲマン事務局長が表敬
ミサイルも核も持たない日本は「世界の平和・福祉」のためにIPPFなどへの支援を続けていく―福田官房長官が表明
福田官房長官に感謝状を贈るインガー・ブリュッゲマンIPFF事務局長(中央)とシンディング氏=内閣官房長官局長官室で
 
 八月末で退任する国際家族計画連盟(IPPF)のインガー・ブリュッゲマン事務局長が、後任のスティーブン・スィンディング氏と共に来日し、六月二十五日首相官邸に、JPFPメンバーでもある福田康夫官房長官を表敬訪問した。
 ブリュッゲマン事務局長は、日本政府からの支援に対し深い感謝の意を述べるとともに、IPPFが抱える財政難について説明した。今年、アメリカのブッシュ大統領は「世界ギャグ・ルール」を復活させ、中絶のカウンセリングや実際に中絶を行う病院や診療所、またそれを支援する団体に対する援助をストップさせた。これによりIPPFも大きな痛手を受け、多くの国で家族計画の診療所を閉鎖しなくてはならない事態が起きている。
 日本政府は昨年度IPPFに対し十九億四千八百四十七万円の拠出をしたが、今年度はODA予算が一〇%削減されたため、IPPFへの拠出額は十七億九千四百三十四万円に減少し、円レベルで七・九%減となった。しかし、日本政府はIPPFに対し百万ドルのHIV/AIDS信託基金を開設するなど新たな援助の枠を広げている。福田官房長官は「日本は核もミサイルも持たないので、世界の平和・福祉のために貢献できる唯一の方法が、IPPFなどへの支援である」と述べ、今後もIPPFへの援助を続けていくことを約束した。
 ブリュッゲマン事務局長は、福田官房長官のIPPFの活動への理解と支援に対し、感謝の意を述べIPPFから同長官への「感謝状」を手渡した。
(加藤祐子)







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION