日本財団 図書館


8.3 得られた知見
 AP215のデータ構造を調査し、図8-1及び表8-2から次のことが明らかになった。
・ItemのサブタイプであるSpacesは区画のプロパティを規定せず、definitionのサブタイプであるCompartment_design_definitionsがSpacesを参照することによって、区画の形状及びその他属性を構成して行く。
・Spacesに求められる要件は、Compartment_Requirementsによって規定され、Spacesを参照することによって要件と区画を結び付けている。
・船舶の排水量をしめすTonnageは各排水量のデータを規定するが、排水量算出に用いた区画を選択することができる。
・承認及び変更履歴データを保持するConfiguration_managementsは、ItemやDefinitionをデータの対象とする。definitionのスーパータイプとして定義されることにより全てのデータの変更履歴を保持することとなる。
・区画の塗装は、Compartment_propertiesとCompartment_design_definitionsを介して、Spacesと関連付けられる。
・Arrangement_relationshipがSpacesを参照することにより、区画の配置関係が規定される。
・item及びitem_structureのサブタイプであるProduct_structuresがSpacesを参照することによって、区画に含まれる構造物を定義している。
・CargoesがLocation_conceptsを参照することにより貨物の位置を指定している。
・Location_conceptsがSpacesを参照することにより、区画の位置を指定している。
・DIS Ballotコメントとして求められた船主承認データが含められるため、今後configuration_managements UoFの大幅な変更が予想される。
・items_and_definitions UoFがitems UoFとdefinitions UoFに分割されている。これは、SCM frameworkに沿った構造にしたもので、船用AP間の整合性を保つためのものと思われる。
・DIS文書として追加されたAOは計5であり、UoF変更は多数行われているが、AOレベルでの変更はほとんど無く、基本的なデータの持ち方はCD文書と変わっていない。
・全体的に見て、DIS文書では他のAPとの整合性を保つように変更が加えられており、これまで問題となっていた各AP間の相違がかなり解消されているものと思われる。







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION