5.2.12 Stability_definition(DIS−4.2.104)
Stability_definitionは、Design_definition(DIS−4.2.25参照)のタイプの一つで、与えられた船の復原力特性を定義する。結果は、異なる載荷状態の表の形で定義されて、異なるヒール角度の浮心とrighting arm(直立させる力)を表現する。
注) |
|
|
Damage stability(損傷時の復原力)は、Stability_definitionの特殊な場合である。 |
(拡大画面:25KB) |
|
図5.2−6 Form stability
Stability_definitionと関連するデータは、以下の通りである。
−defined_for;
−representations.
5.2.12.1 defined_for(DIS−4.2.104.1)
defined_forは、Stability_definitionが定義される船について詳述する。アプリケーションアサーション(DIS−4.3.105)を参照のこと。
5.2.12.2 representations(DIS−4.2.104.2)
representationsは、Stability_definitionが表現するStability_tableについて詳述する。アプリケーションアサーション(DIS−4.3.106)を参照のこと。
5.2.13 Stability_table(DIS−4.2.107)
Stability_tableは、無傷または損傷時の船に与えられる復原力特性を定義する。その結果は、表の形状で定義されて、1つのFloating_position(浮心位置)から始まる、異なるヒール角度の浮心とrighting arm(直立させる力)を表現する。Stability_tableと関連するデータは、以下通りである。
−items
−mean_shell_thickness
−name
5.2.13.1 items(DIS−4.2.107.1)
itemsは、1つのFloating_position(浮心位置)から始まる、異なるヒール角度の浮心とrighting arm(直立させる力)である復元力の特性について詳述する。アプリケーションアサーション(DIS−4.3.111)を参照のこと。
5.2.13.2 mean_shell_thickness(DIS−4.2.107.2)
mean_shell_thicknessは、外板の平均板厚のための実数値について詳述する。板厚を含んだ船の復原力特性のための形状を定義するために使われることがある。
5.2.13.3 name(DIS−4.2.107.3)
nameは、ユーザーあるいはシステムが定義するStability_tableの名前について詳述する。
5.2.14 Stability_properties_for_one_floating_position(DIS−4.2.105)
Stability_properties_for_one_floating_positionは、Ship_moulded_form( DIS−4.2.93参照)における特定のFloating_position( DIS−4.2.37参照)のための復原力計算に固有なデータのコレクションについて詳述する。
Stability_properties_for_one_floating_positionと関連するデータは、以下の通りである。
−centre_of_gravity_above_keel
−definition_of_starting_floating_position
−related_stability_table
−stability_properties_for_different_angles_of_heel
5.2.14.1 centre_of_gravity_above_keel(DIS−4.2.105.1)
centre_of_gravity_above_keelは、船の重心位置について詳述する。船の重心位置は、異なるヒール角度においても変化しないと仮定される。x座標は後部垂線から、y座標は中心線から、そして、z座標はベースラインから計られる。アプリケーションアサーション(DIS−4.3.107)を参照のこと。
5.2.14.2 definition_of_starting_floating_position(DIS−4.2.105.2)
definition_of_starting_floating_positionは、復原力特性の計算のための、始点として使われる、船の特定の載荷状態における浮心位置について詳述する。浮心位置は船の排水量に一致する容積や、喫水、トリム、ヒールをカバーする。
5.2.14.3 related_stability_table(DIS−4.2.105.3)
related_stability_tableは、Stability_properties_for_one_floating_positionが関連するStability_tableについて詳述する。アプリケーションアサーション(DIS−4.3.111)を参照のこと。
5.2.14.4 stability_properties_for_different_angles_of_heel(DIS−4.2.105.4)
stability_properties_for_different_angles_of_heelは、特定のDefinition_of_starting_floating_positionにあてはまる全ての復元力特性について詳述する。アプリケーションアサーション(DIS−4.3.109)を参照のこと。
5.2.15 Stability_property(DIS−4.2.106)
Stability_propertyは、特定の載荷状態でShip_moulded_form( DIS−4.2.93参照)の復元力計算ために必要なすべての特性について定義する。Stability_propertyと関連するデータは、以下の通りである。
−angle_of_heel
−centre_of_buoyancy
−righting-arm
5.2.15.1 angle_of_heel(DIS−4.2.106.1)
angle_of_heel(ヒール角)は、x軸のまわりで船の回転角度について詳述する。船の右舷側が下がるならば、ヒール角は正の値を持つ。
5.2.15.2 centre_of_buoyancy(DIS−4.2.106.2)
centre_of_buoyancy(浮心)は、船体モールド形状の水中部分の容積中心の位置について詳述する。x座標は船尾垂線、y座標は中心線、そしてz座標はベースラインから計られる。アプリケーションアサーション(DIS−4.3.110)を参照のこと。
5.2.15.3 righting_arm(DIS−4.2.106.3)
righting_arm(復原てこ)は、傾いた喫水線に対して浮心を通る垂直な線と、centre_of_gravity_above_keelを通る垂直な線の間の距離について詳述する。傾いた喫水線に対して両方の線は、直角になる。
例) |
|
|
righting_armのイメージを、図5.2-4および図5.2-6に示す。 |
解説: |
|
|
5.2.12〜5.2.15で解説した、復元力の特性に関する4つのアプリケーションオブジェクト、 |
−Stability_table
−Stability_properties_for_one_floating_position
−Stability_definition
−Stability_property
の関連を示したEXPRESS-Gを図5.2-7に示す。
またStability_tableの例を表5.2-3に示す。
(拡大画面:30KB) |
 |
図5.2−7 |
ARM EXPRESS-G UoF Hydrostatics diagram(3) |
Intact stability table(CROSS KN tableと同等)
(拡大画面:26KB) |
 |
表5.2−3 Intact stability table(例)
|